今日採寸させて頂いたKさんが、「今回フラップ付けようかなぁ~」と思案されたので、

次のようなエピソードをお伝えしました。



腰ポケットのフラップは、フォーマルな洋服には付いてない物なんですよ。

フラップのオリジンは、猟や乗馬の時なんかのように、

屋外で着るスポーツジャケットのポケットの、雨よけの為に付けられた仕様です。

だからフラップは雨蓋とも呼ばれ、

まさしく雨露を凌ぐ蓋の役目を果たしています。







今でもスーツに付いているフラップはその時の名残なので、

本来の意味を踏襲するなら、

フラップがない方が、よりフォーマル(≒エレガント)って事になります。

もし付いてる場合でも、外から部屋の中に入ったら、フラップはポケットの中に仕舞う。

そう、帽子を脱ぐのと同じ意味合いですよね。



まぁ実際、そんな事を考えて実行されている律儀?な方は、、

おられないと思いますが。(笑)


待望の!ベスパP/PXファイルが出ました!







これはP系のベスパに特化した本で、いつも公私共にお世話になっている

モトリーノデルベントの寺田さんが、

出版社からの依頼で、メンテナンスに関する殆どの特集記事を担当されています。

自分が乗っているスクーターのメンテ本という事で、

せっかくなら、自分が登場している本の方が楽しいな~♪なんて、、、

僕も、年甲斐もなく登場させて頂きました。(笑)







登場されている年齢層も10代から60代の方までですが、

年齢層の高い方の中には、永く乗り続けている方が多く、20年以上と云う方もザラです。

それだけ長く乗り続けられる物に出逢えた喜び、それを所有できる喜び、

そして、それを使い続けられる幸せ、、

今のような使い捨ての世の中も、最近そんな風潮が再燃してきた感じがします。






今日、マッセアトゥーラで最初の1着目をお創り頂いたYさんは、

奥行き感のある、表情豊かなドラッパーズの英国製Super150’Sの生地を選ばれました。
選ばれた基準は、クオリティーでもブランドでもなく、純粋に色だけです。



色に拘る余り、価格やクオリティーを無視して、

結局は、店内にある全ての生地サンプルを3時間近くかけてチェックして頂きました。







最後は5色に絞り込んだのですが、かなり微妙な違いで、

このレベルだと目が慣れていないと、絶対違いには気付かないと思います。



色に妥協せず、Yさんが選ばれた150’Sと云う素材、、

ここまで繊維の細い素材だと、耐久性などの問題で、日々のご着用には不向きです。

ただ、お話を伺うと、月1程のご着用で、車の運転や椅子に長時間座るといった

ハードな?状況で着られる事も無いそうです。



最後まで残ったもう1着の方は英国製ハリソンズのSuper120’Sで、
しかも、色に慣れていない人が見ると、ほとんど差異を感じない程の酷似色でした。

選ばれた生地が、幾らYさんの理想とされていた色と云えど、

色だけで150’S を選ばれるのは、、とお節介にも思いましたので、

そちらをお勧めしようと、

両方の生地の、特性やお手入れについて詳しくお伝えしました。



150’Sと云う選択については諸論あると思いますが、

気に入った色柄を最優先事項として選ぶ、、

それはそれで、着手にとっては最良の選択だなぁ~って思いますし、

そんなに強い意志をもってこのスーツを着て下さる、

そんなYさんの気持ちが、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

そんな思いをもって生まれてくるスーツ、きっと末永く大切に着て頂ける事と思います。

これなんですよね、僕が皆さんに伝えたい気持ちって、、



今日は(も?)、長々と失礼しましたっ!




皆さん、こんな壁掛け用フックを知ってましたか?

恥ずかしながら、僕は今年になって初めて知りました。(苦笑)



このブログの5月11日にご紹介させて頂いた時計を壁に掛けるのですが、

普通の釘が効かない場合、こんな釘を使うと効くんです。

(まだ掛けてへんかったんかいな!?)



細くて短い釘ですが、3本を放射線状に打ち込むので、これが意外に効くんです。

対荷重も8キロまでなので、恐るべしです。(笑)

抜いた後も小さな穴が3個残るだけで目立たなくて、賃貸マンションの壁にもお勧めですよ♪




今朝、福岡のTさんから

急ぎでブルー系のストライプシャツが欲しいとご連絡を頂きました。



型紙が完成している方は生地の画像をメールで送らせて頂きますので、

その中で気に入ってもらえた生地がありましたら、現物を送らせて頂きます。

柄的には気に入ってもらえても、生地の質感やドレープ感までは伝わりませんし、

モニターによって、色味が違ったりもしますから、、

ご希望があれば、最初から現物を送らせて頂く場合もあります。

Tさん、いつもありがとうございます!7月、楽しみにお待ちしております♪



今日は宣伝ブログでした。(笑)




















前回でほぼ型紙が安定したFさんの今回の新作は〝スペンサーハート〟流です。

スペンサーハートのスタイルを、あれこれFさん流にアレンジしました。







スペンサーハートっぽく、着丈が長く見えるように全体のバランスを考えました。

ジャケットは、ウエストラインをしっかり絞ったブリティッシュラインに、

その絞りをより強調すべく、ボタン位置やポケット位置、その角度まで計算しています。

フロントカーブも、直線的なラインを強調すべく調整しましたが、

袖口は、フレアカットにしてあります。



サヴィルロゥの品格ある雰囲気に、モード感を兼ね備えたシルエットは、

シャープで細いラペル巾も相まって、

スペンサーハートの特徴を巧く再現出来たと思っているのですが、、







Fさんのこのスーツ、襟巾やディーティールこそ違えど、

YSL・リヴゴーシュ時代のトムフォードっぽい、シャープで色気のある雰囲気を感じます。

このスタイルは、体格のよい鍛えられたボディーで着てこそ

色気を放つんじゃないかな?と思います。(笑)



同じ細身のモードでも、以前マイケルタピアをさせて頂いた事がありますが、

同じモードでも、雰囲気は全く違いますね。




鋏ケースを作ってもらうのに、革サンプルを送ってもらいました。

左から2色、英国産のブライドルレザーは

染み込ませた蝋の塗膜が、馴染ませるぞぉ~って気分にさせてくれます。(笑)

時間はかかりますが、牛革本来の自然で素朴な表情になります。

最初は固いけれど、段々自分の体型に馴染む英国の生地と共通点を感じさせられます。



真ん中のヌメ革は、ルイヴィトンが使ってるのと同じ革(NTR)ですが、

これは感触の変化と、日焼けによる表情の変化を楽しめます。



最後の2枚は、伊ブッテーロ(ワルピエ社)の植物タンニンなめし・天然染料仕上げの牛革で、

比較的馴染み易いのが特徴です。

この革も、着た瞬間から身に纏わり付くような、イタリアの生地との共通点を感じますね。



こうしてみると革も、生地と同じようにお国柄が出ていますね。



ニヤニヤ創造しながらデザイン画を描いているのですが、

どんな鋏ケースが出来てくるのか楽しみです♪

永く使い続けたい鋏なので、

同じように、永く使いたいと思えるケースをイメージして頼みます。

となると、最後の2枚は外れるなぁ~




最近レディースでは、気に入ったシャツを持ってこられ、

そのスタイルを、お気に入りの生地で再現されるケースがよくあります。





今回のOさんのケースでは、2枚のお気に入りシャツを持ってこられ、

シルエットはこちら、切り替えや襟型カフス等のデザイン的な部分はこちらで、と

好きな部分を、自分なりにミックスしてご注文されました。



今回は、フィッティングに少し改良の余地がありましたから、

その部分を調整して、型紙を引き直します。



そして、「春らしい雰囲気で~♪」という事で、英国リバティー百貨店

リバティープリント
を、個別手配させて頂きました。





スーツの場合は、使う芯地やその他いろいろな問題で、コピーは難しいのですが、

シャツの場合は、かなりのレベルで再現が可能です。

Oさん、楽しみにしてて下さいね♪

Wさんのブラウンのアイリッシュリネンのスーツが仕立て上がりました。
ジャストサイズがお好みのWさん、ウエスト周りも8cmのゆとりしか取っていません。

下の2つの画像、どちらがスタイル良く見えますか?
*今回お仕立てさせて頂いたジャケット。
*数年前に他店様で作られたジャケット。
どちらも〝3ボタン中1ボタン掛け〟スタイルで、寸法もお腹周りを始め、ほぼ同じですが、
Wさんの姿勢に合ったフィッティングが出来ているかどうかで、
見え方(シルエット)はぜんぜん違ってきます。
もちろん好みはあると思いますが。

ここまでタイトにすると、着る方の体のクセがリアルに現れるために、
かなりシビアなフィッティングが要求されるのですが、
仮縫いなしでも見事に決まりました(自慢♪

フィッティングだけで考えると、
これはオーダーだから可能という事でもなく、
既製服からでも、自分の体に合ったものを見付け出す〝目〟
を持っていれば、充分可能な事だと思っています。
ただ僕の場合、身長163cmでバスト98cmなので、ほぼ不可能(苦笑。

Wさん、いつもブログネタのご提供ありがとうございます(笑!



シリアを旅した時に、唯一出逢った日本人であるY夫妻と、

ダマスカス空港から中東の3Pと呼ばれる1つ、パルミラ遺跡までタクシーをシェアしました。

Yご夫妻とは、そこから2泊ご一緒させて頂いた間に、

世界中を旅された経験から、色々な興味深いお話を伺ったのですが、

旅に対して、それまで僕が思っていたものとは違った価値観に気付かせて頂きました。



【パルミラに向かう途中で、チャーターした車が故障しました。(笑)】





でも、それより何よりも印象に残ったのは、

年をとっても(失礼!)、お2人が素敵なご夫婦だったって事です。

そのご夫妻から今朝、

ピースボートで4ヶ月間かけて地球一周してきました!というお手紙を頂きました。

勤続30年を区切りに、80歳のお母様と共に3人で乗船されたそうです。

これまた素敵じゃないですか!







様々な年齢・性別・職種・国籍の異なった大勢の人たちとの出会いを通して、

言葉で表現できない、涙の出る感動をたくさんもらったそうです。

Yご夫妻の言葉は、最後に「学びと出会いを大切にしながら、今まで以上に自分らしく、

心豊かに歩んでいきたいと思っています。」と結ばれています。



僕たちが50歳を越えても、そんな謙虚な気持ちを持ち続けたい、、

そしてご夫妻のように子供心を失わない冒険家でいたい。

あらためて、しみじみとそう思いました。



でもよく考えると、ありがたい事に、

僕は今の仕事でも、年齢・性別・職種・国籍の異なったお客様との出会いがあります。

毎日の生活の中で、謙虚な気持ちを忘れず、誠実な生き方を実践できます。

仕事をさせて下さっている皆さまに感謝ですね♪



【パルミラ遺跡を歩く、Y夫妻の後ろ姿】

Yさん!近々、久々に遊びに行かせて下さいね♪