Tさんにお選び頂いたスーツ
といっても電話の会話で決めて頂いたのですが(笑、
艶っぽいですねー、色気ありますねー、サイコーですよ、ほんとサイコー!!


色はある意味、女性っぽいとも云えますが、
この生地はモヘアが30%入っていて、男臭い無骨な張りがあります。


ドレープが出る生地ではなく、
しっかりとした直線的なラインが生まれます。
モヘア素材独特の皺感が、男臭い表情を生み出していますね。


そしてこのスーツの最大の特徴だと云えるのは、
ただのモヘア素材ではなく、「アムンゼン」という織り方をされているところです。


皆さま、アムンゼンという生地を聞かれたことはありますか?
アムンゼンは、梨地織(果物の梨の表皮のようなしじらを全面に配置した織り方)の一種で、
生地の表面に細かい微妙な凹凸があり、
それによって光が乱反射するため、沈んだ味わい深い光沢を発します。

そしてこの生地の特徴は、
本来ソフトな表情になるアムンゼンが、
モヘア素材と組み合わされる事で、独特の鈍い「地光沢」を発しながらも、
モヘアのキラキラとした光の粒が浮き出てきて、ガルーシャのようにも見えて綺麗です。

この生地はイタリアのチェルッティ社の60年代のヴィンテージですが、
アムンゼン自体は、愛知県の尾張地区で織られ始めたそうです。
プリントが困難な毛織物を梨地織りにすると、
うまくプリントが表現できる事から織られ始めたとか。。
◎出所:洋服地の事典/関西衣生活研究会、実用織編物の基礎知識/株式会社色染社

また、
アムンゼンという名前の由来を調べてみたところ、
ノルウェーの探検家、
アムンゼン(1911年に南極点到達)にちなんで名付けられと書かれているのですが、
出所資料に、その理由まで記されておらず、分かりませんでした。




JR大阪駅の『LUCUA110(ルクアイーレ)』内の伊勢丹メンズ
3月19日~21日限定で、ポップアップストアを開かせていただきました。


もの作りを伝えたくてミニ工房を併設したのですが、
普段なかなか見る機会のない作業に、皆さんご興味を持って立ち止まって下さいました。


実際この日は、
先にご了承をいただいていた
お客さまのスーツを縫わせて頂きました。
*Tさん、ありがとうございました!感謝いたします!!


この日しかタイミングが合わなかったNさんの着せ付け、
Nさんにも伊勢丹さんにもご了解を頂いて、こちらでさせていただいたり、、
20160323_5

3日間、楽しく過ごさせて頂きました。
ご来店頂いた皆さま、オーダー頂いた皆さま、ありがとうございました。
そして伊勢丹のバイヤーKさん、Sさん、ありがとうございました。
ほんとうに皆さん、ありがとうございました!!



東京のOさんからオーダー頂いた
ご長男S君のジャケットとパンツです。
爽やかなコーディネートで、僕も大好きです!