【Handsome Suits 2008!】

東京のMさんは、毎回スーツに名前をつけられます。

今回は、ロロ・ピアーナ130’Sのアズッロ(Azzurro)のスーツです。

ロロ・ピアーナのアズッロは、アズッロ中のアズッロ!と言わせるほど綺麗ですね。





このノーブルな光沢感はドレープ感も相まって、イタリア生地の中でもロロ特有です。

極細の経双糸×緯単糸でありながら、2/2の綾織なので、

経緯共に同じ密度(&太さ)で織られる為、

綾目がほぼ45度と、安定した組織を持っているので、

ソフトで柔らかいながらも、張り感のある生地に織り上がっています。

※2/2の綾織とは、経糸に対して緯糸が2本浮いて2本沈む、そんな綾目を持った組織です。



途中からマニアックな話題にそれましたが、只今上映中の

ハンサムスーツ(Handsome Suits)の監督は高校時代の同級生です。(笑)

かなり面白い人間が、自分が楽しむために?撮った映画ですから、かなり!面白いですよ♪








ヴィンテージのドーメルで仕立てたスーツ。

バッシバシのへヴィーな生地ですが、しっかりドレープ出てます。

これが小さい寸法なら、ここまでドレープも出なかったんじゃないかなと思います。

だって、僕のパンツ総丈と、Mさんの股下が同じくらいなんですから。(汗)

セミフレアーなパンツシルエットもいい感じで出てます。

※ちなみに画像の椅子も、50年前のヴィンテージです!(笑)





ヴィンテージならではの濃厚な表情です。

袖はフレアーカットにはせず、パンツのシルエットに合わせて、

肘巾と袖口の巾とのバランスで、若干フレアーっぽく感じさせるようにしてあります。





Mさん、撮影ご協力、どうもありがとうございました!






1年ぶりに、君津市のナチュラルクリーンさんにお邪魔してきました。
ナチュラルテイストに溢れたエントランスです。
※10月20日に伺ってきました!
日本全国から届く洋服(靴や鞄といった革製品も)は、
入荷次第データ管理するために、入荷日やお名前など、その全てが登録されます。
また、水洗い後の縮みをなくす(戻す)ために、寸法も測られます。
水洗いに入る前に、ポケットなど型崩れが著しい部分には躾けがかけられます。
1年前、この工程はありませんでしたが、
あるお客様のクレームが、この工程を入れるキッカケに。
「ナチュラルクリーンの成長は、お客様の声を大切にする事です!」
確かに、、1年前に伺った時より、工程が細分化され(追加され)ていましたね。
僕が着ていったジャケットを実際に洗わせて頂く事に!(笑)
ポケットに躾をかける事で、以前のように、洗濯袋に入れることなく、直接放り込み、
中田代表曰く、「この方が綺麗になるやん!♪」と。
今までだと、キューティクルが痛んで縮みが起きやすかったからだそうですが、
より水が進化したことでネットに入れなくても、
ポケットなどに躾をかける程度で、そのまま洗えるようになったとか。
冗談っぽく、「この方が綺麗になるやん!」って言われたので、
てっきり僕の私物だから、、みたいなノリかと(汗。。
ちゃんとした根拠があっての事で、
焦って損しました(笑。
洗いも、グルグル回すのではなく、
特別なプログラムによって、3段階で汚れを落とします。
お風呂上りの石鹸の匂いがします(笑♪
先ずは裏返した状態で、立体プレス機にかけて皺を伸ばします。
以前、コメント欄でやり取りしたように、如何に濡れた状態の時に復元するか、
それが水洗いの際、とても大切な意味をなすそうです。
確かに、自宅でシャツのアイロンを掛ける時にも同じ事が言える事を実感しています。

ロッキーのテーマソングを流し、ノリノリで現場に入られる中田代表!
部分的に、ハンドでプレス機の効果を補ってゆきます。
生地別の加工剤を吹きます。
これはドライクリーニングでも使いますが、
従来型の工程は、ウールでもモヘアでもカシミアでも麻でも、、
同じ溶材を使うのですが、それが仕上がり時の風合の違いの原因となります。
それは水洗いだと、なおさら顕著に現れますので、この見極めはとても大切になります。

言い添えますが、僕は何度も生地を織る現場を見に行っていますが、
どの生地も織り上がってからの整理工程が大切となり、いわば女性で言う化粧にあたります。

生地(女性)にとっての整理(化粧)は、とても大切で、
整理次第で、生地の表情(仕上がり)は、如何様にも変わります。
この辺りの違いを実感して頂くには、現物を見ながらすると面白いですよ
話がそれるので、それはご来店の方々への特典と云う事で!(笑←やらしっ!爆)
画像がコロコロ変わって、ごめんなさい。
またまた僕のジャケットですが、加工剤を入れ、及川さんに作業を代わって頂きました。
自分でやってみたのですが、簡単そうで、思ったように出来ません。
全く関係ありませんが、及川さんのポロシャツ、
僕の大好きなバーバリアンでした。
フレンチブルーが綺麗!
前夜に急に決まって同行のKちゃん、これまた自前のマッキントッシュで奮闘中です。
ある程度までシルエットが復元し、皺がとれれば、静止乾燥工程に入ります。
この工程も従来型では、一般的にタンブラー乾燥といって、
衣類を回転させながら乾燥するので、洋服の伸縮や風合いの変化を起こす可能性があります。
これまでの工程でも、かなり完成形に近づいているのですが、
ここからさらに、アパレル工場並みのプレス設備によって形成してゆきます。

この工程も、従来型のクリーニングでは一般的にシワを伸ばすだけにとどまるので、
平面的にぺッチャンコに仕上がり、せっかくのシルエットが崩れます。
もとから平面的で薄っぺらい洋服ならそれでもいいですが、
立体的に仕立てられた洋服となると、トホホです。
大切な部分はハンドで仕上げてゆきます。
この工程の有無で、かなり着心地を左右しますから。。
最終工程が完了して、検査工程があるのですが、
素人目に見て分からないような、わずかなシミやプレス不良が容赦なく返ってきます。
こんな程度でプレス不良って言ってたら、普通のクリーニングだとどうなるの?
そんなレベルで返ってくるから、たまに現場同士でひと悶着(笑。
画像は特殊染み抜きの工程を受け持つ山田会長です。
見ても気付かない、言われても分からないような、
そんなレベルでも、チェックに引っかかって容赦なく戻されてきます。
Kちゃんの、もう1着のマッキントッシュも、
彼の中では納得でしたが、最初の段階まで押し戻されました。
超音波で強力にコビリ付いた汚れを浮かばせるのですが、流石のKちゃんも泣きが、、
いや、超音波で洗剤が飛び散ってきての男泣き?かもしれません(笑。

暑い環境の中、大変な作業が続くのですが、
今回初めて自分でやらせてもらい、最初は楽しかった作業も、
最後の方は技術者の方に素直に、「お願いします!」って言いたくなりました。
今回は丸一日、お世話になりました。
色々と書きたい事が、山ほど沢山あるのですが、
特に印象的だったのは、「工房の中を見て貰えて嬉しい。」
「それは、ウチから出てゆく洋服を見るのではなく、どうしてそんな服になって出てゆくのか、、」
「その回答こそ、現場にある訳だから、現場を見てもらいたいのです。。」
今回も、貴重なお時間を惜しみなく頂き、ありがとうございます。
スーツを販売する立場として、この経験を生かして、
少しでも長く洋服を着続けてもらうことで、
少しでも環境保護に役立てれば。。


皆様、今日もありがとうございました。21時前、

最後のお客様が帰られた後、突然Takahashiさんから電話が、、

「今、大阪にいるんだけど、、花厨に来てるから、よかったら仕事帰りにブラッと寄ってよ。」

帰り道、もちろん遠慮なく寄らせて頂きました!オマケに自宅から30秒です!!

何だか不思議な感じがしますし、何より嬉しいです!

いつも美味しい串、ありがとうございます。

大阪のどこの串より最高です!

画像は、一ヶ月前の

花厨さんです。

http://blog.goo.ne.jp/paco-kaz/d/20081011



2度浸けお断りの大阪新世界の串カツ以外の高級串屋さんカテゴリーでは、

大阪の数ある串カツ屋さんの中で最高峰じゃないでしょうか!






先日〝10年着られた洋服を紹介〟なんて書いたのですが、

まさに今日、Kさんから頂いたお洋服がそれです。

8年前に、Kさんからオーダーを頂き、

四季を通じて着ておられたので、何と!季節物の16年にあたります。



1着手と共に思い出を重ねてきた洋服。

この生地は、ロロ・ピアーナのギャバドリームですが、

生地のセレクト次第では、もしかして倍は着続けられるかもしれません。





それにしても、ここまで使って頂けたら洋服も本望ですね。

ドライクリーニングは極力避け、Kさんは水洗いにこだわってこられました

流石にここまで薄破れすると、他にも同じような箇所が幾つもあります、、お疲れ様でした。





というよりKさん!ここまで大切に着て頂いて、心から、ありがとうございました!!






以前ご紹介させて頂きました、ヴィンテージドーメルのダブルクロスです。

ダブルクロス独特の、膨らみのある表情に仕上がりました。

Tさんのオーダーはいつも個性的なものばかり。





パンツ裾の内側の補強布である靴ズレには、

せっかくですので、セルビッジ(生地の耳の部分)を使いました。










4年ほど前に手に入れて以来、何度も読み返しているこの本は、
建築家が設計した24軒が紹介されています。
どの家も手を入れながら、30年前後も住まい続けられている個人住宅で、
住み手が登場し、その歴史をそれぞれに語っておられます。
どの家も目新しいデザイン性を狙ったりせず、住み手の気持ちに立った配慮がうかがえます。
そしてどの家も、住み手に愛され、手入れされ、大切に住まい継がれている家です。
そして、この本を読んでいると、
住み手が、その家を大切にする気持ちによって、
家ってこれほど素晴らしいものになるんだなって満足感が沸き立ってきます。
マッセアトゥーラも、出来たばかりの洋服より、お客様が10年間着続けて下さった、
そんな洋服を話題にされるような、服つくりをしなければって思います。
出来たばかりの洋服が完成ではなく、着手が着ることで、
その洋服は、熟成され完成するような洋服。

もちろんそればかりではなく、
必要とする方には、今を輝く〝衣装〟をお作りする事も大切です。
望まれた洋服を、洋服屋として、幅広く深く作るポテンシャルを身に付けなければ。



1年前にお願いしていた〝6プライ〟のジャケットの仮縫い風景です。
最初の予定では、今年の年初のイタリア出張の際に仮縫いしてもらう予定でしたが、
急遽、僕の予定を変えなくてはならず、今に至りました。
希望通りの逃げ感になっていますね。
仮縫い時(採寸の時)はナチュラルな姿勢で、
なんて、僕もいつも皆さまにお願いしているのですが、
そうは言っても、僕自身、中々どれが自然なのか分かりません。(苦笑)
この6プライ地は、ローマのマーチャントが英国のEウッドハウスにオーダーしたものです。
このメランジェ調の表情が絶妙なのですが、いっそ完全な無地の方が、
生地の特性からすると、似合うのか微妙です。(苦笑)
滞在中に2度目の仮縫い、楽しみです♪
この洋服創りで、『出来上がりをイメージして洋服を作る!』を楽しませてもらってます。
人に着られて、その人らしい顔つきになってこそ、オーダー服ですね。
今日も楽しかった。。またまた勉強させてもらいました。
仕立て上れば改めて紹介させて下さい!
、、1年後の予定です。(笑)



かれこれ、5年近くお付き合いを下さってるN女史のお友達が、

ご実家近くで、お洋服屋さんをされているという事は前々から伺っていたことです。

Nさんが着られているそのお洋服の感性がとても高いので、今までずっと気になっていました。

つい先日の話の流れで、作っていらっしゃる方のお名前が判りました。

Nさん、「確かキタさんって言わはったと思うけど~」と。



大阪で「キタさん」ってお名前の若手テーラーさんはいらっしゃらないハズなんだけど、、

あれ?ん!? もしかして!!「喜多さんですか?」、「まさか、、」

これは驚きでした、あの伝説の喜多さん?まさか。

僕にとっては伝説的なお方なのです。

ってか、多分、業界でも、、



下の画像、喜多さんのお隣の女性は、そのN女史のお友達で、

和歌山県の那智勝浦にあるニッポンの名店、isasazicon(イササジコン)の洋子さんです。

isasaziconさんでは、喜多さんとのコラボ物をお取り扱いされています。

Nさんが着ておられたお洋服は、それだったんです。



昨夜Nさんからお誘い頂き、皆さんと楽しい時間をご一緒させて頂きながら

今日もまた、散々話をさせて頂いてから、帰られる間際に写真を撮らせて頂きました。





ちょっと硬かったので?

僕の変な顔を見て、笑って頂きました!(笑)





喜多さん、洋子さん、今度打ち合わせを兼ねてisasaziconまで、

カードの限度額を引き上げて?伺いますので、宜しくお願い致しまーす。(笑)

Nさん!こんな出逢いを頂き、ありがとうございます!更々なる発展を期待して下さいね!






今年のマッセアトゥーラのベストセラーモデル!

E・ゼニアのBEST(内蒙古産カシミア100%)のジャケットです。





画像は今季ご注文頂いた8着のうちの1着、

10年来のお付き合いを頂いている京都のMさん分です。

カンクリーニのライトブルーのコットンフランネル素材のBDシャツと、

ライトウエイトミディアムグレーフランネルのパンツも同時にご注文下さいました。

66歳になられるMさんは、これを着られ、きっと祇園の街に消えていかれる事でしょう。(笑)

Mさんのような、粋なオ・ヤ・ジには、ホント憧れます!





願わくば実際に着て頂き、Mさんにご登場頂きたかったのですが、

「祇園で顔が差すとアカンさかいなぁ~」と、これまた粋なお断りを頂きました。(爆)

画像のご協力を頂けただけでも感謝いたします。

Mさん、どうもありがとうございました!