Sさんの2着目のシャツ、出来るだけ細く!とのご希望で

アームホールを小さくしたせいで、体のクセが顕著にシャツに影響を及ぼし、

脇の下、それも脇の真下ではなく、前身側だけが少し当たるように、、



職人さんと話をしたら、あっさり一言「じゃあ、少し大きくしたらいいですね」と。

いや、そうじゃなくて、、どうしてそう簡単に片付けるのか、

それとも悪気はなくって、それが当たり前なのか、、声にしかけたが止めた。



「アームホールのゆとり量はこの方の場合ですと5cmあれば足りています。

その証拠に前身側は当たっても、後身側、特に上のほうの肩のこの辺りは余ってます、、」



職人さんが「じゃあ、どうしたらいいの?」と言います。

「全体のバランスを考えれば5cmのゆとり量で足りていますので、この寸法を維持したまま

アームホールの形状を変えます。

余った後身側のラインはこうして、そして当たっている前身側はこう削って、、

鎌下で余ってる分は、鎌を浅くして、、、」

そうして修正が加えられたのが、この型紙ですが、画像では判り辛いですね。







出来上がってきたシャツに袖を通して頂いたのですが、問題解決してました。

全体に〝無駄なゆとり〟は見当たらず、胸もパァーンと張って見えます。



キツイ部分だけを見れば〝キツければ広げる〟で正解かもしれませんが、

今回のように、全体を見れば他の部分で余ってる場合があります。



それを見落としてしまうと、単純な解決方法を取ることに。

手間はかかりますが、この手間を惜しむと

良い服は生まれません。






皆さんは『縮絨/シュクジュウ』って知ってますか?

縮絨は、『地のし(地直し)』とか『スポンジング』とも云い、
布地の裁断前に、型崩れや寸法の狂い縮みを防ぐ為、一度洗って繊維を縮ませ、
安定した状態まで布地を縮めておく事を云います。

僕の場合、シャツ地は〝お湯〟でしっかり〝揉み洗い〟をします。
その結果、縦糸と横糸がより詰まった状態になって、
製品にした後、型崩れや縮みを防げます。

こんな風に、「縮め~詰まれ~」と念じつつ(笑)、しっかり揉み洗いして、、
それから、
脱水を掛けて直ぐに形を整えてアイロンを掛けます。
濡れた状態で急激に温度を加えると縮み易いからなんです。
洗濯表示で〝乾燥機は避けて下さい〟って書いてる物があるでしょ、
あれ、縮み易いからっていう理由もあるんです。

アイロンを掛けた後は、色が変っているでしょ(笑)。
縮み易い生地は、この作業を2回繰り返したりする場合もあります。
皆さんは決して濡れた状態でアイロンを掛けるのは止めて下さいね。
この情報を知りえたあなた!この知識をどう活用するか?
COTTONパンツの裾上げをする時、1度洗ってからお直しすると縮みも少ないですよ。
他にも色々と活用できそうですね♪




以前にもご紹介したヴィンテージのシャツ地です。

今週だけで3着のご注文を頂きましたが、残り僅かで、あと数枚になりました。







スーツ地のヴィンテージは、よく話題になりますが、

シャツ地のVintageをご存知の方は少ないのではないでしょうか?



今日は以前のダイアリー(2004年9月3日)をそのままコピペさせて頂きます(笑)。

手抜きでごめんなさい。



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画像は、英国トーマスメイソン社(右)のヴィンテージ生地と、

伊アルビニ社(左)の生地です。







トーマスメイソン社は、’90年代の初めにアルビニ社に買収され、

今の生地はイタリアっぽく繊細な質感になっていますが、

この生地は 買収前に英国で織られたもので、

低速織機でしっかり打ち込まれた張りのある生地感です。



水洗いしてゆくにつれて段々と目が詰まり、光沢が増します。



その歴史が産業革命時代に遡るトーマスメイソン社のこんな希少な生地は、

その寿命を縮めないためにもクリーニングには出さずに家で水洗いをして下さい。



下の画像もヴィンテージ生地ですが、残すところ20着程になってきました。

(現在10枚をきり、画像の緑色のマルチストライプは終わりました)

東京のYさんから2着目のご注文を頂きました。

年内に大阪に行く機会がないので、

生地も、柳瀬さんに任せるから選んで欲しいって言って頂きました。



ありがとうございます!

Yさんが着られるシチュエーションを考えて、

僕の着こなし提案付きで(笑)、生地を選ばせて頂きますね♪



そしてYさん「寸法(型紙)は同じでいいよ」とも。

フィッティングに関しては、僕は自分の目で見ないと納得できないですから、

Yさんに「せめて着てもらったところを写真に撮って送ってもらえませんか?」とお願いしました。



出来る限りの事はしたいし、ここだけは譲れない部分なんです。

お客様にいいって言ってもらってるのに、、

自分でも、この性格しんどくなる時あるんです(苦笑)。

でも、これって押し付けですよね~

なのにYさん、ご協力ありがとうございます!



それにしても今回のシャツ、

1着目から、かなり綺麗に仕上がってました♪

それでも微調整して、更にスタイリッシュで軽い着心地に仕上げますね!






今日Tさんに話した、ネクタイとシャツの襟との関係です。

太いタイには大きな襟が、細いタイには小さな襟の方が、収まり(バランス)が綺麗です。

その逆だと、大きなノット(結び目)が小さな襟からはみ出たり、
大きな襟に、小さなノットではスカスカだったり、、

もっと言うなら、、
襟(腰)の高さとタイ巾のバランスや、更に言うならタイの結び方も関係してきます。

ネクタイにも流行があり、その巾や芯の厚さに変化があります。
クラシックと云われるものは別として、、、

自分で書きながら巧く表現できなくてイライラします。
こんな書き方で伝わってますか?(苦笑)

要するに!
タイに合わせて、シャツを選びましょう!って事です(笑)。
何事にもバランスが大切♪

スーツも同様、ポイントポイントに気を配りながらも、
全てはトータルバランス!です。




今日出来上がってきたシャツは、どれもカラフルです。



つい先日も書きましたが、最近白ばかりなので、

久々にこんな色柄のシャツを見ると、何故か嬉しくなります(笑)。



色柄はカジュアルでも、シルエットに無駄がなくスマートなので、

着てみると不思議と洗練された上品さを醸し出します。



無駄のない洗練されたシルエット、、それは、

首回り・肩幅・袖丈だけを合わせる〝イージーオーダー〟とは全く別次元のシャツです。








英国の〝acorn〟より、カラフルなシャツ地が届きました。

昨年から白シャツ人気なので、こんなカラフルなシャツ地を見るとウキウキします♪

何だか気分は〝春〟が来た!?(笑)

いえいえ冬だからこそ、陽気にいこうじゃないですか!(爆)












構想1日(思いつきやん!笑)、製作期間3ヶ月でやっと

出来上がりました(笑)。



ジャワ更紗(バティック)を使ったシャツです。







柄を余すことなく使うべく、前立て、カフス、ヨーク部分には

生地の端っこの濃紺部分を使っています。

濃くなっている部分がその証です(笑)。







晩ご飯が深夜になった時は 炭水化物を取らないようにした事と

(週に3回程度) この前のお多福風邪とで体重が10キロ落ちたので、

新しい型紙を引き直したのですが、

今回で 3着目のこのシャツで完璧なまでに完成し、

シルエットも 着心地も抜群です♪

こんな話、今日の話題とは関係ありませんよね(笑)。



さて、、

バティックの話題は2005年4月8日付けのDiaryをご覧頂くとして、

シャツとしての仕上がりは如何ですか?

僕としてはかなりの興奮物ですが、

生地屋のB君もかなりなものでした(笑)。



こういった類のシャツにありがちな 簡素な仕立てではなく、

ネクタイを締められる程 キッチリした仕立てをしているので、

品の悪い存在感にはなっていません。

えっ!? 悪いですか?(笑)



気をよくして早速生地を仕入れてきました♪

秋先に1枚で着て頂こうと、秋っぽい色を探してきましたので、

宜しくお願い致します(笑)。



ちなみに生地は、光沢が美しい最高級の綿「プリミシマ」です。

色落ちを楽しんで下さいね。














「麻の長袖シャツが欲しい」とご来店下さった I さん。

麻シャツは初めてだそうです。

「他に もう1枚作りたい」という事で ボイル地をお勧めしました。



その理由はこの2枚のシャツを着比べてみると

着心地に共通するものを感じるからです。

どちらの素材も通気性抜群でサラリとしています♪ 

吸汗性にも優れ 汗をかいても素肌に纏わり付かずに直ぐ乾きます。







ボイルは 細い強撚糸を使った平織りの生地で

透けるくらい薄くて シャリ感があり、

肌触りも麻に似ています。

ガンガン洗っても縮まずに丈夫な素材で、

僕の大好きな夏の定番です。







I さん、この2枚を同時に作るのは、

「素材を知る」という意味でベストな選択だと思います。

I さん、撮影ご協力ありがとうございました!




滋賀のKさんから襟とカフの取替え依頼のあったシャツが出来上がってきました。



最初は全体がピンクでしたが、今回の取り替えで白になりました。

それに、襟とカフスどちらも、デザインまで変更してあります。

プレス仕上げもさせて頂き、気分は完全に新品ですね♪



クレリックに関しては2005年6月4日のダイアリーをご覧下さい。