お父様さまが生前に仕立てられ、着ておられたお洋服だそうです。
お付き合いも5年目に入ったHさんからのご依頼で、仕立て直しをさせて頂きました。
その金沢のテーラーさんが廃業されたそうで、解くと、良いお仕事をされていた事が随所に見受けられます。

バスト4cm出し、ウエストを6cm詰める程度で、寸法的には然程、大きくは違わないのですが、
お父さまとは骨格が大きく違って、
肩の傾斜が随分と違ったり(Hさんは左怒肩、右は撫肩)、
反屈伸が違ったり、立体寸法が違うので、難しい微調整が必要な仕立て直しでした。
ただ、上着の前の打ち合いを、もっと逃がす(広げる)ために、首元の縫い代が残っている限界までは
調整させて頂きましたが、これ以上は逃がす事が出来ずに心残りでした。
でも、Hさんご本人には喜んで頂けてホッとしました。


上襟も全て解き、
肩の傾斜も綺麗に会いました。
でも、左肩線の縫い代はギリギリでした(汗。


袖丈を出さなければならなかったのですが、
元々の3コボタンに、1コボタンを追加して、せっかくなので、
それじゃってことで、本開き本切羽に見えるようにさせて頂いときましたよ(笑。
20年近く前のボタンと、全く同じものがなかったので、そこからひねり出したアイデアですけどね。


ベストも綺麗に仕上がりました!
Hさん、末永く大切に着続けていって下さいね。
良いお仕事に携わらせて頂けて、本当にありがとうございました。





いい生地ですね~
John G Hardy(英国) の梳毛ツイードです。
若干強撚がかってて、多分ウエイトは600g/m は、ありますね。
このジャケットは事情あって、仕方なしに2サイズ大きいサイズを購入されたのですが、
サイズを調整したいとの事で、ご来店下さり、色々とお話をさせて頂きました。


バスト寸で12センチは詰めなくてはなりません。
同じ詰めるにも、どのバランスで、どう詰めるのか、費用も変わってきますし、
見た目のバランスがどう変わるか、費用対効果を考え、出来上がりをイメージしつつ打ち合わせました。
アームホールも、多分6センチは縮まりますね(汗。





東京のAさんが15年ほど前にご購入されたコートのリフォームのご依頼を頂きました。
前身の袖付はセットインTypeですが、後身は袖と身頃が一体化したドルマン袖という特長的なコートです。
バストの詰め寸は20センチ以上あるのですが、
この優雅な雰囲気を損なうことなく、リフォームさせて頂きたいので、
試行錯誤した結果、袖付けの特徴を残しつつ、ちょっとしたデザイン変更をご提案させて頂きました。


仮縫で実際に着て頂いて全体のバランスを考え、
更に肩巾を3センチ詰めさせて頂き、着丈の前後バランスも変え、
きっとAさんに似合う、最初からオーダーしたかのような素敵なコートに生まれ変わります。


最近では着なくなったお洋服でも、
今まで着てきて、思い入れもあったりして捨てられないコート。
費用はかかっても、お金の問題じゃなく、気持ちの問題でリフォームされる方が多いです。
ここ数年、そんな傾向が顕著になっているのは、世の中の悪い風潮を反映している消費者心理だと思います。
月末辺りに完成予定ですので、もうしばらくお時間下さいね。
春にお預かりして、半年がかりになってしまいました、、お待たせして申し訳ありません。



ランバンのスーツのリフォームのご依頼です。
単なる「寸法詰め」ではなく、Sさんのご体型に合わせて
肩の傾斜やパッド調整、袖の振り、反身調整までさせて頂く事になりました。
パンツの方も、適切な部分で、Sさんのウエストバランスに合わせて、ジャストで調整させて頂きます。
リフォーム店ではなく、仕立屋にお持ち頂いた理由を汲み取ってお直しさせて頂きます。





袖をチョキチョキ。


短か目にして欲しいとのご希望でしたが、
さすがに、「左じゃちょっとね~っ」て事になり、
右の長さに決まり!これで若干スッキリ気味ですね。


さすがは麻のシャツです!すごく丈夫ですね!
2008年から今まで、へヴィーローテーションで着倒してもらえました。
今回は、肘の辺りが破れてしまったので、カフの取替えが無理なので、半袖にされることに。
襟は、気分を変えて、BD襟→CutAway襟に変更です(笑!
Tさん、いつもありがとうございます!!




昨日ご紹介させて頂きました、タキシードの持ち主=お父様です。
モーニングのリフォームもご依頼頂きました。
 

肩巾で3cm、ウエストで4cm程度と、取り立てて大掛かりなリフォームではありませんが、
微妙なシルエットを追求するため、精神的に結構ハードなリフォームです。(汗)
必ず格好の良いシルエットにしますので、楽しみにしていて下さいね!
こちらも、今では縫手のいないような最高の仕立てです。
大切に大切にリフォームさせて頂きます。





お父様がご自身のご結婚式の時に着られたタキシードを受け継いでリフォームされました。
バストで10cm、上着ウエスト前身で20cmの大掛かりなリフォームです。
腰ポケットも移動して作り替なくてはなりませんでしたが、
この通り、最初からオーダーしたように
めちゃくちゃ綺麗に!


このタキシード、かなり良い作りのもので、
当時の金額でも、今の初任給の3倍はしていたと思います。
とすると、、今に換算すると、一体いくらだったのか、、頭がパニックです。(笑)

お金に換算できない、価値あるタキシードに生まれ変わりました。
奥さまが着られるお着物も、お婆さまから3代に渡って引き継がれるそうで、
これぞまさに文化継承ですね。素晴らしい!使い捨て文化なんて「ふんっ」て感じですね。

このような仕事をご依頼頂きまして、心から感謝致します。
ありがとうございました。末永くお幸せに。。



以前こちらで、ご紹介させて頂いたエルメスのコートが完成しました。
オリジナルバランスを崩すことなく、1sizeダウン。


素敵なお仕事(総手縫)に携わらせて頂き、本当にありがとうございます。
職人氏共々僕が代表して、心から御礼申し上げます。




Iさん、Kさん、ご婚約おめでとうございます!
お義父様がご結婚された時にオーダーされ、着られたタキシードを
30年近い時を経て、息子さんになられるIさんが着られるとの事で、お修理を承りました。


このタキシード、このレベルで縫える職人さんは、
今では、ほぼ壊滅状態という、律儀な仕事がなされています。
イタリアとは対極にある、日本の超高級お仕立て服で、バシッとした作り。

胴回りで20cm近く詰めさせて頂くと云う大修理、腰ポケットも作り替え、細腹も移動という、
手間のかかるお修理ですが、それでも「良いものを気持ちと共に次世代へ繋ぐ、、」という精神的な部分で、
こちらとしても、とても大切なお仕事をさせて頂ける事に、感謝せずにはいられません。


パンツもウエスト20cm詰めをはじめ、全体のシルエット修正と、
ほぼ作り直しの状態まで解き、仮縫いをさせて頂きましたが、綺麗に収まりホッとしています。


先日のエルメスのコートもそうですが、
このような、バトンタッチの場に関わらせて頂ける事、
ほんとうにありがたく、縫製に携わらせて頂く職人共々、幸せに感じます。



Sさんのお婆様が着ていらっしゃったというエルメスのコートです。
40年近く前にお婆様が購入されたコートを、11号サイズ→9号サイズにお修理依頼を受けました。
一旦、仮縫いでシルエットをご確認頂いたうえで、本縫いにかからせて頂きます。
袖巾も細くして、アームホールの大きさも小さくしました。
何もかも、1sizeダウンさせています。


この生地はカシミアのダブルフェイス(Double Face)で、生地を2枚、縫い合わせて1枚にしてあります。
それを前身頃だけ、2枚重ねてありますから、この部分は生地が4枚と云うことになります。
最近では、仕立てに手間が掛かるせいか、ほとんど見かけなくなりましたね。

仕立ても、前身以外は完全な1枚仕立ての、いわゆるアンコン仕立てです。
デザインは、ローブのように、ベルトでウエストを絞って
着て頂く為、絞り方で表情も変わります。

今年の冬は、これを着てお婆様に会いに行くと仰っていました。
素敵なお仕事に関わらせて頂き、光栄です。
綺麗に仕上げさせて頂きます。