本日をもちまして、年内の営業は全て終了とさせて頂きます。
今年も沢山たくさん、素敵なスーツが生まれました。
スーツをご注文下さった方だけではなく、
この〝オーダースーツ屋店主のブログ〟をご覧いただいた方々にも、
心から御礼申し上げます。
皆さん、今年も素敵な1年間を過ごさせて頂く事ができました。
本当に、、ありがとうございました!


それでは皆さま、
ご健康で、素敵な新年をお迎え下さい。


なお、年明けは4日のみ営業させて頂きますが、
5日~海外出張の為、店舗は19日までお休みとさせて頂きます。
その間、ブログヘの書き込みも、メールも出来なくなります。
長らくご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承下さいますよう、お願い致します。



今年最後のご注文は、テイラー&ロッヂのヴィンテージ生地でした。
1960年台後半に織られた生地のようです。
Kさんは、この生地とリーロイド(LEAROYD)のヴィンテージと迷われたのですが、
結局は、こちらのテイラー&ロッヂに決まりました。


水にドボ漬けして洗ったあと、自然乾燥で生乾きまで乾かし、
その状態からアイロンで整えたのですが、風合いも良く、光沢も蘇りました。
出来上がりが楽しみな1着ですね♪


※織りマークも当時の物が付いています。




ヴィンテージの生地は、あまり古過ぎると、
脂分が抜けてしまって、ウール本来の風合いがなくなっているものもありますが、
それでも、今僕たちが手に入れることの出来るヴィンテージ生地は、
英国のテキスタイル産業が盛んだった時代に、
今では考えられない、贅沢な手法で織られているので、
しっかりした生地が多く、色柄も手の込んだものが多いのも人気の秘密だと思います。
それでも、ある程度の補強を考えて仕立てた方が安心ですね。







年明けの出張の為に、自分用に仕立てたコートです。
コートの代わりに、今までバーブァービデイルを着て行っていたのですが、
「少しくらいは、お洒落していかんとなぁ~」という気持ちから。(爆)
とはいうものの、最優先事項はデザインではなく、
ビデイルと同じ〝収納機能〟です。
ジャケット+12cmの着丈は中途半端のようですが、
背の低い僕には、ギリギリのラインです。




ハンドウォーマーを兼ねるバスト下の縦型箱ポケットは、
変なところに付いているようですが、ビデイルと同じ位置にしてあるんですよ。
ポケットの中は、綿のシャモアクロスを張っているので暖かいです♪




バックベルトも、高い位置に設定する事で、
足の短い僕でも、ごま、、かせ、、、ると良いのですが。(爆)




裏地はALLキュプラ素材に、住友スリーエムの『ジェネサーモNEO』の40gmを
1インチ巾のストライプでキルト加工してあるので、
汗かき、寒がりの僕にはピッタリです♪







ドラッパーズの生地で仕立てたジャケットですが、かなりのインパクトです。
〝楽しんで創りましたよぉ~〟オーラがムンムンです♪




フロントカットのカーブも大きめに。
そして、腰ポケットフラップの、前側のカーブだけを大きく、
フロントのカーブ全体にイメージの統一感を持たせ、
柄の色に合わせて、ボタンホールも同色にし、
ボタンはイタリア製ガレッシのアイボリーナット(コロッツォ)です。
あっ、そうそう、、袖口のカットはフレアーにしています。




背中をなぞるラインも、凄いimpactですね。
ちょっと絞り過ぎでしょうか?(笑)




Oさん、今回もかなり愉しませて頂きました。
いつもありがとうございます!



初めて創らせて頂いたMさんのスーツです。
そのMさんから、「思っていた通りのスーツが出来てきましたよ!」と
言って頂けた事は、僕にとっては最高のご褒美です。
更に追加でもう1着ご注文頂きました。
そんな事言ってもらえた日にゃあ、もっともっとカッチョええスーツ作りましょうよ!って
どんどん調子にのっちゃいますからね~♪(笑)


フロントカーブも大きなアールをつけないで直線的なラインにし、
あまり逃がし過ぎないようにしてあります。
画像では分かりにくいですが、
袖口は切羽側を長くしフレアカットにしてあります。
肩巾も広く取り、肩パッドも厚目に設定し、ウエストは絞っています。
でもボリューム的には、全体的にかなりゆとりを持たせました。




膝に対して裾巾は+3.5cmフレアーですが、
このパンツは、膝巾自体もそう細くしていないので、
全体的に見て、すごく迫力のあるシルエットになっています。
ポケットに手を突っ込んだ時に、深めにとったサイドベンツがいいですね。




そんなMさん率いるアインソフ
素材と職人技に裏づけされたパンチのある独創的なデザインが、
大人気で、現在急速に全国展開中です。
Mさん!あのハラコのベルト、お願いしますね♪

12月31日~1月3日をお正月休み、そして、
1月5日~19日、出張の為に店舗はお休みを頂きます。






実はこれからチケットを取るので(ほんまに取れるんかいな!?爆)、
現時点では、あくまで予定ですが、
初日深夜にナポリに到着。
その後、フィレンツェで開催されるピッティUOMOへ行きますが、
今年はヘンリープールが出展するので楽しみです♪
そしてミラノに数日滞在した後、
いつもお世話になっているインネスチャンバースの本社(スコットランド)に伺います。
そこでは、皆さんからご注文頂いた生地が、
どのようにデリバリーされているのか見学してきます。
その後、エジンバラから英国領北アイルランドにあるドネガル村に向かい、
ドネガル(ドニゴール)ツイードのミル(織り元)を見学します。
ツイードの中でも、僕の最も好きな〝DonegalTweed〟で、かなり楽しみです♪


この間、ダイアリーの更新はできませんが、
帰国後、少しずつ報告させて頂きますので楽しみにしていて下さいね。
長らくご迷惑をお掛けしますが、ご了承頂けますよう何卒宜しくお願い致します。


2006年も残すところ、あと1週間ですが、
皆さま、思いっきり楽しんで楽しんで、楽しみまくりましょう!(笑)





Kさんの選ばれたライトグレーは、ヘリンボーンの
太目のパターンに、白黒のコントラストがハッキリした珍しいタイプです。
同じ生地で2着目ですから、
Kさん、かなり!気に入って頂いているようです。(笑)




学生時代にラグビーで鍛えられた110cmに迫るバスト、
そして、最近少し出てこられたお腹も(笑)、
膨張色の明るい色なのに、そのコントラストのお陰でスッキリ見せてくれます。
ほんと、ライトグレーと云っても色々な表情があって面白いですよね。




袖のシルエットも、フレアーパンツ(膝と裾の差寸が2.5cm)に合わせて、
袖丈の切羽側が1.5cmも長いフレアーカットにしてあります。
(写真では解りにくいですね、、)
シルエットも、肘と袖口の寸法はほぼ同じにし、フレアーに見えるようにしてあります。
全体のシルエットは、かなりエキサイティングです。(笑)




これは、ご参考までに、、、
同じライトグレーでも、染め方や織り方によって色調も変わります。
例えば純白と黒に先染めされた糸、その白を多めに使って織られた生地は、
コントラストのハッキリしたライトグレーになりますし、
純白とミディアムグレーの先染めの糸を半分ずつ使ってできたライトグレーですと、
コントラストの弱い、優しい雰囲気のライトグレーになります。
また、生地になってから染められた(後染め)ライトグレーは、のっぺりした雰囲気になります。
他にも、織り方によっても全然違う表情になるので、
今年人気のあるライトグレーですが、
その辺りも考えて、自分のお気に入りのライトグレーを見付けて下さいね。









かれこれ6年のお付き合いをさせて頂いている大分のTさん。
今回のジャケットも、最初の頃のスタイルからずっと変わっていません。
オーダー歴30年以上の中で、
ご自身のスタイルが出来上がっています。




そんなTさんは、車を運転する時でもジャケットを脱がれないので、
いつもシートベルトが当たるジャケットの前端だけが擦り切れてしまうんです。
6年前の冬に、お仕立て頂いたジャケットは、
ソフトな着心地(軽さ)と色(風合い)を優先させてしまったので、
生地に耐久性がありませんでした。




ですので、今回は耐久性を最優先しました。(笑)
スコットランドで織られた、ドネガルツイード調のホップサックツイードです。
スーツとしても着て頂けるほど、かなりハードに打ち込まれています。
今回は、きっと10年以上着て頂けますね♪







バーバリーのトレンチコートの袖口が擦り切れたと、
Nさんからご相談を頂きました。
通常、コートの袖はジャケットの袖よりも、少し長目に作っているケースが殆んどです。
見せて頂くと、ちゃんと余裕がありました♪


そんな場合、少し袖丈を短くすると、擦り切れた部分が内側に回りこみます。
そして、その部分を補修してしまえば、外から見ると綺麗です。
もしくは今回のケースのように、
内側に巻き込む分量と袖丈がジャストで合うなら、
画像のような位置で継ぐと綺麗ですね。






実際お修理をしてみると、「なるほど!」って思うことでも、
慣れていないと、意外に気付かないものです。
このお修理で、これまでの20年、そしてこれからの20年、、
まだまだ、、着て頂けます♪(笑)

以前、お客様登場でもご登場頂いたOさんですが、
今回のシャツは完全オリジナルです。
襟型も特別に作ったものだし、
着丈にしても、出しても入れても綺麗なように、
長さばかりか、ヒップ周りのゆとりも考えて作ってあります。
それに何と言っても今回は、生地がOさんお気に入りのスペシャルなモノ。
スイス製アルモ社の透け透けボイル素材を、ご自身でブラックに染め上げられました。
透けたブラックって、ほんとセクシーですよね♪


※1着目から綺麗なバストラインを創る事ができました。




最初はOさん、「真っ黒なシャツを!」との事だったのですが、
ボイルは糸の撚りが強い(ハイツイスト)事と、黒という色が染まりにくいと云う理由で、
思ったような黒には染まらなかったのですが、
仕立て上がってみると、逆にこの絶妙な色合いを気に入って下さいました。


本来は夏物素材のボイルですが、その〝透け感〟に惚れて、
最近は、冬でもリクエストのある素材です。