エスクァイアが編集を手掛け、
アメックスカードの会員向けに出版されている〝Departures〟と云う雑誌があります。
そこに、ナポリのコスタンティーノと云うサルト(テーラー)が紹介されていました。
有名な方なのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、
松山猛さんが、彼のポジション(仕事ぶり)をとても解りやすく体験記としてまとめられています。
コスタンティーノ氏は、彼自身が縫うのではなく、
腕のいいジャケット職人とパンツ職人とのコラボレートから服を生み出します。
採寸者が型紙を引いて裁断し、仮縫い、縫製、仕上げまで、
全ての工程を1人でこなすイメージの強いナポリのサルトリアですが、
コスタンティーノのような 『コンダクター』の存在は、
今のナポリスタイルを作り上げたと言われる、ルビナッチ&アットリーニという
最強コンビの再来を意識せざるを得ません。(←2005年2月3日ダイアリーをご参照下さい)
採寸した人間が最後まで縫い上げるのが理想形だと云う人もいますが、
でも、それならどうして、そこにルビナッチやコスタンティーノが存在する意味があるのか。
彼らが何故その理想形を上回るスタイルを実現できているか、を考えた時、
マッセアトゥーラの存在価値も、彼らと同じ処にあると思うし、
その価値を認めてもらえるような仕事をするために、
何をしなければならないかが明確に見えます。