お客さまのイメージをカタチにする。
出来るところと出来ないところを正直に伝える。
そしてイメージにズレが起きないように、質問攻めにします(笑。
場合によっては仮縫でイメージの再確認をして頂きます。

Aさんのイメージをビジュアルでお伝え頂きました。
マイケルタピア、ブリオーニ、ベルベスト、ボリオリ、、などなど。
全く異なる印象のブランドですが、どの画像にも共通するポイントをピックアップ。
その中から共通項の多い2枚の画像を選んで打ち合わせ!
1枚目の画像は『ベルベスト』です。


これらの画像から受けるイメージを、Aさんに言葉にして頂くと、
◎Vゾーンが適度な深さの2つボタン
◎不変的なデザイン(長年着ることができる)
◎ラペルの返りはフックラ、そしてふんわりしている
◎全てとは言いませんが、大体の人が見ても細過ぎず太過ぎず
ということで完成したのがこちらです。構築的ですが袖山は丸くナチュラルに。
全体のバランスを考えながら、フロントのカーブやディティールを、できるだけイメージに近づけました。
オーダーですから更に、それらを「Aさんに似合うように」調整しなくてはなりません(汗。


2枚目は『ボリオリ』のスーツ。構築的な雰囲気は多分HAMPTONでしょう。
頂いた画像が少しずつ違うので、全体から感じ取れる統一したイメージを汲み取ります。
それらを僕の言葉にしてAさんに投げかけ確認し、お互いのイメージをチューニングしていく作業をします。


良い物が出来れば幾らでも!じゃなく、
ご予算は、10~15万、出来れば13万台ということで
探してご提案させて頂いたものが、135,000円と155,000円でした。
135,000円の方はイタリア製の光沢のある綾織の生地で、オールシーズンタイプ。
155,000円の方は昔ながらの日本の黒で、低速織機で織った奥ゆかしい底艶のあるマットブラック。
結局Aさんがお選びになられたのは、155,000円の『日本の黒』です。(最近になって、僕も同じ生地を着ています)
*税別表示


こういうやり取りをしながら、終わった頃にいつも気付く事があります。
それは、ご希望されるスーツとご本人から受ける印象がピッタリ合っているってことです。
これは、僕が今まで15年、この仕事を通じて確信を持ったこと。
洋服作りにご協力頂きありがとうございました。
Aさん、長くご愛用頂けますように!


スタイリストHさんのご紹介で、
もう4年目のお付き合いを頂いているYさんは、
ストレッチポールの開発者で、保健体育の教諭をされていた16年間に
陸上部の部活動の指導で、通知表「体育1」の生徒を陸上日本一に育てた経験を持っておられます。
ストレッチポールを開発され独立、その後に創設された認定団体は日本有数の会員数を誇る財団法人になっています。

そんなYさんは、今回はタキシードではなく、
フォーマルスタイルをご希望され完成したジャケットです。
パンツとベストをミディアムグレーにして、シックにまとめたコーディネートです。
講演会のあとのパーティーでは、ベストを脱いで、ウイングカラーシャツにボウタイを合わされます。
僕が写り込んでしまいました汗。以前に写り込んだ時は小指が立ってましたが笑、今日は大丈夫なので許して下さいっ!

ジャ~ン!ストレッチポール謹製です(笑。
レジスターマークの『®』が小さくなり過ぎて入りませんでした涙。

Yさん、これからも、心と体の幸せを広げていって下さいね。
講演会でのご着用シーン、お写真を見せて頂けること楽しみにしております!



正統派のフォーマル生地も、この通り「リアルモッズ」!
中山君が乗っていた60年代のべスパ、僕が乗っていたラリーやET3、
それに今乗っているPX、そしてT君が乗っている「ランブレッタTV175」の話でモリモリ盛り上がり(笑、
Tくんが今狙っているべスパGSの話で、マスマス盛り上がり、、楽しいひと時でした!!

スーツから話題がそれましたが、
パンツポケットも、シルエット優先で袋地を取っ払らったり、
体に合わせるのはもちろん、全体にかなりシルエットを優先したサイジング。
Tくん、コレは礼服ですよ! これ着て踊りに行っちゃあ、、まぁ、それはそれで「アリ!」かな(笑。




Aさんのブラックフォーマルです。
今まで「普通の黒」を着ていらっしゃったAさんですが、
これからは「フォーマルに相応しい黒」を着ようということでオーダーされました。

僕も若い頃は、こういう黒を、オッサン臭いなぁ~と思いながら着ていましたが、この年になると「これが良い!」
って思ってしまうんですから、自分もオッサンになったからなのか、分別が判るようになったのか、
やっぱり「普通の黒」と「フォーマルに相応しい黒」の違いが見えるんですよね。。

色だけじゃなく、スーツとしての質感と言うか品格というか、
明らかな違いが見えるんです。

そのせいか、今まで「普通の黒」を、もっというと「シャイニーな黒」を着てらっしゃった
かれこれ10年前後お付き合い頂いている皆さんも最近、こちらの「フォーマルな黒」に移行される方が多いです。

ピーク襟は賛否両論ありますが、モーニングの延長って事で良いでしょう(笑。
いや、本気で、マジで、そう思うって話の結果です。
最後は「着るか、着られるか。」
僕なら、着ます(笑。

ベスト、もう少しお待ち願います。
コールパンツ、また次回、お願いします(笑。


今回の3ピースは
人気のシルクジャガードです。
ジャガードの絹は、とてもデリケートです。
でも、耐久性なんて考えてないから構わないそうです!
僕は、『瞬間最大風速』を選ぶので、気にしません!とおっしゃるUさんは、
10年ほど前まで、超老舗のメンズショップで販売をされていたのですが流石です、感動しましたー。
でも僕は同じ服屋でも貧乏臭いのか?着続けることを考えてしまうんですよね~(涙。
その代わり、自分じゃ着ることのない洋服を、お客様が着て下さるので、
こうしてよい経験をさせていただく事も多いんです、役ドク!


ベストもちょっとデザインしました。
パンツが上手く写らなかったのですが、特徴的で、
見た事のないデザインにして、サイドアジャスター仕様にしました。
素肌に着られるとの事で、ベルトが当ると痛いから、、と限りなく素肌感覚との事です。


これは後日談ですが、このスーツを
モデナの怪人、ガブリエレ・パッシーニ氏が見て、
どこで作った?と聞いてきて、写真を撮りまくられたそうです(嬉♪
Uさんばかりか、伊太利亜のプロ(=同業者)にまで興味を持ってもらえるって嬉しい限りです。
楽しませて頂き、本当にありがとうございます! 心から御礼申し上げます!!



この生地、際モノの皆さんに人気です(爆。
僕が普通に着てしまうと似合わないので、わざとカジュアルにして、
ショーツに合わせようかなと、3ボタンにしてアウトポケットやサイドベンツ仕様にしました。

京都のOさんは、
1ボタンに袖ボタンは5個、
上襟のブラックカシミアベルベットと
ボタンにもシャイニーなブラックボタンを使って、
MBS課程の卒業式用にと、完全フォーマル仕様にされました!


ディーテールは
Oさんのいつもの専用型です。
やっぱり、この生地には正当フォーマルが
似合うように思ってきましたが、やっぱり僕には似合わない!
僕は3ボタン段返り、アウトポケットのサイドベンツ仕様で頑張りMasse!(笑
Oさん、おめでとうございます! 記念すべき機会のオーダー、本当にありがとうございました!!



ご自身の結婚式、タキシード(夜の準礼装)と迷われたのですが、
結婚式の後にも使えるようにと、昼の準礼装ディレクターズスーツに決められました。
今回のテーマは、夜の準礼装タキシード風ディレクターズ!です。 昼間でも宴の席ならタキシードでしょう!
でも、、蝶タイを買いに行って、ディレクターズスーツと言うと、怪訝な顔をされたそうです(苦笑。
大丈夫。いいんです!「着るか、着られるか。」で決められた事、自信を持って。

先日も書きましたが、識者は「アカンやろ~」と言うと思います。僕も「ハズシなしで」と言われれば勧めません。
でも、ご自分の結婚式、何をしてもいいじゃないですか(笑。 お呼ばれの時は、失礼のないように
マナーを守れば大丈夫(笑。シルバーベスト、次に必要になる前に生地は入荷しますから。
ディレクターズ用のフォーマルタイも、それまでにお気に入りを見つけておいて下さい。
パティーは主催者より目立ってはいけない!そこだけ押さえておけば大丈夫♪
今回のスーツは、Hさんの考えをシッカリ叶えたスーツになりました。
これからもご自身の意思で、『着るか、着られるか。』です。
Hさん、ご結婚、本当におめでとうございます!
義父さまからのお付き合いで、他人事に思えません(笑。
Hさん、これからもよろしくお願いします!


お友達も、パーティー用にと、、

キャラクターにピッタリのスーツになりました。
パンツは股上浅目のエルポケに、バギーパンツ、上着は襟巾11cmにフラップも極太。
パンツに反して、ジャケットのシルエットはちょいタイト目にしました。
ベストでしっかりクラシックに、、Mさん、新郎より目立っちゃ駄目ですよ(笑!
Mさん、これからもお付き合いの程、宜しくお願いします。




Kさん、ご結婚おめでとうございます!
タキシードだと、後々ご着用のシーンもないだろうと
ディレクターズスーツにされたのですが、結婚式!華やかに!!と、
ピークドラペルにして、今後も宴の席専用の?ディレクターズにしてしまう事になりました。

着るか、着られるか。なので、基本を知って自分流に着崩せば、それでいいんです(笑。
識者に叱られそうですが、「洋服くらい楽しんで着れば、、」そう思います。
招かれる側は「相手に礼を尽くして」合わせないといけませんけど、
今回はご自身の結婚式、ルールは自分で作れば良いです。
Kさん! また奥様と一緒に遊びに来て下さいね。





間に合わず、取り敢えずベストなしで。
ネクタイとチーフも、いい感じの物をご準備頂けてました。
このスーツで、Tさんが代表を務められる日本法人の取引先のレセプションをはじめとして、
日本全国はもちろん、アメリカ本社、色々な場面でご着用頂けるようです。


ちなみに、この生地も御幸毛織の生地で、
ションヘル織機(低速シャトル織機)で織られていますから、
とてもしなやかなのに張り感があり、ふんわりしとた仕立て上がりになります。
ビシッとシルエットが決まるのに、全体的にふんわりしたイメージが醸し出されるから不思議です。
それは、低速織機でゆったり織られている事も1つですが、
生地に光沢が少ない(マット調)ことも、ふんわりと見える理由なのかもしれません。

最近フォーマルをオーダーされる方は、
マットな黒をご希望される方が増えてきたように思います。
今まで『フォーマル、ビジネス、どちらでも使いたい!』と云う事で
マットじゃなく、そこそこ以上の光沢のある黒を選ばれる方が多かったのですが、
そう言っておられた皆さんも、そろそろちゃんとしたフォーマルを!と云う事で買い替えされる方も!

やはり、、こういったフォーマルな黒は、
シャイニーな黒と並んだ時、明らかに品格を感じさせてくれますし、
シルエットが良いと、スタイリッシュな中にも、フォーマルな品格を感じさせてくれます。



奥さまは、パーティー用にシルクウールのジャガード(ペイズリー柄)で。
ご主人Tさんは、Tさんらしい絶妙の色合いのチェック。
今回も、着ていく程に味わい深くなる生地、
手縫服に相応しいセレクトです。


奥さまのドレス、綺麗な生地です。
シルクとウールがほぼ50/50で、独特のドレープが生まれます。