最近、遊んでいるので、ブログもあまり更新できていません。(汗)

月曜日(店舗休日)、秋冬物に入れ替えましたので、

今日はコート地をご紹介させて頂きます。



★ピアチェンツァのベイビーキャメル100%

毛足も長く、ウエイト560gの織り上がりはボリューム感満点です。

表面の起毛は、いまだにアザミの実を使っているそうで、ふんわりした表情をしています。

こんな生地で、ポロコートなんて、、いかがでしょうか♪





★モクソンのカルゼです。

経糸にブラウンの杢糸、緯糸に黒の単糸を使い、

畝のハッキリした急な綾織りで、表情も豊かに織り上がっています。

表情の割りにライトウェイトなので、1枚仕立てなんかも良い感じに仕立てあがりそうです。





★スコフィールド&スミスのヘリンボーンです。

経糸に黒糸の双糸、緯糸にチョコレートブラウンの双糸を使って、

かなり重量級に織り上げられています。ウーステッドですが、野趣味あふれています。

こんな生地で、敢えて上襟にベルベットを張ったりして、

チェスターフィールドなんていかがでしょう?





★雲上ウールエキスポのブラックカシミア(カシミア100%ウエイト560g)

流石です。物凄い光沢感です。インネスチャンバースのカーンカシミアには及びませんが、

それでも、かなりの高級品であることに変わりはありません。

直球勝負なら、迷わずチェスターでしょうか?

僕なら、ピーコートかな?(笑)





★スコフィールド&スミスのダイアゴナルです。

経緯双糸のヘヴィーウエイトな生地ですが、軽~く軽く、お仕立て致します。





★マーティンソンのウルトラヘヴィーウェイトなベネッシャン織りです。

表面起毛もいい感じで、おまけにウォータープルーフ!

さらにダブルフェイス!と、玉手箱!(笑)

どう料理致しましょうか!?





これらの生地は現物の一部ですが、

他にも、手織のハリスツイードやドネガルツイード、

シェットランドツイードや、イタリアンツイード、カセンティーノまで、

800種類以上のコート地を取り揃えております!(久々の宣伝です!笑)






何から何まで手をかけた手縫ジャケット
選んだ生地は、今では生産されていない英国産6プライ。
これから着込むにつれ、どんな表情に変わってゆくのか密かな楽しみです。

イタリアで縫ってもらうので、完成までに時間はかかりますが、
そんな時間は、これからの付き合いを考えると、むしろ楽しみに変わります。
6プライの織りの現場は、以前の出張で訪れていますので、
後日改めて、ご紹介させて頂きます!



お客様の採寸を済ませ、午後は、

播州織の産地、兵庫県の西脇市に向かいました。



最初に玉木ちゃんのアンテナショップ、『tamakiniime』にお邪魔し、

彼女が企画してアレンジワインダーで織られた播州織の生地でパンツをオーダーしました。





続いて今回の訪問先である大城戸さんの機屋さん『大城戸織布』に。

ジャガードの機械室に潜入させてもらいました。





めちゃくちゃ熱心に、詳しいご説明をして下さるので解りやすい!





パンチカード(紋紙)です。

これによって生地にデザイン(ジャガード)が織り込まれます。





こちらが新しい、コンピューター制御のジャガードの機械です。

画像に全部が収まりきらなかったのですが、

3.3トンもあるそうです。





訳、解りません。(汗)





大城戸さんは、今までの播州織りにはない

様々な織物に挑戦されています。



もちろん機械だって、修理屋さんに頼まず自分で直されます。

お父さんから「機械が直せないと、織屋のスタート地点にも立てん!」と云われたそうです。





機械も、自分の使いやすいように改造されます。(笑)

これは、簡単に言うと耳を付ける機械(タックインマシーン)





イタリアの機械も、耐久性が上がるように、

強化プラスティックを使って、ギアを別注されたり、、





大学を出て10年間、鬼の営業と云われる、とある繊維商社で働かれ、

その後ご実家に入られ12年目。。少年のように熱い人。

写真は、その後駆けつけてくれた玉木ちゃん。

ホント2人とも、、熱い人です。





織物の技術的な違いばかりか、

織機の違いなど、深イイ話が聞けただけに、

ある意味、僕が今まで蓄えた毛織物の知識がまとまりつつ、、

長時間に渡って(14:30~20:00!)、有意義な時間でした。本当に感謝です。





最後に、大城戸さんの心から発せられてりる言葉が印象的でした。

常々僕も考えている事で、シンクロする部分が多い方です。



「リスクを避けることが成功への大きなリスクに成っている事に、

    世の中は、いまだに多くの人が気付いていない、、」



「それでは失敗は無いが、進歩も無い。」



「その結果、、業界は進歩どころか後退してしまっている。」



だからこそ、行動なんですよね。。






ヴィンテージ好きのTさんが、30歳の記念にと選ばれた生地です。

この目付(weight)で経緯双糸の綾織は珍しいです。

今までのビスポクチュールから、今回は

ナポリクチュールでご注文です。








今年の年初に適わなかったアイルランドのスペンスブライソンですが、
ここのアイリッシュリネンは、皆さん知らず知らずのうちに、
マーチャントのコレクションで目にされているハズ。
しかし、ほとんどがマーチャント物なので、
直接目にする事は少ないでしょう。

そのスペンスブライソン社のリネンを、マーチャント物としてではなく、
オリジナルのコレクションで見ていただく事ができます。
ご興味のある方は、是非ご連絡下さい。

コレクションは、盛夏用のライトウエイトなものから、
あいものとして、早春や秋にかけて着て頂けるヘヴィーウエイトなものまで、
無地のウエイト(目付)違いや織り違いをはじめ、他にも色々な色柄が揃っています。

これは、経糸と緯糸の色を変えたシャンブレー調の生地です。
こんな感じで、ストライプも展開されています。
今回は、シャツ地もご準備させて頂きます。
こんなオルタネートストライプも展開されています。
今度こそ!と、2009年の春にスペンスブライソン行きを予定していたのですが、
生産拠点が、、アイルランドじゃなくなるかも、、という噂があります。
というか、既にチェコに移り、更にチェコから中国って噂まで。
シェットランドツイードやハリスツイードを始めとした、
地域性の強い生地は、存続の危機ですね。
何とかならないのか、残念です。


キャノニコのリヴェンジ(130’S)は、

経糸・緯糸、共に104番手の双糸で織り上げられていますので、

柔らかく滑らかなイタリア生地の特徴に加え、ハリとコシも兼ね備えた個性的な生地です。





この生地をお選び下さったTさんは、

加えて、この生地の上品な光沢感も気に入られたようです。

ラベンダーのストライプが、その上品な雰囲気を一層引き立ててくれていますね。

(※マリネッラのネクタイと、ラベンダーのシャツは、僕の私物です。)





Tさんは、このスーツと一緒に、キャノニコがOEMを受ける、

E・Zegnaのインナーモンゴリアンカシミア(内蒙古)のジャケットもご注文下さいました。

Tさん、いつもありがとうございます!






今シーズンは、新しく届いたジャケット地のサンプル帳以外にも、

たくさん現物の生地を仕入れているのに、全くご紹介が出来ていませんでした。

横浜のOさんからのご依頼で、画像を送るために先ほど撮影したので、ご紹介させて頂きます。

画像以外にも楽しい生地が、たくさんあります。





好き嫌いの分かれる柄に、どうしても惹かれ、、

在庫を覚悟で?仕入れてしまう、マニアックな生地好きテーラー。(悩)

嫁ぎ先が決まらなければ自分で着る決心なので、自分の好きな柄ばかり選んでしまいます。(汗)





そんな中、例外的な生地もあります。(笑)

左側のEゼニアのカシミアのジャケット地(内蒙古産のBEST)、

格安で入荷したせいか、既に6着のご注文を頂き、お陰さまで最後の1着となりました。








今朝、ヴィンテージの生地を仕入れてきました。

イタリア製の1着を除いて、どれも’60~70年代までの英国製。

気に入った生地が見付からない時も多いのですが、今日は豊作の8着です!(笑)



Moxon/モクソンのNavyBlue変わり織り

Learoyd/リーロイドのアズキ色の変わり織り

Peppar Lee/ペッパー リーのダブルクロス無地濃茶

Dormeuil/ドーメルのダブルクロス濃茶ストライプ(RibTex)

Fintex/フィンテックスのNavyのドブクロス変わり織り(遠目に無地)

Scabal/スキャバルのインクブルーの紡毛フランネル極太広巾のストライプ

Taylor&Lodge/テーラー&ロッジのシルクカシミア混紡のNavyBlue変わり織り

Cerruti1881/チェルティ1881のグレージュのピンヘッドベースに極太広巾オレンジストライプ





前以て、ご希望を聞いていた生地もあったので、

既に2着の嫁ぎ先が決まりました。






【MINOVA】 ミノバ

この生地は英国LEEDS(ヨークシャ地方)にあるミル(機屋)、ミノバのものです。

日本の御幸毛織が昭和54年に現地法人として設立した会社です。





そのMINOVA(ミノバ)で、またまた、

BB君がクラシックな生地を復刻させてくれました。

ウエイトは370~390g/mと肉厚ですが、他の52/2の生地と違って、

昔ながらの風合いが出るよう、織機を調整して、柔らかくしなやかに織られています。

着続けてゆくほどに奥深い表情になりそうな男性的な生地。



以下にBB君のコメントを載せておきます。

1960年~1970年の20世紀の終盤に差し掛かる頃までは、

2/52番手の糸は、服地の高級な糸の代名詞とされ、

英国サヴィル・ローの歴史あるテーラーの間では、仕立て栄えがし、

体に馴染みやすい最適な素材〝SAVILE ROW yarn count〟として使われていました。



イタリアのサルトの中でも、英国の生地が脚光を浴びており、

今までの軽い柔らかい素材から、しっかりとした重厚な素材への流れがきています。

時代は流れてゆく…〝伝統〟は流されない-trend&traditional-
ベーシックな色柄をベースに、トレンドを取り入れて、16色展開でお届けいたします。



これは体験談ですが、イタリアのサルトでは、かなりの確立で英国製の生地が出てきます。

彼ら特有の柔らかな仕立てに英国製の生地を使うと、僕の好きな雰囲気です。

こういう生地こそ、ハンドクチュールでのお仕立がお勧めです。

もちろん着用感が少々落ちても、シャープなラインで
スーツを着たい方はビスポークチュールで。



この生地を見られた方は、少なからず目を奪われるようです。
ただ現実的には、これを選ぶ事が出来る方は贅沢なんだろうなと思います。
注文主のN女史もその一人で、ご自身へのご褒美(カンフル剤!)として選ばれたようです。
※ボタンは、僕がナポリで仕入れてきた5mm厚の貝ボタンをお選び下さいました。


この生地は、スコフィールド&スミス社の物で、
モヘア&120’Sウールに、リネンとシルクが45%も織り込まれ、
光沢感のある、何とも奥深い表情をしているのに、軽やかな雰囲気が際立っています。

このような〝サマーツイード〟と呼ばれる生地は、
異素材を数多くブレンドし、上品ながらも野趣味溢れる雰囲気があります。

田中千代服飾事典によれば、「ツイードとは獣毛、主に羊毛のうち短繊維のみを用いて、
毛糸を製する工程、あるいはその織物をいう」と記されています。

もし仮に、無理やりですが(笑、、
短繊維をTweed(ツイード)の定義とすれば、
麻やシルク(繭くず/短繊維)、(アンゴラ)モヘアなどは
繊維長が短く、そう云った意味では、まさに〝ツイード〟と呼ぶに相応しいです!

これらの素材は、通気性や吸汗性にも優れているので、
まさに〝サマー〟ツイード、夏の高級素材の1つに違いありませんね。