2010年1月21日
パリ中心部の第8区、マドレーヌ広場に面する
老舗のタイユール(=ビスポークテーラー)『カンプス・ドゥ・ルカ』
1948年、イタリア人のマリオ・ドゥ・ルカが、タイユール『メゾン・ドゥ・ルカ』を創業し、
1969年に、スペイン人のジョゼフ・カンプスがそこへ合流し、現在のカンプス・ドゥ・ルカとなったそうです。
現在、創業者の後を継いだマルク・ドゥ・ルカ氏が2代目の経営者となり、自らがカッターを務めながら、
3代目になる息子さんのジュリアン・ドゥ・ルカ氏をメゾンの後継者として育成しています。
今回の訪問はパリでバレンシアガのパタンナーをされているTAKASHIさん、
そしてTAKASHIさんのご紹介で、パリでタイユールをされている
鈴木健次郎さんご夫妻のお力をお借りして実現しました。
この場をお借りし改めて御礼申し上げます。
この当時の鈴木健次郎さんは、『フランチェスコスマルト』でヘッドカッターをされていましたが、
現在は独立され、ご自身でタイユールとして、ご活躍されています。
ここまでは前置きとしまして、本題に。
顧客の受注票には、細かく指示寸が書き込まれています。
これが全てなので、漏らすことがあっては許されないと仰っていました。
裁断後の生地は、ボタンや裏地など附属類と一緒にまとめられます。
仮縫時など、この指示書はいつも付いて回ります。
芯も1着1着、寸法に合わせて作られます。
これは、ヨーロッパのテーラーでは当たり前です。
日本のように既成芯がないので、最初から作りこまれます。
マッセアトゥーラでは、価格帯に応じて、この方法を取らせて頂きます。
何人かの分業体制がとられています。
工場のように、大きなラインの中で流れるものではありません。
ビルの1フロアがカンプスの店舗兼工房なので、
部屋が細かく分かれていて、大勢の技術者が働いています。
マルク氏本人もイタリア系ですが、生粋のフランス人は少ないと思いました。
芯地や裏地などの附属類のお店も教えて頂き、この後、仕入れに行きました。
お仕事の手を止めて沢山ご説明頂き、貴重な経験をさせてもらしました。
マルクさんジュリアンさんをはじめ、メゾンで働かれている皆さま、ありがとうございました!
お土産で持って行った1つ、浮世絵のコースターです。
やっぱり男性には、これでしょ(笑!