このモヘアトニック素材は、恐らく50年代後半に織られた生地です。

Sさんは、今までにもドーメルのスーパーブリオなど、

ビンテージの良質モヘア素材を着ていただいておりましたが、

その中でもこの生地は別格、個性炸裂です。

張り感と光沢感、、上手く伝わっているでしょうか!?

そんれにしても、タイトです。

この4年間、多少のデザイン調整はあるものの、シルエットは不変です。





裏地も、英国製の個性的な物から遊ばれました。





素材が硬いので、袖付けをナポリ仕立てにして頂いた事で、

より一層、軽い着心地を提供できました。





着るほどに馴染む、ハードな素材だからこそ、着込んで馴染む、、

愛でながら手入れをし、良い表情になって欲しいですね。

まるで、男の顔の皺のような生地です。



また、ひと言に紺色といっても際限なく存在しますが、

ペッパーリーのこのビンテージ素材は赤みが差し、極めて色っぽいです。






緯糸/120番綿双糸、経糸/100番麻単糸の綿麻混紡素材。
スラブ(節)が出ていて、涼しげな雰囲気です。
でも、その経糸も100番と細いので、スラブの出方も繊細というか、上品です。
ちなみにUさんからご注文頂いた、伊『カンクリーニ』の素材です。
毎度の事ですが、裁断前に糊抜きの意味も兼ねて、お湯で縮絨したのですが、
濡れると、麻素材特有のシッカリ感が出ます。
洗濯の際は、脱水を途中で止めた状態で乾かした方が、
皺が入りにくく、アイロンが楽チン。
ただし、、生乾き状態でのアイロン掛けは縮みを起こす原因になりますから、
しっかり引き伸ばしてから、もしくは手を出さないで下さい。(笑)



前回ご登場頂いたOさんですが、

今度の写真は義兄bw88さんから送って頂いたものです。

ご協力、どうもありがとうございます!!

今回は、『フォーマル』カテゴリーでアップさせて頂くことにします。



奥様の上品で華奢でシンプルなラインのドレスと、

これまたクラシックなタキシードが、大人っぽい2人を演出してますね。





最もクラシックな、ショールカラーのタキシード

Oさんの魅力を、よりいっそうエレガントに際立たせています。





Oさん、ここまできたら折角なので、『お客様登場!』もお願いできませんか?

本気で考えてみて下さいね!(笑)






7年振りでしょうか、久々にチェンジポケットの重ね付けです!

Mさんからオーダー頂くシルエットは独創的ですが、

今回「他に何かある?」って聞かれて、、





パンツの裾も、膝が22.5cmなのに、裾が27.0cmあります。

トムフォード時代のサンローランのリヴゴーシュを彷彿とさせますね♪

だって寸法も、ほぼ同じですから。(パクリ?)

そして、そんなシルエットに合わせる袖も、かなり強烈なフレアーなシルエット。



生地も、画像では巧く表現できませんが、

ここまで光沢のあるソリッド(無地)感って珍しく、目を引きます。

このソリッド感が、なんとも直線的でシャープなイメージを生み出します。





Mさん、プルミエールクラッセへのご出展おめでとうございます。

普通は2年待ちなのに、申し込んでいきなりですか、、

世界を舞台に、、いよいよスタートですね。

益々のご発展を祈念しています。






機密ルートで仕入れた、ジム・トンプソンの玉虫シルク。

あ~、空港から出た瞬間の、あの纏わり付くようなムッとした熱気が忘れ、、

ややこしい嘘つくなって!(爆)



ジム・トンプソンはアメリカの建築家で、

二次大戦末期に陸軍の情報将校としてタイに赴任したそうです。

美術的センスのあった彼は、大戦が終わってからも、タイ(バンコク)に残り、

Thaiタイシルクの発展に尽力し、

その結果として、巨額の富を得たそうです。







彼の成功要因は、それまで家内工業であった伝統的な手織りのThaiシルクに、

彼の建築〝家〟としての、欧米の華やかなデザインを取り入れ、

オリエンタルホテルの内装を手がけたり、

有名なミュージカル、『王様と私』の衣装を担当するなどし、

結果、Thaiシルクの名を世界に広めたそうです。



この生地を使って、どんなシャツが生まれるのか、、

Tさん、今回は少し?大胆に!?遊ばせて頂いても宜しいですか?(爆)






2003年の春から少しずつ提案するようなった〝フレアー袖〟です。

そして昨年の秋冬から、更にバージョンアップして、

2cmの傾斜をつけるようになりました。







Fさんのこの袖は、肘とのバランスもあってか、

そのフレアー感は更に印象的に、そしてエレガントに見えます。



Fさんのお好みで、袖釦は重ねています。

この〝イタリアの陽光とイギリスの陰影〟的なスーツは、

まさに、『着るか、着られるか。』ですね、、






昨日に引き続き

新カテゴリ、『フォーマル』を設定しました。

改めて見てみると、フォーマルについては、あまり書いてないですね。

これからは意識的に、できるだけ書いていくことにします。







フォーマルにカテゴライズできない内容ですが、、

別カテゴリ、『今日のオーダー』でも、フォーマルなスーツが出てきますので、

そちらも是非ご覧になって下さい♪






今日はネタ切れにつき、手抜き更新させて頂きます。

で、、シャツの復習です。(笑)



Kさんが最近オーダーされるシャツは、ほとんどクレリックです。

この襟型はKさんのオリジナルです。

英国製のacornの生地なので、雰囲気も英国風にしました。

背中のサイドダーツは取らずに、絞れる限界までビシッと絞っています。

襟腰が高目なので、少々イタリアの匂いはしますが、、

ちなみに、このシャツは1人の熟練した職人さんに丸縫いしてもらってます。







カテゴリーに新しく、『シャツ』を設定しました。

今までの内容も変更してあります。

カテゴリー分類はどうすれば見やすくなるのか、ほんと迷います。






今年、I さんにお選び頂いたコードレーンのスーツです。

ユーロテックスのポリ混なので、そう皺も気にせずガンガン着て頂けます。

前から何度もブログで書いてますが、

コードレーンでポリ混なんて邪道!って思われる方、以前の僕も含めてですが、

一度着てみると、その気楽さに病みつき!なのは歳のせい!?(苦笑)

というか、皺になり過ぎず、むしろエレガントな感じがします。







カチョッポリのコジモ氏曰く、

ナポリでは(イタリアでは?)ポリ混素材の方が一般的だとか、、

確かに、英国製やイタリア製の生地メーカーのほとんどが、

綿ポリのコレクション展開ですね。



そんなI さんのジャケットはナポリスタイルで、

垂れ綿を〝こんもり〟と盛った丸みのある〝ナポリ袖〟にしてあります。

着込んでいく内に、この袖がどんな表情に変わってゆくか、、

きっと着る人に馴染んだ表情に変わってゆくんでしょうね、、楽しみです。

選ばれた白蝶貝(マザーofパール)の釦も綺麗に納まってますね。

I さん、ダイアリーネタご協力ありがとうございます。






Hさんのこのシャツは、フィレンツェのブジェッリさんのシャツをお借りし、

マッセアトゥーラ流にフィッティングを昇華させていった物です。

まさにコラボレーション、フルオーダーです。(笑)

社章を取り入れてオーダーされた釦を頂き、それを袖口に縫い付けました。

どのシャツの袖口にも、Hさんはいつもこのボタンなのです。





フルオーダーと云っても、何を基準にするか、、

仮縫が付いている事をフルオーダーだと云う方もいらっしゃれば、

いちからパターンを起こしてこそフルオーダーと言う方もいらっしゃいます。

中には手縫いでありさえすれば、フルオーダーだと思ってらっしゃる方もおられます。



僕の考えは、着る人の意思がカタチにされているか?

手段はどうであれ、結果としてそれが果たせているかどうか、、

この仕事を続けてきて、、

今、行き着いているスタイル、それが今のマッセアトゥーラ流です。



日本では〝注文〟の事をORDERと言いますが、

英語では、それをBESPOKEと言います。

その語源は、『be+spoken』=『対話をすること、話をすること』です。
なるほど、、言葉の成り立ちって、深い意味がありますね。