ビスポーク靴「Perticone – seiichi yoshimoto」 
  ◎BLOG http://shoemaking-in-italy.blogspot.it/   ◎Instagram https://www.instagram.com/perticone_official/
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開催日:2019年10月02日(水)・03日(木) 両日とも11:00~20:00
     10月02日(水) 14:00~18:00のみ空きがございます
     07月03日(木) 全ての時間帯ご予約頂きました
      ご見学頂ける程度の空きがあります。
      ご興味がある方は、是非お問い合わせ下さいませ
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ご注意:必ず事前にご予約をお願いいたします


担当:柳瀬
salon@masseattura.com
06-6345-8708

Perticoneについては、こちらをご覧ください→2017年11月11日




2018年03月05日(月) 訪問

ローマの靴工房『Perticone』に伺いました。
この工房で、世界中の顧客の靴が縫われています。


Perticoneの吉本さんが作られる靴は、
全てフルハンドソーンウェルテッド製法(手縫い)です。
靴作りが機械化される前、高級紳士靴の代表的な製法が、この製法でした。
何百年も昔から伝わる手縫靴の代表的な製法で、靴作りの完成形だと言われている製法です。

現代の高級紳士靴の代名詞といえば、
ハンドソーンウェルテッド製法を機械化したグッドイヤーウエルテッド製法が一般的です。
これは洋服で言う『工場縫製のオーダー服』同様、量産向きの製法で
見慣れないと、パッと見では区別がつかないです。
でも見えてしまうと戻れません(爆。

見た目で判らなくても、
このハンドソーンウェルテッドの履き心地は全くの異次元で、
スリッパを履いたような感覚がとても優しいです。


ここで勘違いしがちなのは、
手で縫うから柔らかく、履き心地が良いだけでなく、
手でしか縫えない構造が、履き心地を大きく左右するということです。

手でしか縫えない構造で、
それには高度な技術と多くの時間、多くの材料が必要になります。

昔は靴が高価であり、今のような使い捨てではなく、
何度も底を張り替えて、大切に履き続けることが当たり前だったとお爺ちゃんが話してました。
構造は複雑であっても、修理できるようになっていたのだと思います。


中底にはコルクが敷き詰められ、履くほどに自分の足裏の形状に馴染みます。


昨年末のトランクショーでオーダーを頂いた
MasseAtturaのお客様、Aさんのラスト(木型)もありました!
右の真新しいラストがAさんのもので、外国の方の大きなラストと比較しても
31cmあるAさんのラストは、日本人のラストとは思えないくらい大きくスラリとしています!!
次回2018年7月に仮縫、そこで更に調整が加えられます。


靴づくりの現場に触れ、
幸せな気持ちで『Perticone』の工房をあとにしました。
Yoshimotoさん、ありがとうございました!



昨日、本日と、
ローマで靴作りをされていらっしゃる
吉本晴一さん(PERTICONE,ROMA)のトランクショー(受注会)でした。

PERTICONEにつきましては
以前ご紹介させて頂いておりますので、こちらをご覧下さい→『PERTICONE,Roma』


まず、こちらの靴。
ローマの作家さんに依頼されたオリジナルバックルのストラップシューズです。
このブラス製の他に、シルバー製もご用意頂いております。
またこの革は、
ミュージアムカーフと呼ばれるもので、
独創的なマーブル模様(斑)に染められ、アンティーク仕上とは違った味があります。
独特のしなやかさがあって馴染みも早く、履き皺も良い感じに入るそうです。

参考:
シルバ:シルバー925(スターリングシルバー)Sterlingは「本物」「信頼できる」という意味です。
ブラス:日本では真鍮(しんちゅう)という。日本の5円硬貨がブラス製です。

次に、こちら。
製作途中の靴があったので、説明にはもってこい!(笑)
話はそれますが、このスエードこそ
僕が初めて吉本さんにお願いした『CHARLES・F・STEAD』社製のスーパーバックです。
毛足が短く、恐ろしいくらいにキメが細かく目が詰まっています。
上品この上ない起毛感で、見た瞬間身震い(笑)


念入りな採寸で、
ローマに帰られてから、まずラスト(木型)を彫って頂きます。


たくさんのサンプルをご準備させて頂きながら、撮影するのを忘れていました(汗。
和やかで楽しかった雰囲気も、、忘れてました。。次回は必ず!!
多くの方にお越し頂き、沢山のご注文も頂き、本当にありがとうございました。
何足もオーダー入れようとして下さった方もいらっしゃいましたが、
先ずは木型を安定してからドバッとお願いします(笑)

仮縫は半年後になってしまいすが、愉しみにお待ち頂けますと幸いです。
半年は長いでしょうから、ちょうど3ヶ月目辺りに?
ローマの工房の模様をお伝えします!



2017年11月11日:By YANASE,Hirokatsu (Masse Attura)


ローマに工房を構える『Perticone』の代表である吉本さんは
大学を卒業し、一旦専門商社に就職されますが、
靴作りの想いを断ち切れず、
2005年、イタリアに渡られました。
以降、数々のオーダー靴の専門店で研鑽を積まれます。

イタリアにおいては、
自由で斬新なデザイン性、豊富な革使い、軽快な靴作りを学ばれ、
イギリスにおいては、
愚直なまでに昔ながらの変わらぬ製法、堅牢な靴作りを学ばれました。

靴作りの方向性が全く異なる2ヶ国で、
長年にわたる研鑽を重ねられた結果だと思うのですが、
だからこそ、吉本さんが作る靴には、それらの感性が共存されていると思うのです。

現在はフリーランスの靴職人として、
イギリスの有名ビスポーク店の仕事依頼を受けつつ、
ご自身のオーダー靴ラインをスタートされる事になりました。

またこのたび、吉本さんに依頼するに至った経緯を簡単にお伝えします。
今まで僕自身の靴をお願いしてきた流れがあります。

マッセアトゥーラの物作りの基本理念とも通じ、
ただ着る人(履く人)の体(足)に合わせるのではなく、
どう見せれば綺麗かについて話し合い、具現化して下さいます。

その理由は
吉本さんの依頼主の気持ち寄り添う姿勢と
吉本さんの靴職人としての経歴に由来するものだと思います。

例えば、僕のズングリムックリした足を、
足に合わせながらも、スマートに「造形」するという具合です。

お客様によって、
逆に丸くさせたい方もいらっしゃると思います。
そこは、
着ていらっしゃるお洋服の雰囲気や、
その方のご体型、TPOなどを考慮した上で、
吉本さんが培ってこられた造形美の世界観を通じて「造形」して下さいます。
当日はコレクションを直接ご覧いただけるよう準備させて頂きます。
皆さまとお会いできる事、楽しみにしています。


吉本晴一氏経歴

これまでにフリーランスのアウトワーカーとして
イタリアの数々のオーダー店より製作依頼を請け負われてきました。
・Salvatore Politano(Roma)
・Petrocchi (Roma) http://www.calzoleriapetrocchi.it/ ・Mercurio(Roma) http://www.stivaleriamercurio.it/ ・Marini (Roma) http://marinicalzature.it/ ・Mannina(Firenze) http://www.manninafirenze.com/
そして現在、イギリスの有名ビスポーク紳士靴店の製作に携わる傍ら、
自身のBespoke line
・Perticone – Seiichi Yoshimoto をスタートさせられました。

BLOG http://shoemaking-in-italy.blogspot.it/ Instagram https://www.instagram.com/perticone_official/



以前、お願いした靴のベースラスト(基本木型)から
かなりモディファイを加えてもらいました。

どんなフォルムになるか楽しみです。
フィッティングは完璧なので、ここからは造形(デザイン)の世界です!
YOSHIMOTOさん、宜しくお願いいたします!!




ローマから、荷物が届きました。
さて、何でしょう! ワクワクしますね~♪


ん?カセンティーノ!?


ジャーン!やっと出来上がってきました!
1904年創業の英国ステッド社のスウェードなんですが、
毛足が長くて滑らかな、極上の毛並みで、見た瞬間一目惚れしました。
底材はイタリアのRocca社だそうで、僕は靴には詳しくないのですが良いそうです(笑。
これからしっかり手入れして、大切に履きこんでいきますね!

カセンティーノは、靴袋だったんですね(笑。
チャーミングな靴に、チャーミングな靴袋を作って下さったYさんは、
もっとチャーミングです♪Yさん有り難うございました!
カセンティーノのコートは、こちらで13番まで
紹介させてもらってます
ので是非。



ローマで靴を縫っておられるY氏が一時帰国され、靴の仮縫をしてもらいました。
基本Y氏の作風にお任せですが、僕の体型を隠すような造形だけして欲しい事を伝えていました。


僕は背が低くて、ゴツい体型なので、
少しでもスマートに見える洋服を好みますから、
そんな洋服に合う靴を!というのが僕からお願いした希望です。
普段履くパンツの裾巾もお伝えし、どれくらい靴が覗くのが好きかも伝えました。

靴を僕の足に合わせてしまうと、24cm/4Eになってしまいますから、
僕の、そんなコロンコロンの足を、いかに再構築して下さるか、で仮縫を楽しみにしていました。
かといって、つま先の尖った靴は好きじゃないので、
ラウンドTOE気味で、それでいてスマートに見える靴、、難しい要求だったと思います。

出来てきた仮縫の靴は、コバを削って、アッパーを低く、
TOE(つま先)はY氏のオリジナルの造形をして下さっていて良い感じです。
あと、微妙な意匠線を打ち合わせて、、来春頃に完成予定で、これはめちゃくちゃ楽しみです!
ちなみにY氏は、英国の弩級のビスポークシューメイカーの靴も縫っておられます。