Cotton100%のローン素材は、

シャリッと涼しげで、着用感も軽く、夏にはもってこいの素材です。

同じような生地で、以前から何度も紹介させて頂いているボイル素材がありますが、

この両者の違いは糸の撚りの強さの違いです。

ローンは張りと透明感に優れた上品な、平織りの極薄生地ですが、

ボイルはそれに更に強い撚りをかけて、それも縦横の糸を逆撚りしてシャリ感を強めるので、

凄く目の詰まった、ガーゼっぽい感じの生地になります。

ちなみにボイルはガーゼと同じ組織ですが、

糸の撚り方の違いで、これほどまで差が出るんですから、驚きですよね。



そんなローン地をクレリックにする場合、

襟だけブロードを使うと生地感が違って変なので、

襟やカフにも、同じ綿ローンの白生地を使う事にしました。





出来上がってきたシャツの襟腰が高すぎて、たまたま残布で追加の襟が作れたので、

前後均等に5mm低くして作り変えました。

Oさん、1着目からどんどん高くなって、付け替える前の、この襟で、

前4.5cm、後5.5cmと言う世界の壁!?とまで思える高さでしたからね。(笑)





4着目にして、タイドアップ用のシャツの型紙は

どうやら、Oさんお気に入りのシルエット&デザインに落ち着いたようです。

襟だけではなく、型紙のあらゆる部分を微調整していますけどね。

既製ではありえないシャツが完成して良かったですね♪

以前ご紹介させて頂いた、Yさんの3ピーススーツが、やっと出来上がリました。
裏地全面に張るには長さが足りないかな?と思っていたのですが、
何とかギリギリ納まりましたし、家紋もいい感じにポジショニングする事が出来ました。

ただ、家紋の染め境界線でかなり裂け易い状態でしたので、
裏側から加工を施して、強度を持たせました。
どうですか?いい感じじでしょ!
柄合わせまでは無理でしたが、
着物の裏地も、巧くヴェストの背裏に納める事が出来ました♪
強度的が、かなり落ちた絹(シルク)を、
ここまで絞ったシルエットで縫い上げてくれた職人さんにも感謝します!
どうですか?黒い生地との色的な相性も、いい感じですね♪


Tさんからご依頼頂いた礼服が出来上がりました。

ブラックスーツを基本に、コールパンツとシルバーベストを追加されました。



ブラックスーツは〝略礼装〟として。

ブラックジャケットにコールパンツとシルバーベストの組み合わせは、

ディレクターズスーツとなり〝昼間の準礼装〟になります。



ちなみに、

正礼装(モーニング・イヴニング)、準礼装(ディレクターズ・タキシード)、略礼装

と云う区別があり、カッコ内は(昼・夜)となります。



冠婚の場でブラックスーツを着てしまい、

日本で一般的な白いネクタイを締めたりなんかすると、

日本以外の国ではマフィアスタイルですから、くれぐれもご注意下さいね。



下の画像は、ディレクターズとしてシルバーベストを合わせました。

フォーマルでは正式にはステッチは入れませんが、

今回はTさんのお好みで、襟端から2mmの位置にAMFステッチを入れてあります。





シルバーベストは無地が多いのですが、今回はさり気なく〝粋に〟ヘリンボーン柄です。

ボタンも共地で包んで、よりフォーマル感を高めています。

ちなみに、撮影のシャツはありあわせで(笑)、一般的には白無地シャツです。





コールパンツはブレイシーズ専用仕様とし、

ベルトループを付けずに、腰裏にブレイシーズ用のボタンを付けてあります。

柄は派手でもなく地味でもない黒白のボリュームバランスですから、

使おうと思えば冠婚葬祭どちらにも合わせて頂けます。





ブラックパンツは通常通り7本ループを付けて、

帯の後ろ側センターは割って、ループは〝フラシ〟にしてあります。

ピスポケット(尻ポケット)も、左右とも付けてあります。





Tさんは怒り肩で胸板も厚いので、レギュラーなボディーに着せると、これだけ浮きます。

やはりオーダースーツは、着る方が着て初めて綺麗なシルエットが出ます。





Tさん、ウイングカラーシャツやブレイシーズと共に、明日準備して発送します。

そうそう、、博多の中洲の屋台、今ある屋台が最後になるそうですね、、

これでまた風情のある風景が失われてゆきます。

博多に行った時には、一緒に屋台に連れてって下さいね。




マッセアトゥーラではセレモニー用の生地の専用のバンチを4冊揃えております。

英国のマーチャントでは、

インネスチャンバース(ホーランド&シェリー)、スミスウールン、

そして、イタリアのマーチャントでは、ドラッパーズとユーロテックスです。



それと、これは内容とは関係ありませんが、

何故か、ロロ・ピアーナやE・ゼニア、ウッドハウスなど、

ミルからセレモニー用のコレクションが出てないんですよね。



特に、モーニングやディレクターズの時に着用するコールパンツ用の生地は

単純な柄のようで、無限にバリエーションがあるので、

4冊あれば、色々とセレクトの範囲も広がり、気に入って頂ける生地が見付かると思います。






ご希望の質感で、ご希望の色のシャツ地を見付ける事が出来なかったので、

「自分で染めてみますか?」、と提案させて頂きました。

僕自身、ずっと今までそうやって欲しい色を手に入れてきましたから、

そんな経験をTさんに話したところ、今回Tさんも試してみられる事になりました。(笑)

先に白無地の生地をお渡しし、Tさんが染色されている間に型紙の準備をし、

染色後、すぐに縫製にかかって出来上がってきました。

こんな方法も、オーダーならではの楽しみ?醍醐味?ですよね♪

今回は生地の段階で染めましたが、製品になった状態だと諸問題ありますので、

決して、良い子の皆さまは真似をしないで下さいね。(笑)




Oさんにご試着頂いた瞬間、ゲイな雰囲気が漂ってきました。

タイトで女性っぽいラインなのに、デフォルメされた大振りなディーテールが、

まさにハード&セクシーな、

何ともゲイっっぽさを漂わせています!(笑)

こんなシャツ着て、パリのマレ地区なんて歩いたら、大変な事になるだろうし、

ゲイ・プライド・パレードに参加したりした日にゃぁ、、(汗)



胸板に張り付くタイトフィットなシルエットに、この大きな襟!

更にそれを強調するかの如く、襟ハネを縦取りしているので、襟が凄く目立ちます。

台襟も縦取りしているので、余計に襟が大きく見えて、目立ちますね♪

話題とは無関係ですが、当然柄合わせをしています。

ちなみに前襟腰4cm、後襟腰5.5cmで、襟ハネはセミワイドの10cmです。





背中に張り付くこのタイトさ、、

ヌード寸法に対するウエスト周りのゆとり量は〝シングル〟です!(爆)





ミニマムタイトな後姿に、ビッグな襟!

ヨークの裁ちも逆にして柄合わせした方が、よりゲイぽかったでしょうか?(笑)





メトロセクシャルなファッションとは違って、

ゲイファッションの方が男性っぽさを感じるのは僕だけでしょうか、、

パリの街を歩いていてもお洒落だな!って思ったら、ゲイの方なんですよね~

もしかして、僕にもその気があったりして!?(大笑)




本来なら、シャツのカラーがイカれた時に取り替えるイメージが強いクレリックですが、

今では、デザイン的なものとして捉えられています。

身頃の生地の質感に合わせて、クレリック部分の生地を探すのも、

これまた、ひと苦労です。(苦笑)

今回は、少し透け感のある薄手の〝ローン〟と云う、サラッと爽やかで上質な綿素材です。

クールBizの影響で、ちょっと個性的なシャツを希望される方が増えています。




昼間の礼装に使われる、

正礼装のモーニングコートや、準礼装であるディレクターズスーツ。

画像は、その時に着用するコールパンツの生地です。







慶事にはストライプの巾の広い、明る目のものを選び、

弔事にはストライプの巾の狭い、ダークなものを選ぶ方がいいのですが、

僕が選ぶなら、最初の1本目は、ストライプの巾の広い、ダークな感じを選びます。

これなら、どちらにも使えますからね!(笑)



最近の結婚式でこそ、やっとブラックスーツにホワイトタイと云うギャングスタイルが減り、

光沢感のあるミッドナイトブルーや、ダークグレーをお仕立てされる方が

増えてきましたが、

結婚式で主賓をされる場合や、お客さまをお迎えする立場、

ある程度のポジションをお持ちの方には、

この正統派ディレクターズスーツを、ビシッと着て頂きたいものです。



間違っても、、

黒の上下は弔事専用で、西欧では慶事には認められません。


先日ご紹介させて頂いた、着物を裏地に使おうプロジェクトの続きです。
着物って1枚の布地に見えて、意外に細かく分かれている物なんですよね。
なので、これが思ったように裁断できないんです。(苦笑)

他にも色々な問題があって、
職人さんとの打ち合わせを進めながら、
並行してYさんとも、毎日メールのやり取りが続いています。
で、Yさんには仕立てあがった時に想定されるリスクをお伝えし、ご納得頂いた上で、
いよいよ実際に着物を解いて、型紙を差し込んでみる段階まで進みました。
ところが、ここでまた新たな問題が!
解いてみると、想像以上に生地が傷んでいます。
焼け、虫食い、糸目の拡張、生地の角っこの擦り減り具合など、
先ほどにも書きましたが、予想以上に、型紙を巧く差し込めませんから、
ちょっとした寸法不足が命取りになるので、糸を解くのも慎重にならざるを得ません。
↓ ほら、こんがり?焼けてるでしょ。 これじゃ使えません。
そんなこんなで、試行錯誤を繰り返しながら、想像力を豊かに働かせ?
幾らかのリスクを残しながらも、何とか入りそうです。

当初無理かな?と予想していたサイバラ(細腹)も、
実際にバラしてみると、着物って縫ってる所を解くと中でつながってたりして
これは案外イケるかも?てな事も。
Yさんの想いが凄く伝わってくるので、何とか素敵な結果を出したいです。
Yさん、期待しすぎずに?楽しみにしてて下さいね♪


まず始めに、「Kさん!ネタのご協力に感謝しまーす♪」

この生地、ロロ・ピアーナのセルジオ社長も大好きな玉虫色に輝く生地で、

何年も前に発表された生地ですが、今年になって待望のリバイバル?を果たしました!

今回はその生地を裏使いし、さらに艶っぽくしてみました。(笑)

画像では分かりませんが、シルエットもかなり色気が、、

裏使いに関しては、2006年3月30日のダイアリーをご参考下さい。



そんな生地に合わせた英国製の裏地も、織り込まれたペイズリーが

今にも動き出しそうなほど生き生きと、これでもかと言うほどビッカンビカン輝いてます♪

Kさん、裏地チラ見せ、ご協力ありがとうございます!(笑)







この生地、スティル画像ではなく、

ムービーならリアルにお伝えできるのですが、、残念です。







アップで取らせて頂きましたが、この画像で

この微妙なミクスチュア感が伝わればいいのですが、、



これは余談ですが、

こんなスーツばかりじゃなく、真面目なスーツの方が圧倒的に多いので、

誤解なきよう、宜しくお願い致します。(笑)

ちなみにKさんはいつもこんな感じのスーツです。(笑)

ついつい、ネタにはユニークなものばかり取り上げてしまいます♪

Kさん!ご協力ありがとうございました!