「面白いパンツ作ってよ!」
Nさんの言葉から始まった今回のパンツ作りです。
まず僕のパンツを作って検証してから、Nさんのパンツを作らせて頂きました。


「グルカパンツ」
このパンツの歴史は古く、
19世紀前半に起きた英/ネパール戦争(グルカ戦争)の時代に遡ります。
大英帝国に敗け、大英帝国の配下となってからイギリス軍の傭兵(雇い兵)となったグルカ兵は、
ネパールの山岳民族の出身者で、山岳民族特有の尚武の気性と白兵戦能力を備え、
白兵山岳戦に長けた伝説的な戦闘集団として知れ渡っていたようです。
第二次世界大戦では日本兵とも交戦したそうで、現在でも
イギリス陸軍の傭兵として存在するようです。

*出所:On the Hunt for Gurkha Shorts/A Continuous Lean(2014.04.17)
そしてグルカの名前は時を経て、
グルカ兵たちが着ていた黄褐色のショーツを由来とし、
ウエスト部分を特徴とするこのデザインは「グルカパンツ」と名付けられたそうです。

その後も多くの軍隊で採用されており、
年代によって仕様は異なるものの、共通の仕様は大きな持ち出し式のベルトです。
ウエストのフィット感や安定性を高める幅広のウエストベルトは
実際に穿いて頂くと分かりますが、非常に楽です。
非常、、この言葉がピッタリです。

1970年代後半、米国のバナナリパブリック社が
サファリファッションとして販売し始めたことで広く知れ渡ったそうです。
これは、僕が個人輸入(死語?)でバナリパを買っていた時のメールオーダー用のカタログです。
毎シーズン、テーマにそったオリジナリティ溢れるなMDが組まれていたように思います。


内容は、こんな感じです。
このメールオーダーカタログは1988年のものです。


拡大しておきます。
画像クリックで拡大するので、文章も読んでみて下さい。


個人輸入については、こちらに書いています→『個人輸入にはまる(2008.01.31投稿)』

*参考資料:wikipedia「グルカ兵」 *参考資料:wikipedia「グルカ戦争」 *参考資料:wikipedia「Brigade of Gurkhas」 *参考資料:The Washington Post(2015.04.30)

2017年6月追記
試行錯誤の結果、今回はこのようなデザインに変更させて頂きました。




某デパートの販売スペシャリストSさんが、
顧客Kさんの為に、ポケットのデザインから起案されたパンツは、
Kさんのコーディネートに合う、ポージングが決まるパンツがないからオーダで作ってしまえ!
それじゃマッセでフルオーダーしよう!という流れになったそうです(嬉し♪

裾巾も最近、履きなれていらっしゃるシルエットで、
お手持ちのアイテムにハマります!
ポージング(ポケットに手を突っ込んだ状態で)を想定した角度でポケットを付けました。
ちなみに、ヒザ巾21.5、裾巾17.5というシルエットは、最近流行の?
太もも~ヒザまで少しゆとりがあって、裾ピタッ!
ポージング(ポケットに手を突っ込んだ状態で)を想定した角度でポケットを付けました。

最初、このお話をSさんから頂いた時、
僕が直ぐに思い浮かべたパンツが、FARAH(ファーラー)です。
僕が中~高校の頃に、僕の体型では履けないファーラーのパンツを
スタイルの良い同級生や先輩が履いていて、羨ましかった記憶があります。
その後、時代はアルマーニ全盛になり、ファーラーの細身パンツは姿を消しました。

話はそれましたが、、
いつもご紹介下さるカリスマSさん、
そして、Kさんご本人も、この完成を喜んで頂きました。
途中の打ち合わせや仮縫いも愉しかったと言って貰い、本当に光栄です!



おっとな~(大人の意味!笑)
かっこ良すぎ!アカンですって、これ!!


ものすっっっごい!


か・な・り
イカしてまーーーす!


シビれるぅ~ サイコーーー!!


スタイリーーーッシュ シュシュシュぅう~ いぇ~い♪
素肌にベスト!、特徴的なシャツ、ジャケットにパンツ、Tシャツまで!
こんな沢山のアイテムを、それも一気にオーダー下さった方は初めてですが、大成功!!
いろいろと、、「こ~でねぇ~と!」的なコーディネートをいっぱい愉しんで下さいマッセアトゥーラ!(笑

Jさん、アートおおさか2014、見に行きますね!



既にゴルフ焼けのFさんのお顔を出せないのが残念で残念でたまりません!
焼けた肌の茶色は、サイコーに男の色気を感じます。


今日は暖かかったので、外のバールで一緒にマキアートを戴きました。
ハービスの1階にいつも出ている、ワゴンのバール、ここのエスプレッソは最高ですよ!
エスプレッソカップについたコーヒーブラウンと、カップのロゴのロッソ(赤)が、Fさんと同じ色合いです(笑!
パンツの赤は、黒と赤の玉虫なので、控えめながらラグジュアリー感があります。


エトロ好きのFさんらしい、選択です!


ベルトは、今日たまたまされていたエリオットローズのスワロのバックル。
狙ったかのように、完全にはまってますね(笑。




お気に入りのトム ブラウン(THOM BROWNE)のパンツを履いてご来店下さったNさん。
ホワイトフランネルの生地がなく、弊店にご相談にお越し下さいました。
いつもNYの本店でオーダーされていらっしゃいますが、
こんな生地がなく、今回は弊店で。


トムブラウンのスーツはシンプルそうに見えますが、
かなりデザインされていますから、既製ではなかなかジャストにはならず、
狙っている雰囲気が出ないと思います。その雰囲気はトムブラウンご本人を見て頂ければと思います。


その辺りも考慮して、Nさんのご希望も伺い、
あわせ過ぎず誤魔化すところは誤魔化して仮縫でサイジングを詰めました。


バックストラップは、ご希望で、
まんま戴きました。トムブラウンさん、ごめんなさい。
でも、、アイコンのトリコロールタブは付けてません。当たり前ですけど!(笑




サイドアジャスターをご希望されたので、
フロントの打ち合いを、ちょっと変わったデザインにしてみました。




最近、真夏はスーツどころか、ジャケットも着なくなたと仰るYさん。
夏はもっぱら、シャツとパンツのオーダーばかりです。
今年4本目のパンツは、コットンのソラーロ。
ビジネスシーンではベージュやブルー系が多くなりますので、
少しずつ変化のある生地をお勧めする中、特にこれは気に入って頂けました!


秋口に向けてスーツでお勧めしたのですが、真夏にパンツばかり着ると上下で色が変わるからと、
秋は秋で、改めてコットンスーツをオーダーしたいと言ってもらいました。
もう少し、ウエイトのある生地を探しておきますね!!

ちなみに、コットンパンツといっても、ドレスとカジュアルがあります。
汗をかいたり皺が入ったからといって毎回洗っていると、
どんどん白っぽくなって光沢感もなくなり
カジュアル化?してきます(笑。

カジュアルで着るコットンはザックリした雰囲気ですが、
ドレスタイプはサラッとした雰囲気で、ビジネスで着るこちらのタイプは
あまり洗わないようお勧めします。かといってドライじゃ汗は抜けませんから、やっぱり水洗い!
上のベージュ部分の文章をクリックして頂くと、
過去に書いた『ナチュラルクリーン訪問記』をご覧いただけます。
同じように色の変わっている文章をクリックして頂くと、どんどん飛ぶように設定しています。


じゃあ、どうするか、、ステテコです(笑。パンツのラインが崩れるといわれそうですが、
ここまで不快な日本の夏には、これしかないのでは?と思うくらい、
穿かないより穿いた方が快適だし、汗もブロック!

子供の頃、ステテコって「おじさん」のイメージがありましたが、
いま思うと理にかなってるし、スーツは初任給の2~3か月分していた時代なので、
スーツを大切にする意味もあったんだろうなって思いつつ、自分も《おじさん化》したのか、、微妙です(笑。



ENGINなんかの写真を撮っておられるカメラマンのRさんが、
撮影でガンガン着てガンガン洗えるジャケット!ってことで、、完成しました~♪
洗えば洗うほど味わい深くなりますよ!(Rさんの姿勢が良いから、マネキンが着ると後ろがピョン跳ねです笑)


パンツは、また別で、、
でも、これだけザックリ織られていたら
リネンのシャツを合わせて、今回のジャケットにも似合います!
その場合、靴はNAVYスエードがいい感じですね! まぁ、これは僕の好みですけどね(笑。




往年を髣髴とさせるアルマーニのパンツ! 
当時のアルマーニを見慣れた方も、見間違える出来栄え(笑!
Fさんにも喜んでもらえました! 型紙は大丈夫ですが、この雰囲気の生地が
見付かるかどうか、それが大きな問題です(汗。 これから意識的にアンテナ張っておきますね!
また、奥さまと遊びにいらして下さいね。 夫婦漫才サイコーです(笑!!




今から25年程前、アメリカに住んでおられた時に
アルマーニ三昧だった頃のアルマーニのパンツを何本もお持ちになられ、
その中からお好みのシルエット、更にお好みの仕様を選んで頂いて再現する事になりました。
当時の雰囲気の生地は今では手に入りませんが、それに似た雰囲気になるようお勧めした生地はウール50リネン50%。
更にこの生地を洗いました!結局最後は洗濯機で回したんですけど、当時の雰囲気にかなり近付きました。
普段はキッチリしたスーツを着られているFさんですが、休日のパンツは、今でも当時の
アルマーニを着続けていらっしゃるそうですが、どのパンツも痛んできて
どんどん穿けるパンツが無くなってきたそうです(涙。


Fさんも、「違う素材なのに、確かに似た雰囲気ですね。
この生地にして良かったです!」と言ってもらって、僕もご満悦です♪
仮縫も殆ど調整の必要なく、家で洗えるように仕上げますので、お渡し時に改めて
お手入れの方法を伝えさせて頂きますね。 それでは完成まで、もうしばらくお時間下さいね~~。