今日は英国風、
今日はイタリア風と
様々な装いを楽しまれる船場のOさん。

今回はフランス『風』を楽しみたいと云うことで
フランスのデザインをデチューンして特徴として加えてみました。


全体としてみますと、
イギリスの構築的な仕立てを基本としていますが、
縫製はイタリア流の柔らかなものです。
手縫とは云え、できるだけ手の匂いは排除する方向で縫っています。
でも手の匂いはプンプンとしていますね(笑。
同じテーラードでも、プレタとは作りが全く違いますから、
この辺り仕方ないというか、これでいいんです(笑。


マッセアトゥーラで仕立てさせて頂くスーツも、
今回で英仏伊と3国出揃いましたが、
Oさんにお似合いなのはフランスじゃないかなと思います。

肩傾斜が強く、
若干狭目の肩巾のOさんには、
コンケーブされたショルダーラインにビルドアップされた袖山が
とてもエレガントに映っていると思いました。
今後は、さらにこのテイストをデフォルメしたいなと企んでいます(笑。
コンケーブにビルドアップと云えば、、、
バーリ(アドリア海側のイタリアの港町)のシャマットもお似合いになられると思います。


ちなみに、、以前、
フランスのタイユール(英国はテーラー、伊太利亜ではサルトリアと呼びます)
カンプス・ドゥ・ルカを訪問させて頂いたり、
まだ鈴木健次郎さんがヘッドカッターをされていた頃の
フランチェスコ・スマルトを訪問させて頂いた時に、その特徴を教えてもらいました。

イタリアを初め、
今まで見てきた各国の『風』は取り入れますが、
各国のコスプレにならないよう、その方に似合う背丈や肩巾、肩傾斜など、
着る方にとって何が似合うかを考えて造形する事が最も大切、というマッセアトゥーラの軸で、
いつも、『風』を取り入れています。



昨年お渡ししたNさんの迷彩ジャケットです。
今回はグランフロントでご公演があるとかで来日されました。
Nさんと一緒に世界を飛び回っているジャケット、こなれ感も出てきました。
伝えたお手入れ法を守って下さっているので型崩れもなく、良い状態でこなれてきています。
末永くご愛用下さいね!




仮縫の状態で、店内に掛けてあった時から話題になっていた生地です。
コートのデザインに注目して頂きたいのですが、話題は生地に集中しました(笑。

この生地、7年前に1着分だけ仕入れていたのですが、
その時は3年ほど買って頂けなかったので、自分用のジャケットに使ったのです。
ジャケットになった途端、皆さんから「ええなぁ~」と言って頂き、、いつもそんなもんです(笑。

で、それから生地屋さんに探してもらっていました。
そしたら、3年越しで見付かったんです!

全く同じ色はなかったのですが、3色見付けて頂きました。
その中の1色が、このサンドベージュです。とても鮮やかな色合いですね。
この写真では分からないですが、かなり金色に輝いているのです。オールシルクみたいに♪

この生地を見た瞬間、Nさんからコートで仕立てて欲しいとのご依頼。
季節の変わり目に着られるコートなので、軽やかにサッと羽織って頂ける感じにしようと、
セミラグラン仕様で、ご提案させて頂きました。
コートのご紹介の筈が、僕まで生地に注目してしまいました(笑。

◎スプリットラグラン(セミラグラン)
前から見るとセットインスリーブですが、後ろから見るとラグランです。
このデザインは、ラグランの着用感を残したまま、前から見た姿に精悍さが加わります。



今日はスーツのお渡し日です。
カフェラテブラウンに、カフェモカブラウンのストライプです。
コントラストのハッキリしたストライプですが、ストライプの両サイドは、角が取れて柔らかです。

ネクタイで、雰囲気が、ガラリと変わりますねー


結局、両方お買い上げ頂きました♪
Iさん、いつもいつもありがとうございます。
お付き合い頂くようになって、もぉ15年目になりました。




シンプルなダブルチェスターフィールドでのオーダーですが、
生地が、、こんなの初めての出会いです!

オールシルクなのですが、
ダブルフェイスかと思って一枚仕立てで
ご提案させて頂いていたのですが、ダブルフェイスの説明を
させて頂くために「接結糸」を解くと、緯糸(ヨコ糸)だけが残るんです。
それも短冊のように。ん?と思って、何度も繰り返したのですが、何度やっても同じ状況。

今日は、最近では?ちょっとマニアックな話ですが、

経糸(タテ糸)を接結糸として利用しているから、緯糸が残るんですね~という事は、、
これはダブルフェイスではなく、ダブルクロスですね!(笑)

ダブルフェイスとダブルクロスの差は、特に定義はされていないそうですが、
僕の知識の中では「完全な一枚仕立て」が出来る生地をダブルフェイスだと思っています。
今回の生地のように、接結糸を解いても生地が2枚に分かれないタイプは、一枚仕立てには出来ないので、
これはダブルクロスですね。
見た目的には裏表で色が違いますから、これもダブルフェイスではあるのですが(笑。

縫い目を結合させて縫う事は出来ませんが、
裏も見えるように、ちょっと縫い方に工夫をさせて頂きます。
Nさん、完成を楽しみにしていて下さいね!



ミラノのクラシックなスタイル、アルスターコート。
既製服では見かけない技巧がふんだんに盛り込まれている貴族のコートです。
モータリゼーションの波が来る前、
男にとって、コートはステイタスシンボルでした。
思わず、その時代を偲んでしまいます!!


クラシックなアルスターコートには通常、
ドッピオプンティーニ(ダブルステッチ)を入れるところ、
ここは、播磨の貴族Oさん!のご希望でシングル、それもステッチの存在を
打ち消すかのように、エッジ際々のところに、丸く巻き込むように入れてもらっています。
そのせいか(成果!)とても柔らかな印象に仕立てあがっています。


生地の優雅さを演出する、ジーリ・リンボッカーティーの袖付け仕様です。
こんもりと福よかな盛り上がりが、何とも優し気でエレガント♪
ジャケットを着てもらうと更に立体的な表情に!


上襟のカーブからも、手の掛けようが伝わってきます。


上の写真と下の写真から分かるでしょうか。
コートのセンターには、内側にヒダを取る「ピエゴーネ」仕様です。
通常よりも贅沢に、ヒダの分量を多めに取られています。贅沢な生地をさらに贅沢に!

更にさらに贅沢に!
左右に深いタックをとることで、
歩くたびに優雅なドレープが生まれ、そして消え、
それを繰り返す度に、ゴールドの陰影が見え隠れするサマは圧巻です。


このキワキワのプンティーニ(ステッチ)が、
このコートの存在を、控えめに控えめに醸し出しています。
腰ポケットの袋地には、毛足の短いヴィンテージの別珍素材が冬の寒さから
Oさんをさり気無く守ります。サルトリアクレセントの河合氏の「さり気無い」思いやり。


その後談:
タイトルにあるように、このコート物凄い反響でした。
本日お渡しの後、まだ暑いからと、店内のトルソーに着せておいて良いよと、
お預け頂いたのです。夏の間2ヶ月近く、、

見る方、見る方、、
「金に輝いてるなぁ~」
「これ、スエードのコート?」
「すごいなぁ、すっごいゴージャス!」
「怖くて俺、よー着んわ! でも凄いオーラや!」
「ブルジョワやなー」、「頼んだら幾らするの?」etc・・・
確かに、もの凄い存在感を放っていました。

Oさん、2ヶ月間お貸し頂き、ありがとうございました。
目の保養にさせて頂きました♪



ウール×シルク×リネンのサマーツイード。
3年前のサマーツイードもいい感じに表情豊かになってきていますが、
こちらも楽しみな1着ですね。今までオーダーされたシャツとも綺麗に合わせて頂けますし、
気にせずガンガンと着て頂ける、重宝な1着になりそうです。
Tさん、いつもありがとうございます♪




このジャケットに
リネンの白シャツ、ホワイトデニム、
靴は、、ホワイトバックスを今からご購入されるそうです!!
ホワイトバックスのダブルモンクかな~と(笑。
ハワイでのパーティーで着られるとか。
リゾート、いい感じですね~

赤のスペルガも良いんじゃないでしょうか。
最近見かけなくなったケッズのチャンピオンオックスフォードの赤があれば最高ですね!
あっ!室内でのパーティーには濃紺のリネンのシャツを着られます。

Hさん、
いつもありがとうございます!
お付き合い頂いて、もう16年目に入りましたね♪




何の奇も衒わない
グレイフランネルの3ピーススーツ。
こういうスーツって中身が滲み出てくると思います。
男の顔の皺のように。長い年月を経て差が滲み出てくるスーツです。

手入れをどこまでしているか、
適度にスチームを入れているか、
ブラッシングを怠っていないか等、
5年後10年後に差になって現れる。

もちろん着こなしに「ハズシ」は必要ない。
だからこそ、その人の中身が滲み出てくるのです。
男の余裕で着こなすスーツ。早く僕も、、そうならねば!
その領域に達する事が出来るのか、日々の行いが決める事ですね(汗。




Kさんがピエールカルダンさんとお仕事をされていた時代、
カルダンさんに仕立ててもらわれたジャケット、それを再現して欲しいと、、
Kさんご家族とは、もう随分前、最初はKさんのお嬢様のスーツを作らせて頂いた事がきっかけで、
その後、お嬢様のご主人のタキシードや靴、Kさんのモーニングなど、
とても嬉しい事に、ご家族でお付き合い頂いています。
このジャケットはとてもユニークです。
この画像で分かりますか?


クラシックなジャケットに比べて、1箇所の違いがあります。
1箇所は独創的ですが、他の3箇所は時々採用されるディーテールレベル!?


アンコン仕立てで、
とっても軽いフェザーライクな仕上がりです。
4つとも気付かれた方の中から3名の方にポケットチーフプレゼントします!
Kさん、楽しいお仕事をさせて頂き、ありがとうございました!