昨夜から、バラバラにして『湯のし』しておいた芯材を
お客様の体に合わせて、お好みに合わせて、ハ刺しで組み合わせます。




若い頃、コムデギャルソンやヨージ(ヤマモト)の服を着てこられたSさんは、
散々お洋服を着てこられたなかで、歳をとるにつれて少しずつご自身の好きなスタイルが確立され、
ここ何年かは、ずっとオートクチュールをされてきたそうです。
その先生がご高齢で店を閉められたところで、
弊店にお越し下さいました。

たまたま直ぐにお目当ての生地が見付かってワンピースをオーダー下さいました。
Sさんお手持ちのアイテムが瞬時に頭の中でコーディネートされ、
コーディネートに欠けているワンピースだとか。
ウエストの切り替え位置、そこから裾にかけての広がり具合、
もちろん着用感もしっかりご確認頂きます。


切り替えから上のボリュームを少なくし、
それに合わせて、ウエストの切り替え部分も移動します。


お好みの襟刳りに調整。一切迷い無し。明確です。
中途半端に気に入らない物を手に入れるより、こうして時間はかかっても、
お気に入りの1着を手に入れる、、長く着るものだからこそ。


Sさん、必ず年内には仕上げます。
楽しみにしてて下さいね!


フライの最小サイズを着ておられたMさん。
マッセアトゥーラでオーダーして下さるようになって
お気に入りのご自身のベストサイズが決まってこられましたので、
今までのシャツのお直しを承りました。 ほぼバラバラ状態からの再構築です。

バストやウエストばかりか、袖を外した時に、上胸巾や後背巾も調整し、そこに袖が付くよう
袖も全て調整しています。フライのシャツの特徴ですが、ちょっと厄介なのが
後付袖の縫巾が、袖山2センチなのに脇下では1センチなところ。
ほぼ、理想の寸法に仕立て直しが出来ました!!
もちろんミシン目もオリジナル通り!
これ以外にもう1着。

他のシャツも、お気に入りの生地のものは、少しずつお持ち下さい。
縫い目を解くのにとても手間がかかるんです。。
切り落とせたら楽なんですけどね。


こうして見てみると、最近のオーダーは白シャツが減っています。
お客様の中には色柄物を着倒して、白に戻られた方も多いですが、それでも一般には色柄が多いですね。
あと、ドレスシャツだけじゃなく、カジュアルシャツのオーダーが増えてる事も要因です。
カジュアルなアイテムにまで、オーダーが浸透してきたんだと思います。
これは、業界にとっても喜ばしい事ですよね!
皆さん、ありがとうございます!




最高です!
ローマの生地マーチャントが、
北アイルランドのマギーに別注したドネガルツイード
上品なグレイッシュブルーですが、このスーツ、絶対に目立ちますよ。
だって、冬にこんな明るい色の洋服を着ている男性は少ないし、それもツイードで3ピース!


ツイードのスーツ、オーダーならでは。
プレタ(既製服)じゃ、まず見かける事はないですからね!
Yさん、これでミュンヘンの街を闊歩して下さいね!みんなビックリしますよ(笑。
紺のスエード靴、手に入れましたか! ジャケットだけ、ジャケット+ベストで、厚手のニットにパンツ、、
色々な組み合わせで使って頂ける、お洒落で便利な3ピース、最高!
Yさん、いつもありがとうございます!!




マイスターファクトリーのAさんにスカートスーツをお任せ下さったMさんの裁断風景です。
中山君と僕がサポートに入りますから全く問題はありません。


Aさん、完成形をイメージしながら心を込めて縫って下さいね。




丹念に作った手作りの毛芯を、今から身返しに据えます。
マイスターファクトリーのS君にオーダー下さった、Hさんのコートです。




夏物に引き続き、今シーズンはフラノでオーダー下さったNさん。
襟カーブの微妙なご希望で、夏物のジャケットに直接チャコを入れさせて頂きました。
この方が、より現実的に完成形が見えてきますから! もちろんチャコは完全に消せますので、ご安心下さい(笑。
仮縫は仮縫で見させて頂いたのですが、生地感による微調整だけでした。




素敵です。
近くで見るとチェックです。


3メートル離れると、柔らかな表情に。
5メートル以上離れると無地ですが、普通の無地には見えません。


今年のロッリサジェスチョンの中から、、
ロッリさん、素敵なご提案をありがとうございます。
そして、この生地をお選び下さったNさん、本当にありがとうございます。
ちなみに、、色使いはイタリアですが、織元は英国でシッカリ打ち込まれていますので、
これを極薄の毛芯で、柔らかく柔らかくお仕立てさせて頂きます。




ご希望は、
極上のホワイトカシミアで
クラシックなダブルチェスターコート。

生地の手配では紆余曲折ありましたが、ここまできました!


この生地は、英国のミルに直接手配したもので、
ウエイトもかなりヘヴィーで、表面にリップル加工が施されています。
真夏から手配を始め、やっとここまで! 何とか年内のお渡しに向けて頑張らせて頂きます!!
といってもここから先、頑張るのは僕ではなく、技術責任者中山君の領域です(笑。
それじゃ引き続き、中山君、宜しくお願いします。
Uさん、僕たちも楽しみです。


今回の極上ホワイトカシミアの生地手配についてエピソードを。

厚手のホワイトカシミア。
以前はもう少しあったと思うのですが、
こんな贅沢な生地、コートが売れない今の時代ですから、
なおさら白は売れないそうで、日を追うごとに焦燥感に駆られるように、、
軽い生地なら何点か見付けたのですが、500g以上は中々見付ける事が出来ません。
軽い生地でコートに仕立て上げると重厚感がなく、レディースっぽくなってクラシックな雰囲気は出ません。

結局のところ、
国内の商社手配では、
E・ゼニアとロロ・ピアーナから
3品番しか見付ける事が出来ませんでした。
しかし、どの品番もUさんのご希望を叶えるためには
一長一短あって、このまま見て頂くのも僕的には納得できません。

そこで!70歳を過ぎても、年に数回は英国に行かれる先輩(現役ラガーマン!)に相談してみました。
先輩なら、40年以上も毎年かかさず、
年に数回は英国に通っていらっしゃるので、何とか見付け出して下さるかなと、、
これで無理なら、世界中どこを探しても無理!でしょう。

それなら僕も納得して、Uさんに報告が出来ると思ったのです。
早速電話したら、今週末から英国に行かれるとか!
数日後・・
英国からメールと画像が届きました。いい感じです♪
さらに数日後・・
英国からカードサンプルが届きました。
納得のクオリティー、Uさんのご希望にピッタリです。


参考:
ホワイトカシミア生地は少し特殊で、
カシミアの中でも最上級の、最も高価な材料を使います。
カシミヤの原毛は通常、ホワイト、グレー、ライトブラウン、ブラウンに分類されます。
薄いパステル調の色に染めるにはホワイトカシミアを使うのですが、
今回の生地だと、少しでも混じり気があると駄目で、
最高の材料を選別して使う事になります。
価格もグンと跳ね上がります。



袖丈を短く、肩巾も調整した流れで、着心地チューンナップもさせて頂きました。
といってもこのお洋服はチューンナップせずとも極上の着用感、ラ・ヴェラ・サルトリア・ナポレターナです。
それも15年近く前の極上仕立てのヴェラの洋服!手を加えるこちらも興奮気味でした!!

胸板の厚いUさんが着用されると、厚みに縦方向のゆとりが取られて
フロントカットが拝んで(浮き気味)しまいます。
袖を外した際に肩傾斜を合わせ、縫い代の限界まで調整し、
フロントが優雅に逃げるように、それで足りない分はフロントのカーブを変えました。

着心地チューンナップもとい!元々の極上の着用感を損なわないように、袖を付け直させて頂きました!
Uさん、こんな大切なお洋服を、お任せ頂き、本当にありがとうございました。
たまたま着ていらしたシャツやタイにも偶然?ピッタリです。


こちらが、着て来られたEゼニアのスパンカシミアのジャケットです。
このジャケットも、1980年代後半のものなのですが、
僕より若干お若いUさんの着道楽に
途轍もなさを感じます。