英国靴のクラシックとモダン(モード)。

上の靴はパリで見つけたチャーチの73ラストのBuckです。

鹿の革を使った、正真正銘の 『バック』 スキンです。

20年前に買った(覚えてる笑)、全く同じ靴を持っていますが、

もう1足買ってしまいました。

このボテッとしたドン臭くて男臭い?シルエットが好きなんですよね♪







下の靴は同じ英国製ですが、フランスのクロケット&ジョーンズにいる

唯一人のビスポーク職人・ゴメス氏が

ある顧客の要望によって仕立てた靴のラスト(木型)をベースにして、

英国の C&Jが量産用に新しく開発した 337ラストを使って、

ジェント京都が別注した紺色の靴です。

236や317といったクラシックなラストに比べるとロングノーズで

スタイリッシュな印象を受けます。

ちなみにクロケットのビスポークはパリだけで本国英国では受け付けていません。







ただ、パリC&Jの店員さんも言ってましたが、

頑なに クラシックを選ばれる方も多いけれど、

彼はその時に着る服に、そしてTPO(死語?)に応じて履き分けているそうです。

僕も、Church’s に関しては 履きなれた73ラストにこだわってしまいますからね。



伝統とモーダ。

同じ英国靴でも、フランス人が意識すると、

これだけスタイルが変わるんですね。

今日は開店前に、高橋さんのシャツの採寸をさせて頂きました。

昨年の秋に、一緒に酔っ払った帰りに店に寄って下さった高橋さんが選ばれた、

英国トーマスメイソン社のヴィンテージ生地で仕立てます。

笑顔を浮かべながらも、着手と創り手の真剣勝負。





今日は大阪府立体育館で、WBCの世界フライ級タイトルマッチが開かれるのですが、

その時に同時開催されるエディー・タウンゼントさんのメッセージ集、

『オーケー!ボーイ』 の出版記念で ご来阪。

その写真は全て高橋さんの作品が使われています。

長いお付き合いから生まれた信頼関係があるからこそ可能だった

エディーさんの『人間』 が写されています。

それって、お客様とテーラーの付き合いにも共通しますね。



「エディーさんのハートのある言葉は、きっと今の若者に伝わるハズ」と、

高橋さん、赤井英和さん、井岡弘樹さん、ガッツ石松さんのMessageが綴られています。





本ばかりかお昼ごはんまで、、ご馳走様でした!






最近は出張報告ばかりで日々のダイアリーが更新できずに

ストレス気味かも(笑)。



このコートのシルエットを見て頂けなくて残念です。

流れるラインが綺麗過ぎます。

細部に捉われるより シルエット。

シルエットなくしてディーテールは意味なし。

マッセアトゥーラの基本ポリシーですが、

それを正しく具現化したコートです(大層? しつこいって!)。

僕が言葉にするより画像を見て下さい♪



シルエットに反して襟巾が広く、結構挑戦的な迫力が感じられます。

ちなみに着丈が130cmと ウルトラロングで、

僕の身長では引きずりまくりです(苦笑)。

でもアンゴラビーバー素材で軽い♪




街歩きの楽しみの1つに、ウインドウディスプレイがあります。

ミラノのドゥウオモから歩いて直ぐ、激しく目に飛び込んでくるお店があります。

英国調に染められた迫力のあるディスプレイは、何度見ても飽きません。

中に入ると、イタリアにいる事を忘れてしまうほどです。



イタリア人は英国に対する情景が深いと言いますが、

確かにセレクトショップでは、バーバリーを置いている所が多かったり、

靴でも、チャーチなんかの英国製が目に付きます。

チャーチがプラダに買収される、ずっとずっと前からみたいです。





次はパリのヴァンドーム広場から近いシャルベのディスプレイです。

ウインドウ毎にテーマカラーがあるのですが、これはパープルで統一されたウインドウ。

内装は、元バンクオブアメリカの建物を改装して使っているそうで、

外観は当時と同じまま使われているそうです。

というかヨーロッパ自体、街の外観を保つために規制がかかっているので、

変える事が出来ないんですよね。 とても共感できます。





ウインドウを男性が覗き込む姿を、イタリアではあちこちで見かけます。

この風景、若い人よりも 年配層に多いように思います。こんな風景は日本じゃ見ないですね。

写真はナポリのルイジボレッリです。








パリ観光の時の中心地となるオペラ座から、メトロ4号線の終着、

クリニャンクールの蚤の市で見付けた1930年代~’70年代のファッション雑誌です。

すごく高かったのですが、向学の為にと奮発しました(笑)。

こんなの日本だと、中々手に入らないですから、、





アダムはフランスの一般向け男性ファッション誌。

その他にも、テーラー等技術者向けの専門誌も見つけました。

それら書中で、クラシコのディーテールも普通に登場しているのですが、

それは取り立てて言うべき事でもなくて、クラシックのベースは不変って事なんですよね。



また後日のダイアリーでもお伝えしますが、

年代毎にそれぞれ特徴がありますから、見ていて非常に面白いです。

60年代に見られた巾の狭い襟が、70年代には広いラペルへと変化してゆきます。

それって、最近のモードの傾向に非常に似ていますね。





昔から 「ファッションは繰り返す」と言われますが、それがまさに見て取れます。

ただ最近では、そのサイクルがスピードアップしていますから、

現在と過去の流行が混在する傾向にあり、最後は自分の好みという事になると思います。



いつもの繰り返しになりますが、

流行を意識しつつも、流されずに自分のスタイルを確立してゆく。

確立できたなって思えるのが80歳を過ぎてからでも、、いいんじゃないでしょうか!(笑)





『クリニャンクールの蚤の市』 は、1日ブラついても飽きないワンダーランドでした。






ミラノ中央駅から国際列車で1時間強で

スイスのルガーノという の周りに発展した小さな町に着きます。

駅構内からケーブルカーが出ており5分で市街地に出ます。

スイスらしくチーズを売る屋台があったり、スイスの山々が見えたりと

プチスイス気分♪

また市街地には時計店が並び、中でもアンティークを専門にするお店

興味のある人は必見と、デイトリップにはお勧めの町です。







その町でスイス製 「riri」 のファスナを仕入れてきました。

本来の「riri」の特徴は独特のメタリックな輝きがあり、

そのシャリシャリとした使い心地なのですが、

今回の物はスーツに相応しいタイプで

生地に合わせてカラーリングされています。

裏は独特のメタリッキーな輝きを放っています。

もちろん「riri」特有のスライダーの引き手を下げると

ロックがかかって下がらない機能もあります。

といっても機能的には日本が世界に誇るYKKが最高だと思いますが、

そんなモンは気分気分♪

価格的にもYKKの5倍くらいはするけど、

YKKには無い味がありますよね。







あと今回のピッティでも目立った ジャケットスタイルですが、

着ている内に 肘が薄くなってきたジャケットには、

ツイードやコーデュロイなんかだとエルボーパッチ(肘当て)を付けて、

更にガンガン着ましょう♪

日本では 棄ててしまいそうですが、洋服を大切にするヨーロッパでは

当然のように普通に店頭に並んでいます。

マッセアトゥーラでも 薄くなってきた方にはコレで修理させて頂きます♪




京都の新門前通りという骨董街にルネ・ラッリックの専門店

ギャルリー・オルフェ」があります。

オーナーの鈴木さんから 展覧会の招待券を5枚頂きましたので、

ご興味のある方に先着4名様限定でプレゼントします。

もちろん僕も行きます♪

場所は京都駅ビル内の美術館「えき」で 2月19日~3月28日。

なかなか出会えない 200点もの作品が鈴木さんの手配でなされますので

是非この機会に。

鈴木さんには今回パリでも色々とお世話になりました。

いつも色々とありがとうございます。




マリネッラのタイは、見た目は普通のタイですが、世界中にVIPな顧客を持ちます。
素材は、イタリアと云えば真っ先に思い浮かべられるコモ産ではなく、
主に、英国のデイヴィッド・エバンスから供給を受けています。
それを、ナポリのサンタルチア港のすぐそばの自社工房で縫い上げ、
すぐ隣にある間口3mほどの店舗で販売されます。(小さくても重厚な店作りですが、、)

工房には、目が細かく打ち込みのしっかりした
デイヴィッド・エバンスの生地が山のように積み上げられています。
そこで出来上がったネクタイは、何と言っても生地と芯地のバランスが良く、
持つ者だけが味わえる、最高の締め心地を提供してくれます。
柄に関しても、1つの柄からは4本しか取れないそうで、
「同じタイを締めた人を目にする事はない。」
と言われている事も魅力の1つです。
見た目は普通のタイですが、絞めると、とても上質な表情になります。
そんな、「自分自身にしか分からない〝良質なもの〟を身に付ける。」という哲学。
マリネッラのタイは、そんな人たちの思いを叶えるネクタイ。

ナポレターノは、マリネッラのネクタイだけは、
たとえ擦り切れても、棄てないで大切に持っておくと聞きます。
イタリアのオヤジが格好いいのは
彼らが〝老いる〟のではなく〝成熟〟するからだと思います。
毎年流行を追う事も、1つのスタイルですが、自分のスタイル(=美意識)を、
何年もかかって積み重ねる事の方が僕は好きです。
その上で流行も分かっている、なんて最高。
流行を嫌う事も、流行を分かった人が言うと格好いいですが、
それだけでは偏っている、逃げじゃないかな?と、僕は思うのですが、、

イタリアに行くと、そんなオヤジにこそ、、もっと言うと、
老人にこそ、美しさや色っぽさを感じる理由はそんな所にあるのではないでしょうか。

マリネッラのネクタイ、
20本ちょっとだけ厳選して仕入れましたので、ご興味のある方は是非。
ナポリに行くと、少しずつですが買い付けてきますね
出来ることなら、毎年買い続けられれば、、



帰ってきました!長らくごめんなさい。

イタリア気分を盛り上げようと 往きの飛行機からグラッパを飲みまくり、

気合を入れて行ってきました(笑)。







早速ですが毎回思うことがあります。

オッサンがお洒落なんです。若い人より断然お洒落!

今回もそんなオッサンにいっぱい出会いました。

日本でも巷では「もてるオヤジ」で盛り上がってますよね。

日本のオッサンもお洒落になりましょう♪

お金をかけなくてもお洒落は意識から、ですから。







ナポリの キアイア通り外れで出会ったオッサン。

靴とカシミアのコートの色、それに ネクタイとマフラー、

その色使いは絶妙でした。

写真を撮らせてもらった後、セネガルから来たという 隣の若い男性が

ジェンベを叩いてくれ、オッサン踊り出して皆で盛り上がりました。

ご機嫌ナポレターノでした♪







フィレンツエのカフェで見かけたオッサン。

赤の使い方が巧いですね。

時計のダイアル(文字盤)まで赤です。

「オジさんお洒落やね~」と云うと、喜んで撮らせてくれました。

センスは 多少コッテリ系ですが、マフラーの巻き方まで

「おっしゃれ~」です。

このオッサンのハッキリした分かり易いセンスは結構僕の好みです。







ナポリで「綺麗なビンテージやなぁ」と勝手に写真を撮ってたら

「俺のバイクに何か?」と云って寄ってきたオッサン。

ビッカビカのベスパRally。

「俺も前に乗ってたんだよ」と話すと わざわざ乗ってくれたオッサン。

やっぱり目だって何ボなんでしょう、この国は。

それにしてもこのオッサン、ベルスタッフのジャケットに、

いい感じのジーンズ履いていい味出してましたね。

サングラスはペルソールでした。



当分の間、ダイアリーでは今回仕入れてきたネタを続けさせて頂きますね。

明日7日~20日まで フィレンツェでの製品展及び

ナポリ、ミラノと出張に出ます。

そのあいだ店舗はお休みを頂きます。 長らく申し訳ありません。



そのレポートは帰国後に、このコーナーでお伝えできればと考えています。

出来ればライヴでお伝えしたいのですが、

ゴム底のサイドゴアで毎日10キロ歩く為、

PCは持って行きません(苦笑)。







21日~、平常通り営業を再開させて頂きます。