これは4年目になる僕のアイリッシュリネンのジャケット。

今朝、水で丸洗したのですが、このままでも良い感じで着れそうですね。(笑) 

いやいや、このジャケットはドレスで着たいのでプレスします。

その代わり、ショート丈でもう1着作ろうかな?(笑)





けっこうハードに着て汚れていましたが、

ドライでは落ちない汗染み(水溶性の汚れ)なんかも、

きれいサッパリ落ちました。

慣れない方はプロに任せた方が安心です。






お客様からお預かりしたお洋服を解きました。
今まで、お預かりをしたイタリア製のお洋服の中でも、
1~2を競うほど泥臭い、人間の手の匂いがする洋服ですから、
事細かに、そのポイントを打合せながら補正内容の趣旨を摺り合わせます。
肩パッドやタレ綿、テープの貼り方など全てにわたって、
日本の考え方とは違うので、いくら日本の考え方で、「こうしよう!」
と言われても、そこを変えてしまうと『匂い』が失われてしまう部分は変えられません。
襟ミツが浮くので、肩&胸周りの補正で納まりきらないと思われる部分は、
ゴージラインのハシゴ掛け(ハシゴまつり)は解かずに、
上襟を首周りから外し、縫代が許す限り、
下襟とのバランスを考えながら、襟ミツの調整を試みます。
まるでエンジンのチューニングと同じですね。
エンジンをバラして組み直す事で、最大限のポテンシャルを引き出します。



ジョンGハーディーのしっかり打ち込まれた生地で、

お預かりした時は着用感も堅目だったのですが、すっかりゴム入りに変貌しました。

もともとマシン縫製でしたので、その風合いを損なわないよう、

着用感だけチューンナップさせて頂きました。

Aさん、いかがでしょうか?





僕も今日で41歳、、「41歳の春だからぁ~ 元祖天才~♪」

解る人には、、解りますよね。(爆)






今日はYさんの麻の3ピースの仮縫いでした。

左肩より、右肩が下がっていらっしゃるYさんですが、

見栄え(左右のバランス)を優先し、肩パッドで調整をするか、

着用感を優先して肩線の傾斜で調整をするか、バランスを考えます。

肩パッドを加えたり、肩線をいじってみたり、少しづつ方法を変えてゆきながら、

少し離れて客観的に見ると、ベストなバランスが見えてきます。



ジャケットはある程度、肩線が傾斜している方が艶っぽいと思うのですが、

やはりご本人の身長や体格、肩巾や首の長さなど、全体のバランスを考えないと。

この瞬間、僕のカンバスはお洋服を着られたお客様。って、ちょっと格好良過ぎますね。(爆)





上記のように、補正は当たり前のことで、

ベストの見え方や胸ポケットの配置、襟巾、ゴージの高さ、

ゴージラインのカーブのニュアンスなども、全体のバランスを確認する事が目的です。





パンツは、前股上と後股上の調整だけでお尻のラインが綺麗に納まり、

高い位置までスラッと脚が伸び、言う事なしでした。(笑)

いつものシルエットより、少しクラシックに。。








ナポリのHandMadeスーツのお直しのご依頼です。
東京のUさんは、ナポリMade、サヴィルロウMade、そして、
マッセMade(笑)、それぞれのテイストをTPOで使い分けておられます。

この前、スーツ上下1着の肩周りのフィッティングが、ほぼご希望通りになったと云う事で、
今回はこのナポリ製のスーツを、追加で3着お預かりしました。

実はもう1つ伏線がありまして、先月東京に伺った際に、
Uさんが、「来週、コスタンティーノに会うんです」と仰ったので、
僕も、「それなら、彼にも、このスーツを見てもらわれたらどうでしょうか?
色々なご意見を聞いた方が良いですよ。」とお伝えしていたところ、
コスタンティーノ氏と会われた(仮縫)直後、
Uさんからお電話を頂き、「コスタンティーノも同じ事を言ってました!」と、
ご連絡を頂き、今回の3着をお預かりするに至ったわけです。
Uさんは年に数回、ナポリ~ロンドンと周りながら、
常に注文、仮縫、そして納品を繰り返されている、何とも羨ましい方です。

出来れば、他のテーラーさんがプライドを込めて作られたスーツは、
僕が手を加えるべき事ではないと思うのですが、
皆さん諸事情おありになるようです。

確かに、フィッティングだけを見ると着辛そうですが、
それでも極上の着用感をもたらせてくれるのがナポリのジャケット、
驚くべき、『縫いのポテンシャル』です。
このジャケットがどこまで綺麗に納まるか、、
綺麗過ぎて味をなくしては本末転倒、破綻させるべき部分も必要です。


スーツを水洗いした後の、生地の
ハリやコシ、光沢の出し方を確かめたくって、
東京展示会のあと、ナチュラルクリーンさんに伺いました。
生地の表情は、最後の整理(フィニッシング)で決まるとも言われているほど。
水洗い後の仕上がりも、この工程がとっても大切なんですよねぇ~。

水洗いすると、生地は
フィニッシング前の状態に戻ります。
それを整理(フィニッシング)後の状態に戻すのが、
今回ナチュラルクリーンさんに伺った理由である、加工剤なのです。

摩周湖に霧が立ち込めるように、
この洋服には、三種類の加工剤を全体に噴霧していきます。
この加工剤の噴霧は中田代表曰く、名づけて「霧の摩周湖」だそうです。(笑)
ボディープレス中も摩周湖状態です。(笑)
ボディープレスの温風で、しっかり加工剤を定着させます。
加工剤のブレンドは、素材に合わせて変えて下さっています。
マッセアトゥーラから出す場合は、仕上げの風合いまで指示(お願い)しています。
その加工剤は、専門業者さんとの共同開発で、
必要なものがあれば、独自に開発してもらったりする事もあるそうです。
今回もありがとうございました。
いつ伺っても、本当に気持ちの良い会社です。
『心まで』洗われたような、清清しい気持ちにさせて下さいます。


Oさんがイタリア旅行で、ロロピアーナのジャケットを買ってこられました。

ほとんど芯もなく、カーディガン感覚のジャケットですので、

シルエットも、最初はユッタリしていました。

それを比較的タイトフィットに、、



そんな、ご希望を叶えるべく、

今回のお修理における変更点について、

肩巾・バスト・袖丈・ウエスト&ヒップ周りを絞って、

それに加えて、少し薄目のパットを加えて前肩に調整し直しました。

それでなくても軽いジャケットですが、別物に思える程、劇的な変化を遂げています。



ふにゃふにゃなのに、

タイトになった分、少し皺が出ますが、

全体のイメージを優先すれば、気にならないレベルです。





今回の袖丈は、肩先で削っています。

着心地チューンナップに続いて、シルエットチューンナップ!(笑)






お修理を依頼している工房の代表Kさん。
そのKさんのジャケット修理のための補正が仕上りました。

補正前と比べて、劇的に着用感が改善したそうです。


確かに以前と比べてみると、見た目だけは綺麗に納まっています。

また、補正前には負担がかかって波打ってた肩線も、こんなに綺麗になりました。





しかしまだ突き皺が出ています!

基本的な補正が足りないようで、再度調整をさせて頂く事にしました(汗。

突き取りで片付けてしまうには、まだ早急ですからね~。





Kさん、ごめんなさい、でも、、楽しみにしてて下さいね~♪

仰るように、Kさんは寸法的には標準でも、立体的に見ると個性的です。

その個性を受け入れた上で、納めてみましょう。






肩凝りしませんか?と伺うと「結構ひどくて、月に何度か針に通っています。」との事。

お修理を依頼している工房の代表、Kさんとのやりとりです。





そんな経緯から、Kさんご自身のお直しをすることになりました(笑。

お直しというより『着心地チューンナップ』です!




見た目では、何となく「おかしいな」と思っておられたKさんですが、

その着用感までは、気付いておられなかったようです。



洋服の着用感って、見た目で分からないレベルでも、

着比べると、ほぼ皆さん気付かれます。
肩周りに細工を加えてやる事で、かなり変わります(軽くなる)。



日本車の乗り味しかしらないと、

その中で、レベルを比較をするだけになりますが、

欧州車の乗り味を知ると、乗り味に対する感覚が〝別次元〟になります。

同じく、化学調味料の味しか知らない人が天然の旨味を知ると、

味覚に対する土俵が〝別次元〟に生まれ変わります。



もちろん好き嫌いはありますが、両者を知って好みを語るのと、

片方だけしか知らずして、好みを語るのとでは、両者に大きな違いがあると思います。



それはユーザーが知らないだけではなく、

僕たちプロ側が伝えきれていない部分でもあるんですよね(汗。



Kさんから頂いた「もっと皆さんに知って欲しいですね♪」というお言葉は、

とてもありがたい!というか、とても心強くなりました。

だってKさんは今まで「こんなことして意味あるの?」って言われてましたから(汗。

今回のお修理は、いつも
要望に応えて頂いているKさんご自身が
着心地チューンナップを体験されることで、今後の更なる技術力アップに
つなげていこう!という目論見もあるので、なお更です。
Kさん、楽しみにしていて下さいね!!






今日はナチュラルクリーンの中田代表がお越し下さいました。

色々な話題の中で、先日のダイアリーに補足?訂正すべき点がある事に気付きました。



> 今までだと、キューティクルが痛んで縮みが起きやすかったからだそうですが、

> より水が進化したことでネットに入れなくても、

> ポケットなどに躾をかける程度で、そのまま洗えるようになったとか。



については、生地の型崩れや縮みに対して言えることであって、

縫製に対してですと、イタリア製の、縫いの甘い高級手縫いスーツなんかは、

あちこち糸が解けまくって大変な事になるので、今でもネットで固定して洗っているそうです。



今日も洋服のケア(クリーニング)のこと、

仕事への取り組み方や姿勢の話など、多岐にわたるお話、

楽しく過ごさせて頂くことができました、いつもありがとうございます!!