(2006年1月12~13日)
マリネッラの通り沿いのお店は、相変わらず溢れんばかりの人だかりです。
この中に、果たしてナポリっ子はいるのでしょうか?(苦笑)
そんな喧騒的な路面店を避けるかのように、
マリネッラのサロンは、中世の建物の2階にあります。
サロン内は、当時の面影を残したまま装飾されたもので、
それだけでも一見の価値がありますね。
イタリア流イギリス様式で統一された内装は、
マリネッラ一族に受け継がれるライフスタイルからくるものだそうです。
マリネッラは、英国製のネクタイ用ヴィンテージFabricの収集家としても知られており、
貴重なネクタイ地が、無造作に置かれています。
1994年のナポリサミットの際に、マリネッラのタイが配られた事をきっかけに、
今ではレディーメイドが主流になったマリネッラですが、
従来からの顧客は今でも、このヴィンテージファブリックを使って、
タイをス・ミズーラするのだそうです。
タイ以外にも、靴やベルトといった洋品類から衣類まであります。
初代当主のエゥジニオ・マリネッラは最初はバール(Bar)の店主でした。
1914年に現在のヴィットリア広場前で創業に至った経緯は、
Barの顧客が、手先の器用な彼に色々な洋品類を依頼したことがきっかけです。
カンの良い方は、もうお気づきだと思いますが、
オーダーのお店って、こうしてBarを起源に持つお店が結構あるんです。
趣味の世界って、そうした〝趣味の場〟から始まってるんですね。
最初は、店の前にあった馬場に集まる人々が顧客となり、
顧客は彼のセンスに任せて注文し、、と云われるマリネッラです。
そう云えば、先日伊勢丹のメンズ館で、現当主のマウリツィオに出会ったのですが、
ナポレターノらしく!大振りなアクションで、
陽気に抱きしめてくれました。(笑)

彼はマリネッラのスタッフですが、
英国っぽい匂いがプンプンするナポリ流の着こなしです。
「京都に行くから、、」と言っていたのは、、いつですかぁ~(笑)
今回も、長さ147cmや143cm、それに巾も9.5~8.5cmを選び、
芯(インテルノ)も、ウーノ、ドゥーエインテルノなど、、
色々とオーダーしてきました。

でもセッテは、「日本人はセッテ好きだけど、すぐダメになるから止めた方がいいよ。。」
ダメになる、、イタリア人らしからぬ?発言ですが、前回も言われましたね。
それとも、僕がそんなにも貧乏臭く見えるのでしょうか?(汗)

以前、別の機会に見学させて頂いた時に書いたマリネッラの工房の訪問記もあります。
ナポリに行くたびに、好きなものを少しずつ仕入れています
これからも、少しずつですが仕入れます
長さのオーダーも可能ですので、
ご興味のある方は是非!


Kさんからご注文頂いたチェスターフィールドコートです。

シングル3つボタンの比翼仕立てで、襟はピーク。

胸のバルカポケットの巾を5mm広く、

そして5mm下に移動し、打ち合い側に5mmずらしてやります。







腰ポケットのスラント量も、勾配を5mm強くします。

シルエット的には、Kさんから、

今の流行のようにウエストを絞り過ぎないように、とご希望頂いてましたが、

それにしても少し絞り足りませんでしたので、もう少し絞る事になりました。(苦笑)







糸を解いて、躾け糸を打ったりピンで留めたり、、

ごちゃごちゃと打ち合わせをしながら、気が付けばあっという間の90分。

こんな時間が楽しいんですよね♪



生地も、近くで見るばかりか、離れて見たり店外で見て頂いたり、、

バンチで見た時のイメージ通りで気に入って頂けて、僕もとても嬉しいです。





毎シーズン2着ずつお仕立て下さる着道楽のNさんは、

ず~っと、ダブルブレストのスーツです。

僕が、「たまには気分転換にシングルでもどうですか?」と言うと、

Nさんは、「若い時から色々と着てきて、今の6×2釦のダブルに落ち着いたんや。」と、、

30年に渡る経験の中で行き着いた答え、、重みがありました。

続けてNさん、「最近どこもWのスーツって売ってないやろ、、」とも、、







流行がどうであれ、自分の着たい物、自分に似合うと思う物、

それを手に入れる為にオーダーがある、、

流行に惑わされない〝自分スタイル〟を持つって、格好いいですね♪

スペンサーハートっぽい雰囲気を狙って!

オートクチュールの仮縫にて、ポケットの位置や角度、

それにボタンの位置やウエストの絞り具合や高さを微調整しました。



バストとウエストの寸法の差を表す〝ドロップ寸〟で言うと、

Fさんのこのスーツは〝ドロップ7〟です。

実際のFさんはドロップ6.5ですから、

少しマッチョに!見えるように矯正しました!(笑)





細いネクタイがなかったので、太いネクタイで失礼します~

6.5~7.0cm巾くらいが似合いますよね。



ヴィンテージ好きの、Iさん。

今回はハリスツイードのヴィンテージです。(笑)

かなりヘヴィーウェイトで、当然ながら最近ではほとんど見かけません。



デザインはチェスターフィールドを基本としていますが、

ウエストのウェルトポケットを、斜めのボックスポケットにしたり、

フロントの打ち合いも比翼にしなかったりと、

そのタイトなシルエットと共に、スポーツ感を漂わせました。







バックスタイルにもスポーティー感を演出♪

通常より高い位置にバックベルトを付けて、センタースリットも深く取り、

脚長スタイルに貢献しています。







かなりミニマルタイトなシルエットですが、

生地の、その柔らかな存在感と合わさって、逆に、

それが、凄く愛着感の湧くコートに見えるなぁって思いませんか♪

ヘンリープールを介して仕入れる〝acorn〟のシャツ地は純英国製です。
先日もご紹介させて頂いたように、発色が綺麗で、
もう少し色目を抑えた生地が多い中、クラシックなのに、こんな色目は珍しいですね。
織りにしても、シッカリした打ち込みで、柔らかなイタリア製とは少し違った雰囲気です。
マッセアトゥーラでは、生地を安定させる為に、
裁断前に洗って、乾かないうちにアイロンをかける(縮絨)ので、
生地の特徴やアイロンの掛け易さが分かるんですよ♪


Oさんからシャツのご注文を頂いたのですが、少し太ったのか、キツくなったので、

前回より、少しだけサイズを大きくして頂けますか?との事です。



確かにジャストサイズのシャツを作るので、

体系の変化によって、着心地が敏感に変わってくるのですが、

サイズを測らせて頂くと、

体を鍛えられているせいで、少し胸筋が大きくなっているものの、

調整をするほどではありませんでした。



色々とヒアリングしているうちに判かったのですが、

かなり縮んでいるんです。

袖丈で3cm、バスト寸法の半分で1.5cmも!

(計算的には合いますね、、)



マッセアトゥーラのシャツは、裁断前に生地をお湯で洗い、





一晩お湯に浸し、脱水をかけて、

そのまま直ぐにアイロンで強制乾燥させます。

時にはランドリーで乾かしたりもします。





Oさんはいつもドライクリーニングではなく、

ご近所の独立系のクリーニング屋さんに〝ハンドプレス〟指定で出されているそうですが、

どう考えても、取り扱いを間違って縮んだとしか考えられません。

(アイロンの温度設定とか、かなり高温で乾燥機をかけられたとか、です。)



という事で、今までと同じ型紙(同じ寸法)を使う事になりました。





Oさん以外にも、年に何度かクリーニングによるトラブルが起こっていますので、

もしも何か疑問に感じられたら、直ぐにご連絡下さい。

こういったトラブルは、ちょとした気遣いで避けられるんですけどね、、





3年前にお仕立ての、シーアイランドコットン(海島綿)のシャツです。

僕の忠告通り?クリーニングには出さずに、

せっせと家で、大切に水洗いして下さっていました♪



それでも襟が擦り切れ、





袖口が擦り切れ、





今回、取替えさえて頂くことになりました。

費用はシャツを1枚仕立てるのにかかる3分の1程度で済みます。



家で水洗いしている限り、こうして取り替えてしまえば、

ここから更に今までと同じだけの寿命が、、



モノに愛着を持って、自分に馴染んだモノを長く使うと云うスローコンサンプション。

こういう消費の仕方って、今の消費生活で見習うべきポイントですよね。

これからは、こう云った方向性が見直されるハズです♪

矢沢永吉さんのステージ衣装を模倣したホワイトスーツです。

透け感にまでコダワリました。(笑)

これを素肌に着て、コンサートで踊りまくって汗をかいても、体にまとわり付かないよう、

サラッとした生地を選び、色々な工夫を凝らしてあります。





パンツも、Lポケにして、シルエットも真似てあります♪





全国の永ちゃんファンの皆さま!

こんな〝永ちゃんスーツ〟いかがですか♪

これから冬に向かおうとするのに、

最近になってもボイル地のオーダーを頂きます。

それは、、透けててセクシーだから!という理由です。

こんな選び方を季節感がないと取るか、ファッションと取るか、ですが、

皆さんはどっちのタイプですか?



この生地も、スイス製アルモのボイル地です。

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