英国製6プライの生地です。これで最後です。
僕は英国でしっかり織られた生地で、柔らかく仕立てられた洋服が好きです。

以前、これと同じ6プライの生地を使ってフィレンツェでジャケットを縫ってもらいましたが、
裏地が破れるくらい着倒しています。(そろそろ張り替えないと汗)

旨く表現できないのですが、着てみるとわかります。

既製服で、こんな服を見た事がないのですが、
以前偶然にもこの6プライで縫われた既製服を見た事があるんです
1990年代の終わり頃のKiton製でした。納得ですね。


こんな生地を選んで下さったNさんに感謝です。
20年後、30年後が楽しみな洋服。

今日はサルトリアクレセントのオーダー会でした。
恒例の?クレセント土産の写真も撮り忘れるほど’&$#$”$%でした(笑。

ひと段落して、
本日最後のNさんがお越し頂いた時には落ち着き、
写真を撮らせて頂きました。

冒頭で「これで最後です!」と書きましたが、
この生地を織っていたミルが廃業し、ブランドとしては残っていますが、
もうこの生地は織られていないのです。どこかで見つかる事を期待しているのですが、、汗。
上のリンクに入って頂くと、イタリア語で「Sportivo/6 Capi Pura Lana」
と書かれたイタリア向けの生地BUNCHの画像がでてきます。
そのリンク先にあるリンクに入って頂きますと、
更にKitonに使われた6プライの画像も出てきますよ



今日は英国風、
今日はイタリア風と
様々な装いを楽しまれる船場のOさん。

今回はフランス『風』を楽しみたいと云うことで
フランスのデザインをデチューンして特徴として加えてみました。


全体としてみますと、
イギリスの構築的な仕立てを基本としていますが、
縫製はイタリア流の柔らかなものです。
手縫とは云え、できるだけ手の匂いは排除する方向で縫っています。
でも手の匂いはプンプンとしていますね(笑。
同じテーラードでも、プレタとは作りが全く違いますから、
この辺り仕方ないというか、これでいいんです(笑。


マッセアトゥーラで仕立てさせて頂くスーツも、
今回で英仏伊と3国出揃いましたが、
Oさんにお似合いなのはフランスじゃないかなと思います。

肩傾斜が強く、
若干狭目の肩巾のOさんには、
コンケーブされたショルダーラインにビルドアップされた袖山が
とてもエレガントに映っていると思いました。
今後は、さらにこのテイストをデフォルメしたいなと企んでいます(笑。
コンケーブにビルドアップと云えば、、、
バーリ(アドリア海側のイタリアの港町)のシャマットもお似合いになられると思います。


ちなみに、、以前、
フランスのタイユール(英国はテーラー、伊太利亜ではサルトリアと呼びます)
カンプス・ドゥ・ルカを訪問させて頂いたり、
まだ鈴木健次郎さんがヘッドカッターをされていた頃の
フランチェスコ・スマルトを訪問させて頂いた時に、その特徴を教えてもらいました。

イタリアを初め、
今まで見てきた各国の『風』は取り入れますが、
各国のコスプレにならないよう、その方に似合う背丈や肩巾、肩傾斜など、
着る方にとって何が似合うかを考えて造形する事が最も大切、というマッセアトゥーラの軸で、
いつも、『風』を取り入れています。



何の奇も衒わない
グレイフランネルの3ピーススーツ。
こういうスーツって中身が滲み出てくると思います。
男の顔の皺のように。長い年月を経て差が滲み出てくるスーツです。

手入れをどこまでしているか、
適度にスチームを入れているか、
ブラッシングを怠っていないか等、
5年後10年後に差になって現れる。

もちろん着こなしに「ハズシ」は必要ない。
だからこそ、その人の中身が滲み出てくるのです。
男の余裕で着こなすスーツ。早く僕も、、そうならねば!
その領域に達する事が出来るのか、日々の行いが決める事ですね(汗。




ビルドアップ気味にセッティングした袖。


柔らかさの中に、凛々しさが宿る。




Jさんありがとうございます!
色々と着用シーンを伺っているうちに、
どんどんイメージが固まってきて、これしかない!
そう思ってお勧めさせて頂きました。気に入って頂けて嬉しいです!
20150428

素材はコットン&カナパ
カナパって聞き慣れないですよね~
麻の一種ですが、僕も初めて聞く名素材なので、
調べてみました。調べ物の基本はネットではなく先ずは書籍!
・やさしい繊維の基礎知識(日刊工業新聞社)
・繊維素材辞典(ファッション教育社)
・洋服地の事典(関西衣生活研究会)
・実用織編物の基礎知識(色染社)
・Textile Dictionary(textile tree)
どの本にも載ってない!
仕方なしにネット検索しましたが、
とても興味深い内容を綴られたブログを発見!
イタリアのフェッラーラ在住の声楽家(ソプラノ歌手)の
神谷美穂さんという方が書いておられ、
リアルな内容が書かれていますので、是非読ませて貰って下さい

ちなみに、僕からの説明としては、
通常のリネンより繊維が太い感じがしますので、
ドラッパーズ取扱店のGさんに聞くと、リネンより給水性に優れ、
コットンが50%混紡されている事もあり、皺になり過ぎず優しいフワッとした
皺が楽しめるようです。リネンの皺が気になる。コットンはカジュアル過ぎて好きになれない、、
そんな方には、超お勧めの素材ではないでしょうか。

どんどん着て、クタッとしてきた頃に、
改めて「選んで良かったなぁ~」と思って頂けると思います。
その頃に、改めてまたお写真撮らせて下さいね。
楽しみにしています!!


いつも随分と先を見てオーダーされるKさんですが、
今回は春先と秋口に着るスーツとして、2パンツでお選び頂きました。
流行とは無縁なスタイルかもしれませんが、お仕事で文化人と会われる機会が多いKさんにとって、
自分らしさがとても重要なファクターですので、いつも同じスタイルで良いのです。
極めてオーソドックスなスタイルの洋服を、Kさんに似合う、
絶妙なサイズ感で仕立てさせて頂きます。
人柄が伝わるスーツです。


パンツはシルエットとデザイン違いです。
1本はベルトレスのサイドアジャスター仕様で少し太めのエレガントスタイル。
1本は一般的なウエストベルトタイプのテーパードシルエットで、軽快なスタイルを演出しています。
いずれにせよ、どちらを組み合わせて頂いても、エレガントなスーツに違いはありません。
ジャンニアニエッリが好んできたスーツは
夏でも冬でも、光沢のない毛羽立った素材だったと言います。
アニエッリが合い物として着ていたのは、まさにこのような素材だったのでしょうね。



肉体の再構築!
まさにゴッドファーザー!!
ご希望の雰囲気を『技術で表現』しました!!

スーツとシャツはマッセアトゥーラ、ネクタイはブリオーニ。
そしてネクタイは当然、ゴッドファーザー才門氏の『エリオットローズ』です。




ダブルクロスでオーダーされたダブルブレストのスーツ。
ジャケットだけでも着たい!とのご希望で、メタルボタンにされました。
一般的なメタルボタンではなく、ロストワックス製法で形成された軽やかなボタンなので、
スーツで着てもらっても、
その質感から仰々しさが和らいでいます。
4B×2 フロント釦の数も、軽快さに一役買っています。


その後、前の打ち合い分量を変更し、
その関係で、釦間も調整することになりましたので、
全体のバランスを考慮して、4B×2 ⇒ 6B×2 に変更しました。
Kさん、たまたま白いタートルを着てらっしゃったのですが、似合ってました!
ジャケットとしてもお使い頂ける優れもののジャケットスーツ!皆さまもいかがですか♪(笑


*ダブルクロスについて
経緯(タテ糸とヨコ糸)とも双糸を使って、
経緯どちらかの糸で接結した生地です。それを軽く縮絨加工し、
繊維を立体的に絡み合わせると、空気を含むスペースがたくさん確保できます。

その結果、
肉厚で丈夫で皺になり難く、
しっかりとしたシルエットが出るのですが、
組織上、また仕上げ上、柔らかな着用感を生み、動きやすい洋服になります。
しかもこの生地は光沢があってクリアな表情をしているのに、
空気を含む分だけ暖かい!と良いこと尽くめです♪

似た名称で「ダブルフェイス」と云う生地がありますが、
そちらは元々別の2枚の織物を、接結糸と呼ばれる糸でつないで1枚の生地に仕上げます。
なので、接結糸を解いても、2枚の布はそれぞれ独立して成り立ちますが、
ダブルクロスの場合は、
接結糸が経緯(タテヨコ)どちらかの糸を兼ねているので、
生地として成り立たなくなります。

今ではほとんど織られておらず、マニアックな生地ですが、
そんな男臭くて質実剛健な「ダブルクロス」生地を是非お試し下さい。
でも虜になっても、色柄が多くはありませんので、その点はご容赦願います(笑。



年間300日ご登壇される売れっ子講師のIさんですが、
Iさんにとって、スーツやジャケットは、まさに衣装なのです!!
実はIさん、若かりしころ?松竹の芸人さんをされており、本当に衣装!

この生地は、イタリア製ですが、
緯糸(ヨコ糸)が珍しく2本縒り(2PLY)で、
イタリア特有のドレープ感を持ちつつ、しっかりしてます。


移動中はスーツで移動されないよう、
最近では心がけて下さっているのですが、
それでも無理な事もあるそうで、そんな時には、
こんな生地がお勧めですね。色気好きのIさんにピッタリ♪


経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)で
かなりコントラストをつけた生地ですので、
ドレープの度に、生地の表情が玉虫のように変化します。
*画像では全く伝わりません!!!


続いてこちらは、ド肝抜かれるテカリ具合!
チンツ加工(chintz)された生地で、防水性もあって、
登壇後の、パーティーの席でも、食べこぼしに威力を発揮します(笑。


見えない裏のまとまり具合も最高です!
まさにコンサルティング業界の松竹!いや、ジャニーズ!
益々のご活躍を楽しみにしています。コンサル界に新ジャンルを築いて下さい!
お身体、どうか大切にして下さい。




オンと、オフ。
どちらにも使えるスーツ。
ローマのS.A.R.Tから届いた生地です。
ソリッドなネイビーシャツを着ると、艶を感じさせるスーツ。


ハケ目のサックスシャツに、
ネイビーのペイズリータイは洒落感が出するとしても、
ブルーの小紋タイなんかをもってくると、十分オンでも着て頂けますよね!

そんな、オンでもオフでも使いまわせる秀逸な色柄だと思えるTさんチョイスの絶妙スーツです。