Kさん所有の、イタリア人による一点もの、完全手工製のチェロ(オールド仕上げ)です。
手工チェロ全体の生産台数はとても少なく、絶対数が少ない上に、
それを選ぶとなると、大変難しい世界だそうです。
それにしても、この美しい造形は、もはや美術品の領域。
手製だと分かる微妙な造形は、量産品の物とは〝造形された線や面〟が違います。
手のほうが、より立体的というか造形的と言うか、線や面が生きています。
ミースファンデルローエの名言、まさに〝神は細部に宿る〟です。
洋服を構成する線や面も、手縫いと機械縫いでは違います。
購入に際しては、パッと見の印象と試奏、あとは感覚で決められたそうなんですが、
それにしてもクラウン1台が買える価格、凄い世界。
ヴァイオリンよりボディが大きいからか、深みのある低音があり、
意外に?高音まで出るんですね。やはり生音、こう、自分の周りに音が回り込んでくる感じ。
というか、包まれる感じっていう表現が良いのか。。
Kさんが仰るには、チェロは一物一価の生き物に感じるとか。
弾き手に馴染み、徐々に音が出てくるようになれば、
そのチェロの特徴を知った上で、チェロ本来の持つ音を引き出してあげるそうです。
僕が、「まるで夫婦のようですね!」って言うと、Kさんはニコニコ笑顔で、
「夫婦は、相手の特徴を知って良い部分を引き出せるようになってきたなって思っても、
人だから変わりますよ。」と、、確かに!(爆)
Kさん、今日の麻シャツも、その良さを引き出してあげて下さいね。
いつも色々と興味深い話題をありがとうございます!
色々なKさんのバックボーンが見えると、
洋服も創りやすいですから。
ちなみにこの弓も、フランスの『Georges TEPHO』という作者の手づくりだそうです。