もう随分と前の事になりますが、僕は2008年2月、
ロンドンから北へ200キロほど北部の町ファースリー(リーズ近郊)に本社を構える
エドウィンウッドハウス(EdwinWoodhouse)を訪れる機会を頂きました。
Eウッドハウスは1857年にハダスフィールドで創業し、僕が訪問する前年に創業150周年を迎えています。
ロンドンからインターシティーで、駅まで営業企画部長のジョナサン氏が迎えにきて下さいました。
レセプションルームには記録的な写真や資料が置かれています。
レセプションルームと云うより、さながらアーカイブ(保存資料)ルームですね。
これから発表される生地サンプルです。
1910年代、バーバリーに供給された生地のアーカイヴです。
1897年のアーカイヴです。
他にもアーカイヴがシーズンごと(基本シーズン毎に年2冊)にまとめられています。
以前に訪問したホーランドシェリーと同様、
Eウッドハウスでも、自社でバンチサンプルを作成されていました。
サンプルにラベルを貼る地道な作業ですが、こうして、
バンチ(生地見本帳)も、多くの人の手で完成され、世界に向けて送り届けられます。
自社で織った生地をクオリティー別にストックし、
世界各国からの注文に応じてカットし、即日送り出されます。
ミル(生地を織る)とマーチャント(仕入れて切り売りする)に分かれますが、
Eウッドハウスは、両方の機能を有する稀な存在だと思います。少なくとも僕はほとんど知りません。
過去にドロップした生地も、こうして少しずつストックされています。
6プライはウッドハウスで織っていました。
マッセアトゥーラにも、Eウッドハウスの耳が付いた6プライが少しだけあります。
スポルティーヴォ、、ドーメルで云うスポーテックスの意味合い。
機場に入って行きます!
今まで見せてもらってきた中でも、かなり大きな規模の工場だと思います。
低速織機ではありませんが、ほとんどがレピア織機でした。
バタバタで詳しく聞けませんでした(汗。
経糸(タテ糸)を変えて、、
マス見本(サンプル)を織っています。
エンドレスペーパー(紋紙)で生地の柄が表現されます。オルゴールを想像しませんか!
近代的なエアジェット織機だと、
柄出しなんかも、全てコンピューター化されています。
凄い量のエンドレスペーパー(紋紙)です。
こんな棚が幾つもありました。
原毛です。
以前は製糸部門も擁していたのか、、聞き逃しました。
何に使うのか、、この分量だけ無造作に置かれていたのですが、もしかしてオブジェ?(笑
緯糸(ヨコ糸)を打ち込む時、
持ち上がったタテ糸と、持ち上がらなかったタテ糸の間にヨコ糸が通って筬を打ちます。
*筬(オサ):経糸を整え緯糸を入れた後、目を詰めるために使う道具。
ヨコ糸→筬打ち、この繰り返しで柄が織り上がります。
*この内容は以前に書いていますので、そちらをご覧下さい⇒2010年3月25日
レセプションルームから見た工場の屋根を見ても、その規模が想像できると思います。
貴重な機会を戴いた皆さまに感謝いたします。
本当にありがとうございました。