1998年にオーダーされたジャンニカンパーニャのスーツの調整を承りました。
肩巾を詰め、傾斜角を微調整し、胸巾も調整します。


洋服の持つ雰囲気を変えないように心がけて縫います!(縫うのは中山君です笑)
肩パッドも一旦バラして、Tさんに合わせて作り替えます。


もう少しで、今のTさんに合った洋服が完成します。
抜群の着用感に生まれ変わりますから、Tさん、楽しみにしてて下さいね!!




モクソン織機(低速織機)で織られたモクソンの生地に
船場のOさんが一目惚れされてオーダーを頂き、完成したコートです。
生地の長さが足りずに、ピエゴーネ(インバーテッド)仕様には出来ませんでしたが、
技術の中山君と僕とで喧々諤々しながら何度も打ち合わせ(笑、とても雰囲気のあるコートに仕上がりました。
船場のOさんの狙いやお好み分かっているのですが、
仰ってるそのスポルベリーノっぽさを、如何に毛芯仕立で表現するかの折り合いが大変でした。
スポルベリーノを毛芯で、、と提案はしてみたものの
言われるままスポルベリーノにしておけば良かったと少し後悔したり(笑、、

ちなみにスポルベリーノとはイタリア語の『spolverare』(英:dust)を由来としています。
dustと聞いてアッと思った方は洋服好きですね! そう、、ダスターコートをイタリア人が作るとこうなります!(笑


シッカリ、それでいて肉厚でしなやかな生地が、柔らかく仕立てあがりました。
今回の出来栄えは気に入って頂けたでしょうか。毛芯仕立なので型崩れせず味わい深くなります。
前端を薄く仕上げるために毛抜き合わせにしましたが、ダブルステッチで内側も押さましたので、大丈夫ですよ!!
船場のOさん、いつもありがとうございます!!



この仮縫、フィッティングの為の仮縫いではありません(笑。
このような良い生地がどんどん織られなくなっている、貴重な生地です。
釦位置やラペルの返り位置、シェイプなど、意匠面をご確認頂く為のものですので、
以前のNさんのコートの型紙をベースに調整して、いきなり実際の生地で仮縫いをさせて頂きました。


右側が当初の指定バランスですが、
結局、左側のバランスに変えることになりました。
こっちを優先するとあちらを我慢。あちらを優先するとこちらを我慢。
シルエットも微調整しながら、ご納得頂ける良いバランスが取れたんじゃないかと思います。
今回コート2着目のNさんですが、前回はカジュアル、今回はフォーマルなので、全体的にゆとり量を増やします。
ゆとり量が変われば、見せ方も変えましょうという事で、今回の仮縫に至りました。
Nさん、いつもありがとうございます。お疲れさまでした。



canonicoのホップサックのジャケット地(280g)には、とてつもないカラーバリエーションがあります。
欲しいけど、買う勇気のない120色色鉛筆ですが、それくらいあります。
プレタ(既製服)だと、ない色でも作ってしまいます!


僕達が簡単に手に入れられる色は、
黒、紺、ブルー、グレーあたりの無難な色です。
発色の綺麗な色は、どこかのマーチャントに頼む事になるので、
1着1着海外から送ってもらう事になり、その分が価格に反映されて高くなります。
すると、お客様に買って頂く価格にも跳ね返ってしまいます。
発色の綺麗な色を一色選んで一反まとめて買えば安くなるのですが、
ウチみたいな小さな店がいくら頑張って販売しても、売り切るまでに何年かかる事やら、、
日本の羅紗屋さんも、あまり数の出ない色を抱えて、カット売りしてくれません。
特にこんな不景気だと、無難な色ばかりが売れるので、余計に、、
ウダウダごめんなさい、生地探しは悩みの種です。
既製服で使われるような綺麗な生地が、
簡単に手に入れば嬉しいです。




Nさんにとって初めての仮縫でした。
それもウルトラ弩級の生地でしたので、余計に疲れられた事と思います。


仮縫の時間って緊張しますが、
出来上がりに思いを馳せて、ワクワクする時間でもあります。
僕も初めて仮縫をして頂いた時は、まな板の上の鯉状態で黙って任せるものと思ってましたが、
この段階で、どんなカッティングにしたいのか、しっかり打ち合わせをしないと、
好みの洋服に出来上がるかどうか、とても大切な時間ですから、
何でも良いので、思う事はどんどん言って下さいね!
僕達からも色々と質問攻めにしますので、
遠慮なく言いまくって下さい。




Tさんの時計は、キューバで買ってこられた
クエルボ・イ・ソブリノスですが、何と『ジラールペルゴゥ』です。
おまけに、、フリーメイソンの紋章?入りのトリプルネームですので、さらに驚きました(笑。
Tさん、ちゃんと生地、探しているんですけど、中々見付からなくって、、(汗。
クエルボ・イ・ソブリヌス