Oさんのシャツは、いつもタイトフィッティングです。
今からお伝えする考え方はマッセアトゥーラのスーツも同じですが、
バスト寸法やウエスト寸法が同じ人でも、前後バランスまで同じとは限りません。
アームホールの刳り位置で胸巾と背巾を測ると、大抵の方は背巾が広く、
一方、胸囲位置(カマ下)でみると、胸巾の方が広く、
特に鍛えた方の前後のバランスだと、かなり胸巾が広くなります。
タイトなシャツを仕立てる場合は、この前後バランスを考えておかないと、
胸巾がキツく、背巾が余ったりしますから、一見フィットしたかのように見えても、
実際には着づらいですし、見た目にも、見慣れた目には結構不細工だったりするものです。
これと同じ事は、お腹周りでも言えますし、アームホールだと、
肩傾斜や反身や屈伸といった立体造形が絡み合ってくるので、更にシビアな調整が必要です。
安定してから、僕はほぼいつも同じスタイルで作っています。
これで、今まで生地が気に入ってもサイズが合わなかったり、その逆も、、
いつも気に入ったシャツを探し、彷徨う、、そんな苦労から開放されたことはオーダーの賜物。
採寸の際には、お好みのフィット感をお伺いした上で、
ゆとりを好まれる方には胸囲実寸+14cm、アームホールは+6cm。
ジャストフィットがお好みの方には胸囲+12cm、アームホールで+5cm。
タイトフィットがお好きな方ですと、胸囲+9cm、アームホールで+4cmを標準としています。
もちろん、胸囲+16cmや、アーム+8cmという方もいらっしゃいます。
サイズを合わせるだけではなく、着用感を高めるため、
そして、より綺麗なラインを求めて型紙の微調整を繰り返します。
その為には、お客様との対話が大切となり、お互いの意見をぶつけあいます。
それと同時に、襟やカフのバリエーションも加わり、ご自身の型紙コレクションは充実してゆきます。