Oさんが今日ご注文下さった組み合わせです。

最近、某雑誌のブームで?白シャツが大人気なので、

本来何でもない、こんなトラディショナルな組み合わせを新鮮に感じます。







ロロ・ピアーナの生地は、柄こそクラシックですが、

横糸に単糸を甘く打ち込むイタリアの生地特有の?甘~いドレープが期待でき、

おまけに、シャークスキン柄のハーフミルドTypeと、これまたイタリアンな香りプンプンで、

有りそうで、意外に今まで気付かなかった(僕だけ?)質感です。



そんなイタリア~ンな生地に合わせるシャツ地も、

これまた柄こそトラッドですが、フィンクス綿の極薄140番縦横双糸使いと、

これまたドレープ感のある上質素材です。



ガレッシのコロッツオ(象牙椰子の実)は、ちょい明るめのブラウン(黄色系)で、

シャツのブルー系に対する補色色相環で云う反対色)になり、

これもイタリア人が好みそうなカラーコーディネートだと思うのですが、

皆さまは、どう思われますか?

コーディネートは、「やっぱり、こ~でねぇ~と!」、、な~んちゃって♪(爆)




今日ご来店のAさんのご希望はフランネルのスーツでした。



ひと言にフランネルといっても、とてもたくさんの種類があるのをご存知ですか?

ウーステッド(梳毛)フランネルかウールン(紡毛)フランネルか。

クリアカットTypeか、ミルドType(ハーフミルド・クォータミルド)なのか、、
毛羽立ち具合で呼び方が変わります。

それに生地の目付け(ウエイト)や、打ち込みの違いなど、

無地のチャコールグレーのフランネルと云っても、選ぶのに一苦労します。(苦笑)





どこに行っても空調が効き、おまけに地球の温暖化現象で暖冬続き、、

さらなるは、今の日本では不景気も加わって!?人気のない素材ですが、(苦笑)

そんな着る期間の短い素材だからこそ、そんな時代だからこそ!

お洒落に差別化を求める方に、是非ともお選び頂きたいのがフラノ素材です。





巧く撮れませんね、、

これは結構起毛したミルドタイプ(毛羽立ちが多い)のフランネルです。

フランネルについては、過去のダイアリーもどうぞ♪



Cotton100%のローン素材は、

シャリッと涼しげで、着用感も軽く、夏にはもってこいの素材です。

同じような生地で、以前から何度も紹介させて頂いているボイル素材がありますが、

この両者の違いは糸の撚りの強さの違いです。

ローンは張りと透明感に優れた上品な、平織りの極薄生地ですが、

ボイルはそれに更に強い撚りをかけて、それも縦横の糸を逆撚りしてシャリ感を強めるので、

凄く目の詰まった、ガーゼっぽい感じの生地になります。

ちなみにボイルはガーゼと同じ組織ですが、

糸の撚り方の違いで、これほどまで差が出るんですから、驚きですよね。



そんなローン地をクレリックにする場合、

襟だけブロードを使うと生地感が違って変なので、

襟やカフにも、同じ綿ローンの白生地を使う事にしました。





出来上がってきたシャツの襟腰が高すぎて、たまたま残布で追加の襟が作れたので、

前後均等に5mm低くして作り変えました。

Oさん、1着目からどんどん高くなって、付け替える前の、この襟で、

前4.5cm、後5.5cmと言う世界の壁!?とまで思える高さでしたからね。(笑)





4着目にして、タイドアップ用のシャツの型紙は

どうやら、Oさんお気に入りのシルエット&デザインに落ち着いたようです。

襟だけではなく、型紙のあらゆる部分を微調整していますけどね。

既製ではありえないシャツが完成して良かったですね♪

以前ご紹介させて頂いた、Yさんの3ピーススーツが、やっと出来上がリました。
裏地全面に張るには長さが足りないかな?と思っていたのですが、
何とかギリギリ納まりましたし、家紋もいい感じにポジショニングする事が出来ました。

ただ、家紋の染め境界線でかなり裂け易い状態でしたので、
裏側から加工を施して、強度を持たせました。
どうですか?いい感じじでしょ!
柄合わせまでは無理でしたが、
着物の裏地も、巧くヴェストの背裏に納める事が出来ました♪
強度的が、かなり落ちた絹(シルク)を、
ここまで絞ったシルエットで縫い上げてくれた職人さんにも感謝します!
どうですか?黒い生地との色的な相性も、いい感じですね♪


Tさんからご依頼頂いた礼服が出来上がりました。

ブラックスーツを基本に、コールパンツとシルバーベストを追加されました。



ブラックスーツは〝略礼装〟として。

ブラックジャケットにコールパンツとシルバーベストの組み合わせは、

ディレクターズスーツとなり〝昼間の準礼装〟になります。



ちなみに、

正礼装(モーニング・イヴニング)、準礼装(ディレクターズ・タキシード)、略礼装

と云う区別があり、カッコ内は(昼・夜)となります。



冠婚の場でブラックスーツを着てしまい、

日本で一般的な白いネクタイを締めたりなんかすると、

日本以外の国ではマフィアスタイルですから、くれぐれもご注意下さいね。



下の画像は、ディレクターズとしてシルバーベストを合わせました。

フォーマルでは正式にはステッチは入れませんが、

今回はTさんのお好みで、襟端から2mmの位置にAMFステッチを入れてあります。





シルバーベストは無地が多いのですが、今回はさり気なく〝粋に〟ヘリンボーン柄です。

ボタンも共地で包んで、よりフォーマル感を高めています。

ちなみに、撮影のシャツはありあわせで(笑)、一般的には白無地シャツです。





コールパンツはブレイシーズ専用仕様とし、

ベルトループを付けずに、腰裏にブレイシーズ用のボタンを付けてあります。

柄は派手でもなく地味でもない黒白のボリュームバランスですから、

使おうと思えば冠婚葬祭どちらにも合わせて頂けます。





ブラックパンツは通常通り7本ループを付けて、

帯の後ろ側センターは割って、ループは〝フラシ〟にしてあります。

ピスポケット(尻ポケット)も、左右とも付けてあります。





Tさんは怒り肩で胸板も厚いので、レギュラーなボディーに着せると、これだけ浮きます。

やはりオーダースーツは、着る方が着て初めて綺麗なシルエットが出ます。





Tさん、ウイングカラーシャツやブレイシーズと共に、明日準備して発送します。

そうそう、、博多の中洲の屋台、今ある屋台が最後になるそうですね、、

これでまた風情のある風景が失われてゆきます。

博多に行った時には、一緒に屋台に連れてって下さいね。




マッセアトゥーラではセレモニー用の生地の専用のバンチを4冊揃えております。

英国のマーチャントでは、

インネスチャンバース(ホーランド&シェリー)、スミスウールン、

そして、イタリアのマーチャントでは、ドラッパーズとユーロテックスです。



それと、これは内容とは関係ありませんが、

何故か、ロロ・ピアーナやE・ゼニア、ウッドハウスなど、

ミルからセレモニー用のコレクションが出てないんですよね。



特に、モーニングやディレクターズの時に着用するコールパンツ用の生地は

単純な柄のようで、無限にバリエーションがあるので、

4冊あれば、色々とセレクトの範囲も広がり、気に入って頂ける生地が見付かると思います。






ご希望の質感で、ご希望の色のシャツ地を見付ける事が出来なかったので、

「自分で染めてみますか?」、と提案させて頂きました。

僕自身、ずっと今までそうやって欲しい色を手に入れてきましたから、

そんな経験をTさんに話したところ、今回Tさんも試してみられる事になりました。(笑)

先に白無地の生地をお渡しし、Tさんが染色されている間に型紙の準備をし、

染色後、すぐに縫製にかかって出来上がってきました。

こんな方法も、オーダーならではの楽しみ?醍醐味?ですよね♪

今回は生地の段階で染めましたが、製品になった状態だと諸問題ありますので、

決して、良い子の皆さまは真似をしないで下さいね。(笑)




Oさんにご試着頂いた瞬間、ゲイな雰囲気が漂ってきました。

タイトで女性っぽいラインなのに、デフォルメされた大振りなディーテールが、

まさにハード&セクシーな、

何ともゲイっっぽさを漂わせています!(笑)

こんなシャツ着て、パリのマレ地区なんて歩いたら、大変な事になるだろうし、

ゲイ・プライド・パレードに参加したりした日にゃぁ、、(汗)



胸板に張り付くタイトフィットなシルエットに、この大きな襟!

更にそれを強調するかの如く、襟ハネを縦取りしているので、襟が凄く目立ちます。

台襟も縦取りしているので、余計に襟が大きく見えて、目立ちますね♪

話題とは無関係ですが、当然柄合わせをしています。

ちなみに前襟腰4cm、後襟腰5.5cmで、襟ハネはセミワイドの10cmです。





背中に張り付くこのタイトさ、、

ヌード寸法に対するウエスト周りのゆとり量は〝シングル〟です!(爆)





ミニマムタイトな後姿に、ビッグな襟!

ヨークの裁ちも逆にして柄合わせした方が、よりゲイぽかったでしょうか?(笑)





メトロセクシャルなファッションとは違って、

ゲイファッションの方が男性っぽさを感じるのは僕だけでしょうか、、

パリの街を歩いていてもお洒落だな!って思ったら、ゲイの方なんですよね~

もしかして、僕にもその気があったりして!?(大笑)




本来なら、シャツのカラーがイカれた時に取り替えるイメージが強いクレリックですが、

今では、デザイン的なものとして捉えられています。

身頃の生地の質感に合わせて、クレリック部分の生地を探すのも、

これまた、ひと苦労です。(苦笑)

今回は、少し透け感のある薄手の〝ローン〟と云う、サラッと爽やかで上質な綿素材です。

クールBizの影響で、ちょっと個性的なシャツを希望される方が増えています。




昼間の礼装に使われる、

正礼装のモーニングコートや、準礼装であるディレクターズスーツ。

画像は、その時に着用するコールパンツの生地です。







慶事にはストライプの巾の広い、明る目のものを選び、

弔事にはストライプの巾の狭い、ダークなものを選ぶ方がいいのですが、

僕が選ぶなら、最初の1本目は、ストライプの巾の広い、ダークな感じを選びます。

これなら、どちらにも使えますからね!(笑)



最近の結婚式でこそ、やっとブラックスーツにホワイトタイと云うギャングスタイルが減り、

光沢感のあるミッドナイトブルーや、ダークグレーをお仕立てされる方が

増えてきましたが、

結婚式で主賓をされる場合や、お客さまをお迎えする立場、

ある程度のポジションをお持ちの方には、

この正統派ディレクターズスーツを、ビシッと着て頂きたいものです。



間違っても、、

黒の上下は弔事専用で、西欧では慶事には認められません。