エスクァイアが編集を手掛け、
アメックスカードの会員向けに出版されている〝Departures〟と云う雑誌があります。
そこに、ナポリのコスタンティーノと云うサルト(テーラー)が紹介されていました。
有名な方なのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、
松山猛さんが、彼のポジション(仕事ぶり)をとても解りやすく体験記としてまとめられています。
コスタンティーノ氏は、彼自身が縫うのではなく、
腕のいいジャケット職人とパンツ職人とのコラボレートから服を生み出します。

採寸者が型紙を引いて裁断し、仮縫い、縫製、仕上げまで、
全ての工程を1人でこなすイメージの強いナポリのサルトリアですが、
コスタンティーノのような 『コンダクター』の存在は、
今のナポリスタイルを作り上げたと言われる、ルビナッチ&アットリーニという
最強コンビの再来を意識せざるを得ません。(←2005年2月3日ダイアリーをご参照下さい)

採寸した人間が最後まで縫い上げるのが理想形だと云う人もいますが、
でも、それならどうして、そこにルビナッチやコスタンティーノが存在する意味があるのか。
彼らが何故その理想形を上回るスタイルを実現できているか、を考えた時、
マッセアトゥーラの存在価値も、彼らと同じ処にあると思うし、
その価値を認めてもらえるような仕事をするために、
何をしなければならないかが明確に見えます。



柄が柄だけに、シルエットやディーテールは真面目にきちっと作ってます。

意外に、こんな柄物のシャツで、キッチリしたデザインの物って少なくないですか?

それが狙いですが、どれだけの方に分かって頂けるか、、(苦笑)

同じような柄が、あと1着分だけ在庫あります。








襟の雰囲気が気に入られたと云う、Oさん所有のバルバのシャツをサンプルにしながら、

襟をひと回り大きく、着丈を短く、カフをフレアに、

リデザインして仕立てました。

フィッティングに関しては、既に完成しているOさんの型紙をベースにしています。







リデザインしたポイントを簡単にお伝えします。



襟を立てて途中で折り返しても、

紙のように〝パリッ〟と折り曲がってくれるように工夫してあります。(後述)

今回Oさんが、最も意識されたバルバの襟仕様です。

ボタンの間隔も、第2ボタンの位置を通常より随分と下にして、

首元のボタンを外した時に胸元が開き過ぎないようにした、100%クールビズ仕様。(笑)



また、画像には写ってませんが、

袖ボタンを留めた時に、カフスがフレアになるように変更しました。。

それに、通常より着丈を短くしてゆとり量も削り、オーバーシャツ専用丈にしました。

打ち合いの柄合わせも、シッカリ合わせてあります。







この襟の拡大画像が、襟を通常の状態にしたところです。

この襟の高さ、襟のデカさがお分かり頂けますか?

ちなみにOさんが着られると、この襟腰の高さは気にならず、綺麗なんです。

首の短い僕が着ると、間違いなく亀みたいになります。(苦笑)







ここで、前述の〝紙のようにパリッ〟とした襟の理由。

襟・台襟・カフスに、『トップヒューズ芯』を熱圧着プレスしてあります。

画像は台襟に圧着したところでです。



これによって生地の質感に合わせた紙のような独特の風合いを出しています。

マッセアトゥーラでは通常、この紙のような風合いを嫌って、フラシ芯を使うのですが、

今回は、その雰囲気を逆利用して、よりシャープな雰囲気を狙いました。

ちなみに、トップヒューズ芯は熱耐性が低いので、

取り扱いには幾つかの注意点が必要ですから、しっかりお伝えしました。



自分の気に入った物を、更に自分の好みに昇華させ、自分だけの1着を手に入れる、、

こんなシャツ、愛着もひとしおですね。


今日はお渡しラッシュが続いています。(といっても4件で、これが1日の限界、笑)

4年のお付き合いになるFさんのフィッティング中に

英国より届いた裏地があります。

ロンドンのサヴィル・ローのテーラーの多くで使われている裏地です。



「何これ!?何で今まで言ってくれへんかったん?隠してたんちゃうの!」

  「いや、そういう訳じゃないんですけど、、

  Fさんはジャケットの裏地って総裏が好きですよね?

  だから熱がこもらないように素材はキュプラ100%にしてましたが、

  この裏地はレーヨン素材なんです。」

「いや、素材も大切やけど、そんな事より見た目が一番やで!俺こんな裏地好きやわ~」







この裏地を手に入れるルートが出来て、もう1年もなるのに、

素材が気に入らないからと云う僕の勝手な理由で、ほとんど提案してなかった裏地です。

これからは積極的に提案させて頂きますね♪



駄目ですね、自分の基準で勝手な判断をしては、、反省します。

さぁ気を取り戻して、今からもう1件、最後のお渡しです。








ダイアリーを始めて2年、それをブログに切り替えて半年が過ぎましたが、

最近ではブログのアクセス数が、日に400を越える事もあり、

月間10,000近いアクセスを頂くようになりました。

皆さま、ありがとうございます!!



最初は、洋服創りを通じて日々考える事を書き綴ることで、

それが物を大切にする気持ちへとつながれば、、

何かを感じてもらえるきっかけになれば、、

そんな思いで始めたのですが、

そうして自分の思いを言葉にする事で、考えも整理できるようになり、

かなり、自分の為にもなっています。

でもその反面、「ブログを続ける事って何か意味があるの?」と考えたりもします。

でもまぁ、何も結果が出てない内から判断しないで、

出来る限り続けていこうと思います。



スーツ好きの方ばかりか、同業の方もたくさん見て下さっているようです。

これからも皆さまの色々な視点での書き込みを宜しくお願いします。

自分の視点だけでは〝井の中の蛙〟になりかねませんし、

書き込みって、かなり励みになるんですから♪






Nさんにご紹介頂いて今日届いたさくらんぼ、めちゃくちゃ大きくてビックリしました。

果肉はプリプリ♪で、たまらなくジューシー♪です。

コクのある甘みと穏やかな酸味の絶妙のハーモニーに、もうメロメロ。(笑)

この時期、年に1回だけってゆーのが、これまたいいんですよね。

愛してるよ~ん、さくらんぼちゃ~ん♪










今月初め、ドラッパーズの担当者の方と内見(発注)のお約束していたのに、

急な来客でアウトになりました。(Jさん&Nさん、ごめんなさい。)

それが、やっと本日かないました♪



シーズンに入ると、人気の柄は即ソールドアウトになりますので、

8月の先行予約会で押さえて下さいね。

予約会の日程が決まり次第、個別にお伝えしますので、

ご興味のある方は是非!




今朝は開店前に、18歳になるMyボルボ245(’88)を車検に出してきました。

エアコン(R134)や足回りの総組み換え、オルタネータの交換、ATミッション積み替えと、

殆ど新車時の部品は残ってないんじゃないかと思える車です。

最近よく、「最近、欲しい車ってないねんなぁ~」と云う声を聞きますが、

僕のような考え方をすれば、今の車に乗り続けてみるのも1つの方法ではないでしょうか?

もしくは僕のように、昔乗りたかった車を中古で買ってみるとか、、

コスト面を考えても、修理費用はかさみますが、

それでも新車に乗り換える事を考えれば、半値以下のコストで済むのも助かります。




さらに僕の場合、維持費を下げる為に、部品はアメリカから個人輸入しています。

その中にも、日本では既に販売中止になっている部品があったりします。

そう、アメリカでは240には根強いファンがいて、しっかりとマーケットが確立されています。

日本の今の使い捨て文化って、戦後のアメリカの影響が大きいですが、

そのアメリカでは、物を大切に使い続ける文化が存在します。

日本って良いものだけを取り入れたらいいのに、何もかも変えてしまうというか、

器用貧乏のような気がしてなりません。

もう少し要領よくなれれば、、





◆アメリカから取り寄せた高性能ブレーキローターは維持費面でも貢献!?

(2006年1月11~12日)

二日酔い気味の気だるい体を引きずりながらピッティ会場内を1日中歩き回った後、

ESスターに飛び乗り、ナポリチェントラーレに21時過ぎに着きました。

実は、今まで明るいうちにナポリに入った事がなくて、

深夜到着ならピッツェリアしか開いてないけど、この時間なら駅前のIrisが開いてます♪

大好きなリストランテ、Irisの海鮮サラダをつまみに、

イタリアンBeer2本&ワイン1本飲んで、この日は爆睡(爆酔?)しました。







ナポリの初日は、いつもスパッカナポリの朝の喧騒から始まります。

窓から窓に渡されたロープに色鮮やかな洗濯物が下町風情を感じさせてくれます。

恐らくここが、皆さんが思い浮かべるナポリの光景だと思います。

朝ごはんはいつも、ここスパッカナポリでアランチーニの歩き食いです。(笑)







いつもそこから、大好きなサン・ドメニコ・マッジョーレ教会に寄ってから、

トレド通を南下し、プレビシート広場まで歩きます。







今回は広場前からメルジェッリーナまでバスに乗り、アンナマトッツォに向かいました。

でもアンナさんは不在、、今はピッティ開催中でした。(苦笑)







そこからサンタルチア港まで3キロほどの海岸沿いを、

ジェラートの3段重ねを食べながら、そのカロリーを消費しながら、ブラブラ歩きました。(笑)

この海岸沿いの散歩は、昼夜を問わず、ナポリでの結構好きな時間です。



右手にヨットハーバー、左手には山の斜面にへばり付いたようなナポリの街が広がります。

ナポリは世界3大夜景と云われていて、夜景は特に最高ですね~。







昼ごはんは、サンタルチア港に浮かぶ卵城を見ながら、

カンパリ飲んで、ご機嫌でした。


この干し梅、ウメェ~(笑)