毛芯のセミナー

ちょっと重い内容かも、、気合を入れて読んで下さいね!







今日は毛芯のセミナーでした。

台場や本開きといったディーテールにばかりこだわっても

中身の伴わないスーツでは本末転倒。

やはり芯地(中身)にこだわる事こそが良いスーツの条件です。

美しい バストドレープは芯地で決まると言っても言い過ぎではありません。







上の画像左側は 馬のタテガミを糸で撚って作った芯で、

これをベースに フエルト等を何重にも重ねて使用します。

そして肩にだけは 画像右側の肩バス(本バス毛芯)を加えます。

この本バス毛芯は馬の尻っぽの一本毛を使った 張りのあるものです。

この組み合わせは一般的なもので 使う生地に応じて芯を足したり抜いたりします。

また柔らか過ぎる繊細な生地にはリネンとキャメルを混紡した毛芯などを

使う場合もあります。



他にも、価格的に抑えられたスーツでは、人髪を使ったものや 化繊を使って

毛芯に見立てた量産向けの物まで、毛芯の種類は様々です。







僕がいつも着終えたスーツは 厚手のハンガーに掛けて

クローゼットに入れる前には陰干しをしてから!とか、

続けて着ないように!と 言いますが生地だけではなく、

芯地が水分を吸収した状態で 型崩れを起こさないようにするためです。

靴にシュートゥリーを入れるのと同じですね。



マッセアトゥーラのスーツは たまに肩やバスト周りから

硬い針のようなものが チクチクと出てきますが、

これは このバス毛芯が折れて出てきています。

引っこ抜かずに出ている分だけ爪切りなどで切って下さいね。