今日のYさんのテーマは〝グリーン〟です。

前回のイタリアでも、街中にグリーンが溢れかえってました。

Yさん、「マフラーのグリーンだけ少しトーン(色調)が違うかな?」って

気にされていた通り、確かに少しだけ外してますが、

シャツとチーフのトーンが合っているので、

マフラーは、ご愛嬌って事で♪(笑)



イタリア人は、コートを着ずにマフラーだけ巻いて、

これでスーツの襟を立てて着てたりします。

僕が真似をすると浮きそうですが(笑)、Yさんだとサマになります。



あっ!今日お渡しのスーツを撮らせて頂くのをスッカリ忘れてました。(苦笑)

画像のフラノのスーツは昨シーズンのものです。


オーダーと云えば、スーツばかりが目だって取り上げられますが、

ジャケットだけやパンツだけという方も、最近では3割近くを占めるようになりました。



今回のKさんも、最初はジャケットをご注文頂き、







それに合わせて、ライトグレーのパンツも!という事でしたが、

パンツだけのご注文だと、生地の取り方に無駄があって割高になるので、

結局はスーツでご注文下さいました。

そして、今度は、、

スーツで着るとなると、元々考えておられたミディアムグレーより、

明るいグレーの方が、冬に映えて綺麗!という事でライトグレーに変更されました。







こんな組み合わせで選ばれると、

コーディネートに広がりが生まれて、とても効果的ですよね。



自分だけのオリジナルパターンを持てるオーダーなら、

生地さえ決めれば、好きなシルエット・デザインで洋服が出来るのですから、

毎シーズン好きな洋服を探し回らなくて済むので、

邪魔臭がりな方にもお勧めです♪(笑)



一見マメそうに思えるオーダーの世界ですが、

実際そういう邪魔臭がりの方が多いのも、このオーダーの世界です。



既製服だと毎シーズン、デザイン(シルエットやボリューム)が変わりますからね、、

これも、オーダーの楽しみ方の1つですね。






今日オーダーにお越し下さった常連のFさん、いつも色々と驚かせて下さる方ですが、

今日はネクタイの色と靴下の色を合わされていました。



僕は最近では、パンツの色よりもほんの少しだけダークな靴下を、

何も考えずに当たり前のように合わせていたのですが、

今日のFさんの靴下コーディネートは新鮮でした。







中学生の頃、赤いニットや赤いポロシャツに、

赤い靴下を合わせたりしていた頃を懐かしく思い出しました。



アカンアカン、、

頭が固くなっているなぁ~と〝ハッとした〟自分がいました。(苦笑)

ファッションって、Fさんのような、こんなちょっとした遊び心が大切なんですよね♪



靴ひもは、しっかりはベルルッティ結びされています♪


イタリアの老舗2年前のボタンに関する内容もご覧下さい。







ちなみに19世紀半ばにドイツで大量生産が始められたこのナットボタン、

その後になって北イタリアにも広がりました。

ちなみにこのガレッシも、北イタリアのロンバルディア州、パヴィアのメーカーです。




お客様に生地をお勧めする時、お客様が希望される生地だけではなく、

その方をイメージして、「こんなん着て欲しいなぁ~」って思う生地も一緒にお勧めします。

そうすると決まって、「着て行くトコ無いしなぁ」とおっしゃる方がおられるのですが、

僕は昔から、「これ着て、どこ行ったろかなぁ~」って考えます。



ファッションを変えると、必ず何かが変わります。

もし自分から変われなかったとしても、周りが気付かせてくれるはずです。

意外と思われるかもしれませんが、ファッションてそんなもんです。



もっと言うと、自分の中に眠っている違う自分に気付きたい時、

思い切ってファッションを変えてみて下さい。

何度も言いますが、「きっと何かが変わりますから、、」

今日は同業の方が遊びに来て下さって、こんな話題で盛り上がりました。

皆さんは、どう思われますか?






今日スーツのお渡しをさせて頂いたKさんが、

僕が着ていたジャケットを見て、「それ、いいですね♪」と言って下さいました。

僕の年代や、それより上の方たちは、

自分もしくは親の年代でアイビーの洗礼を受けている世代ですから、

懐かしさを感じる素材なのかもしれません。(笑)







僕もこの素材は、シャツとして小学生の頃から馴染みがあるし、

中学生の時には、復活したVANで、青×白のジャケットを買いました。

どれもコットン100%で、かなり皺になった記憶があります。

でも、独特の凹凸感が生み出すサラッとした肌触りは、夏の超清涼素材で外せません!



で、昨年作ったこの赤×白はポリエステルが32%混紡されていて、

ほとんど皺にならないんです。







「いやぁ~、シアサッカーでポリなんて邪道邪道~、やっぱALLコットンじゃないと~」と、

多くの方は仰ると思いますが、

昨年は、赤×白がこのポリ混しか見付からずに仕方なしに作ったところ、

意外や意外、いい感じなんです、これが。

触りはコットンのバリッと感はなく、少しシナヤカですが、、



Kさん、「どちらにするか考えます、、」と言って帰られました。

確かに清涼感のある素材ですから、それにポリとなると違和感は感じるのですが、

実際、昨年1年間着てみて、全く違いを感じませんでした。

僕が鈍感なのでしょうか!?(笑)

皆さんなら、どちらの素材を選びますか?



ちなみにボタンは同じ繊維系という事で、ナットボタンにしています。




今日採寸させて頂いたKさんが、「今回フラップ付けようかなぁ~」と思案されたので、

次のようなエピソードをお伝えしました。



腰ポケットのフラップは、フォーマルな洋服には付いてない物なんですよ。

フラップのオリジンは、猟や乗馬の時なんかのように、

屋外で着るスポーツジャケットのポケットの、雨よけの為に付けられた仕様です。

だからフラップは雨蓋とも呼ばれ、

まさしく雨露を凌ぐ蓋の役目を果たしています。







今でもスーツに付いているフラップはその時の名残なので、

本来の意味を踏襲するなら、

フラップがない方が、よりフォーマル(≒エレガント)って事になります。

もし付いてる場合でも、外から部屋の中に入ったら、フラップはポケットの中に仕舞う。

そう、帽子を脱ぐのと同じ意味合いですよね。



まぁ実際、そんな事を考えて実行されている律儀?な方は、、

おられないと思いますが。(笑)


皆さまからのご希望が増え始めて既に3年近くなる〝フレアー袖〟ですが、

今回のフレアー度は、結構強烈かも(笑)。

たまに出没するスタッフのT君、どんどんエスカレートして

肘巾14.5cm、袖口17.0cmという、メンズでは?奇何学的!な数字に至りました。(笑)



もともとは、腕のシルエットをスラリと綺麗に見せるために始めたフレアー袖ですが、

ここまで極端にしてしまうと、

これは既に〝デザイン〟以外の何モノでもありません。(笑)

まぁデザインとして見れば、かなりインパクトがあるので、これもアリ!ですね。



当然のように、パンツもフレアーですが、

T君曰く、「足の短さがバレるので下半身は止めて下さいよ~」と。

僕(163cm笑)より背も高いし、足も遥かに長いので、ちょっと気分悪かったです。(笑)







ちなみにこの生地は、スキャバルの高級素材モンテゴベイで、

生地だけで、軽くウン拾萬円オーバーです。

ただし、この生地はデッドストック(ヴィンテージと云った方が聞こえ良いですね♪)で、

価格はその10分の1程度でした。


ミディアムグレーにピンクのチョークストライプ、、までだったら

たまに見かける配色ですが、よく見ると、

何と何と!ストライプがキラキラとラメってるではあ~りませんか!(笑)



このぐらいのグレーだと、真っ白なチョークストライプよりも、このようなピンクの方が

コントラストが弱く、遠目には目立たず、落ち着いて見えます。



また、このような薄いピンクは

人に安心感、優しさ、上品感を与えますので、

近い距離で話す時には、相手にそういった心理作用が働きます


ただこうしてラメが入ることで、そのイメージに加えて不思議な雰囲気を醸し出します。

好き嫌いが分かれる生地だと思いますが、

パッと見では分からない、このさり気ないラメ加減が僕は大好きです♪



皆さん一般的には派手と思われがちな〝ピンク〟ですが、

マッセアトゥーラでは、特にグレーとの組み合わせでは、お勧めの配色です。

ただし、ハッキリした濃い目のピンクは、目立った遊び感覚的なイメージに変わりますから、

ピンクにもよるんやなぁ~って思って下さいね。





もう1着分だけ在庫あります♪


今日はKさんにご登場頂きます。

といっても、勝手に使わせて頂いているだけなんですけどね(笑)。

先に言っとこっと、「ありがとうございまーす♪」



人間って、綺麗に前後左右が対称の人って、まずいらっしゃいません。

いずれにせよ、自然体で最も綺麗に見えるように補正をしなくてはなりません。

それは最低限のことで、それに加えて、着る人の思いを如何に表現するかが勝負です。

せっかくなら、長所はデフォルメした方がいいとも思います、、

採寸は、ほとんどアートの感覚で、実に楽しいです♪



先日、お客様Wさんが別のお客様をご紹介下さり、

その方のスーツのフィッティングの時に、「いつも後姿が最高やな!」と言ってもらいました。







お客様から戴くこんな言葉って、テーラーとして仕事をしていく上で、

最高の糧となりますし、改めて「頑張らんと~」って思います。

本当にありがとうございます!

これからも、もっともっと頑張ります!