この生地を見られた方は、少なからず目を奪われるようです。
ただ現実的には、これを選ぶ事が出来る方は贅沢なんだろうなと思います。
注文主のN女史もその一人で、ご自身へのご褒美(カンフル剤!)として選ばれたようです。
※ボタンは、
僕がナポリで仕入れてきた5mm厚の貝ボタンをお選び下さいました。
この生地は、
スコフィールド&スミス社の物で、
モヘア&120’Sウールに、リネンとシルクが45%も織り込まれ、
光沢感のある、何とも奥深い表情をしているのに、軽やかな雰囲気が際立っています。
このような〝サマーツイード〟と呼ばれる生地は、
異素材を数多くブレンドし、上品ながらも野趣味溢れる雰囲気があります。
田中千代の
服飾事典によれば、「ツイードとは獣毛、主に羊毛のうち短繊維のみを用いて、
毛糸を製する工程、あるいはその織物をいう」と記されています。
もし仮に、無理やりですが(笑、、
短繊維をTweed(ツイード)の定義とすれば、
麻やシルク(繭くず/短繊維)、(アンゴラ)モヘアなどは
繊維長が短く、そう云った意味では、まさに〝ツイード〟と呼ぶに相応しいです!
これらの素材は、通気性や吸汗性にも優れているので、
まさに〝サマー〟ツイード、夏の高級素材の1つに違いありませんね。