Tさんのスーツは英国を意識し、硬目の本馬須毛芯を使って、
イングリッシュドレープ(バストドレープ)が出るようなカッティングにしました。
ですから実寸に対するゆとり寸も、イタリアンクラシックstyleよりも、多くとっています。
Vゾーンに見える襟付きベストの見え方をはじめ、
仮縫いの際に、全体の見た目のバランスをご確認頂いたので、
ご試着の際、「イメージ通りの仕上がり、背筋が伸びる着用感です」と言ってもらいました。
低めの2ボタンスタイルで、生地も含めてダンディーな仕上がりになりました。
胸ポケットも、ラペルに懸からないよう調整した箱ポケットです。
ウエストシェイプも強めですが、
バストドレープをゆったり稼いだせいもあって、
実寸に対するゆとり寸は14cmですが、ドロップ7となっています。
ウエストも、ベルトレスの〝ヘンリープール仕様〟のサイドアジャスター付きです。
これは、以前ヘンリープールの英国製ビスポークスーツをベースに、
ライセンス物を企画する際に取り入れた仕様と同じです。
ミッドナイトブルーのガッシリした英国地、
少々手強い着用感ですが、少しずつ馴染ませていって下さい。
この未完成のスーツ、Tさんが着て馴染ませて少しずつ完成に近づいてゆきますから。
※このスーツ、ハンドクチュールType1による、2ボタンのシングル3ピースです。