ダブルクロスでオーダーされたダブルブレストのスーツ。
ジャケットだけでも着たい!とのご希望で、メタルボタンにされました。
一般的なメタルボタンではなく、ロストワックス製法で形成された軽やかなボタンなので、
スーツで着てもらっても、
その質感から仰々しさが和らいでいます。
4B×2 フロント釦の数も、軽快さに一役買っています。


その後、前の打ち合い分量を変更し、
その関係で、釦間も調整することになりましたので、
全体のバランスを考慮して、4B×2 ⇒ 6B×2 に変更しました。
Kさん、たまたま白いタートルを着てらっしゃったのですが、似合ってました!
ジャケットとしてもお使い頂ける優れもののジャケットスーツ!皆さまもいかがですか♪(笑


*ダブルクロスについて
経緯(タテ糸とヨコ糸)とも双糸を使って、
経緯どちらかの糸で接結した生地です。それを軽く縮絨加工し、
繊維を立体的に絡み合わせると、空気を含むスペースがたくさん確保できます。

その結果、
肉厚で丈夫で皺になり難く、
しっかりとしたシルエットが出るのですが、
組織上、また仕上げ上、柔らかな着用感を生み、動きやすい洋服になります。
しかもこの生地は光沢があってクリアな表情をしているのに、
空気を含む分だけ暖かい!と良いこと尽くめです♪

似た名称で「ダブルフェイス」と云う生地がありますが、
そちらは元々別の2枚の織物を、接結糸と呼ばれる糸でつないで1枚の生地に仕上げます。
なので、接結糸を解いても、2枚の布はそれぞれ独立して成り立ちますが、
ダブルクロスの場合は、
接結糸が経緯(タテヨコ)どちらかの糸を兼ねているので、
生地として成り立たなくなります。

今ではほとんど織られておらず、マニアックな生地ですが、
そんな男臭くて質実剛健な「ダブルクロス」生地を是非お試し下さい。
でも虜になっても、色柄が多くはありませんので、その点はご容赦願います(笑。



年間300日ご登壇される売れっ子講師のIさんですが、
Iさんにとって、スーツやジャケットは、まさに衣装なのです!!
実はIさん、若かりしころ?松竹の芸人さんをされており、本当に衣装!

この生地は、イタリア製ですが、
緯糸(ヨコ糸)が珍しく2本縒り(2PLY)で、
イタリア特有のドレープ感を持ちつつ、しっかりしてます。


移動中はスーツで移動されないよう、
最近では心がけて下さっているのですが、
それでも無理な事もあるそうで、そんな時には、
こんな生地がお勧めですね。色気好きのIさんにピッタリ♪


経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)で
かなりコントラストをつけた生地ですので、
ドレープの度に、生地の表情が玉虫のように変化します。
*画像では全く伝わりません!!!


続いてこちらは、ド肝抜かれるテカリ具合!
チンツ加工(chintz)された生地で、防水性もあって、
登壇後の、パーティーの席でも、食べこぼしに威力を発揮します(笑。


見えない裏のまとまり具合も最高です!
まさにコンサルティング業界の松竹!いや、ジャニーズ!
益々のご活躍を楽しみにしています。コンサル界に新ジャンルを築いて下さい!
お身体、どうか大切にして下さい。




オンと、オフ。
どちらにも使えるスーツ。
ローマのS.A.R.Tから届いた生地です。
ソリッドなネイビーシャツを着ると、艶を感じさせるスーツ。


ハケ目のサックスシャツに、
ネイビーのペイズリータイは洒落感が出するとしても、
ブルーの小紋タイなんかをもってくると、十分オンでも着て頂けますよね!

そんな、オンでもオフでも使いまわせる秀逸な色柄だと思えるTさんチョイスの絶妙スーツです。




写真で巧く撮れなくて悔しいです!
本当に素敵な色です。一見派手に見える色ですが、
出来てくるとすんなり落ち着いていて、予想を裏切る素敵さです!
BUNCH(生地の見本帳)で見るより、実に上品で大人っぽい雰囲気に仕上がりました。

皆さんに生地を見て頂く時は、
少しでも出来上がりをイメージして頂けるよう心掛けています。
なので全くイメージと違うという事にはなりませんが、
それでも、イメージのブレは起こります。
今回のブレは、良い方向でした。

次のスーツ、寸法に関して、ご相談の上で、
良い意味で、Oさんの期待を裏切れるよう微調整しました!
楽しみにしていて下さいね!!


いい感じです。


本当に、良い感じです。

今回も心をこめて、僕が手洗いさせて頂きました(笑。
雰囲気を出したい部分、そうでない部分、縮めたい部分と、そうでない部分。
製品を手で洗うって、最初は度胸がいったんだけど、遠い昔(笑。



Mさん、お待たせ致しました


シンプルが故に、表情の変遷が楽しみな仕上がりです。
そのためにも、今まで以上にしっかりお手入れ方法を伝えてまいります!
そして5年後10年後の表情を撮らせて下さい♪




この生地はマニア受けします(笑。
英国紳士に永く愛され続けているクオリティーです。
経緯(タテヨコ)共に52番双糸でシッカリと織り上げたられた生地は、
英国人が好きなイングリッシュドレープ(バストドレープ)に最適なハリとコシを与えます。

更に、生地そのものの耐久性が高く、体に馴染んできます。
ちょっとやそっとではヘコたれないタフさが、
物を大切にする英国人に受け入れ続けられる理由ではないでしょうか。


生地のテクニカルな部分ばかり書きましたが、
Oさんが気に入られた点は、まずなんと言ってもこの色です。
この何とも例えがたい表情です。光の当たり具合で見え方が変わる奥深い表情。

色を気に入ってもらっても、
着用感がお好みに相応しくなければ、お勧めしませんが、
もう10年近くお付き合い頂いているOさんが、
スパッ!と切れのあるラインがお好みだと云うことも分かっています♪
*以前に書いた内容も是非 → 『52番手2プライの生地』
Oさん、いつもありがとうございます!




Yさんのご紹介で、
ご家族でお越し下さったSさん。
Sさんの雰囲気からお勧めしたのですが、
奥さまからも好評で「きっと似合う」と決まった生地です。
お子さまも「お父さん似合うぅ~」ってコメントが有ったか無かったか(笑。


でも、本当に似合ってらっしゃいます。
お渡しした帰りに、ネクタイを買いに行かれて、、
その画像を送ってきて下さいました。お子さまのお顔はカット!
めちゃくちゃ可愛い表情とアングルで写ってましたが、最近物騒ですから(汗。

抜群の色合わせ!


こちらはシャキッとした印象ですが、
この紺色が、スーツの色調に合っています!
Sさん、画像ありがとうございます。嬉しいです、こんなの♪




洒落たネーミングです。


塩胡椒を振り掛けたような表情です。
その後もソルト&ペッパーシリーズはリリースされていますが、
この初期の頃のソルト&ペッパーの表情が、今のあっさり顔のソルト&ペッパーより好きです。

マニアックな話ですが、
ラペル返りの範囲だけ馬須(バス)芯を抜いて毛芯のみとし、
襟返りの柔らかな表情を目指して仕立てていますので、5年後10年後が楽しみなジャケットです。
優雅な袖付けも、これからの変化が楽しみです。
Nさん!5年後また撮らせて下さい♪




完成しました!
9月末にお問い合わせを頂いてから、
千葉から採寸→仮縫とお付き合い頂いて仕立て上がりました。
毛足の長いアルパカ素材を「ジャケット代わりに羽織れるコート」というコンセプトで。


毛足の長さは11mmで、なんともゴージャスです。
着て動くと、キラキラと輝くんです!
繰り返しますが11mmです!
測りました(爆。


全体のサイズ感はジャケットですので、袖も細く、
そこに20mmボタンを5個並べましたので(通常15mm釦です)、
生地のボリューム感が、より一層、引き立って、物すごい質量というか、オーラ!!
Vゾーンやポケットのフラップ巾、釦位置など全体のバランスも上手く取れたのではないでしょうか。


今回のコートは、
Aさんが、既製服で見付けられたデザインを、
ご自身で探しておられた生地で作りたい!と云うところから始まりました。

こんな場合、まず生地探しですが、
以前、Iさんからオーダー頂いたコートを思い出し、
直ぐに生地屋さんに確認すると、まだ何着分か在庫があるとのこと。
Aさんに連絡し、生地サンプルを送らせて頂く事にしました。

生地を送らせて頂いている間に、
ご希望のデザイン画像を送っておいて頂きました。

これなら、どのラインで対応可能かの打ち合わせなんかもどんどん進み、
完成までの全体のスケジュールをお伝えして、ご来阪の段取りをして頂くことになりました。
もちろん生地サンプルから、「これです!」と決まった上で。

採寸の当日は採寸だけではなく、
ディティールについての打ち合わせが主です。
頂いた画像をベースに、そこから更にAさんのお好みに合わせて、
肩巾や襟巾、そして釦位置やパーツの配置などの全体のバランスを考えます。
その時に、Aさんの背格好と、どうマッチングさせるか?まで考えながら、両立が無理な部分は、
状況をお伝えしながら、ご納得して頂きながら「形」にまとめ上げます。

体に合わせる仮縫ではなく、感覚に合わせる為の仮縫。

Aさん、本当にありがとうございます!!
僕も愉しませて頂きました。