イタリアで技術を磨いてきた、
ミラノ在住9年目になるサルトが来日し、
マッセアトゥーラでオーダー会を開催する運びとなりました。

◆日程:2013年 4月20日(金)・21日(土)
◆時間:両日とも基本11:00 ~ 20:00
◆場所:マッセアトゥーラ(ハービスPLAZA2階)

両日とも完全予約制とさせて頂きます。
ご来店の前に、ご予約か、ご確認のご連絡をお願いします。
06-6345-8708(FAX:6345-8818) salon@masseattura.com


ここからは長いので、ご興味のある方だけ読んで下さいね!

サルトリアの名前は『サルトリアクレセント』。
サルトリアクレセントとマッセアトゥーラのコラボレーション。
それは、お客様のご希望を汲み取って図面(指示書)に翻訳する住宅建築家と、
図面の意図を汲み取って家(洋服)を建てる大工の関係に似ています。

イタリアでオーダーしたいけれど、言葉で伝え切れるか自信がない。
仮縫も含めて、果たして細かな部分まで伝えられるのか。
伝わったとしても、
日本人の骨格に慣れていないイタリア人に、
日本人の骨格に綺麗に添う、自分好みの洋服が創れるのだろうか。

僕がお客様の洋服をお作りする際に常に注意していることがあります。
それは、どういう洋服をご希望なのかを、出来るだけ具体的に把握することです。
その上で、お客様をどう見せる服が良いのか、
どういう肉体の再構築が適当なのかを見極めることです。
単なるサイズの合った服が、Masse Atturaの服作りではありません。
どこまで表現できるのか、です。

同じサイズの洋服でも、立体寸法の採り方によっては、
着た時の見え方は、エレガントにもスポーティーにも変化します。
これは意外に多くの方が気付かれていない部分のようで、、ここを追求する事が、
重要だと考えています。

バスト100cm、ウエスト88cmの僕自身、如何にスマートに見えるかを追求し続けてきました。
それなら洋服じゃなくて、自分の体を再構築しろ!って話なんですけどね(苦笑。

サルトリアクレセントは、その
僕の『ややこしい体型』をスマートに見せてくれました。
そんなクレセントだからこそ、10年近い時を経て今回の受注会開催に至りました。
*受注会ではなかったですが、お客様の洋服を創ってもらいました。

ミラノの洋服は、
正当な英国スタイルを基本とし、
そこに、イタリア流のエロガンスをぶち込んだ服です。
簡単に言うと、英国スタイルの正統性をイタリア人の感性で表現した服です。
まさしくMasse Atturaの『イタリアの陽光とイギリスの陰影』です。

彼は日本の縫製工場で2年間、生産管理者として働いた後ミラノに渡りました。
糸と針(ミシンではなく)を持ったのはイタリアが最初です。
彼の血液型からしても?出来上がる洋服は生粋のミラネーゼです(笑。

彼が縫っている洋服を、誰が着ているかを知れば、納得されるでしょう。
ご興味のある方は、直接ご連絡を戴けますと、
詳細をお伝えいたします。

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以下、クレセントの河合氏からの挨拶です。

皆さまはじめまして。クレセントの河合です。
私がサルトになるためにミラノに飛び込んでから9年目になりました。
その間、いくつかのサルトリアを経験し、
数多くの老サルトの隣りでひたすら喰らいついて、体で覚えてきました。
名前も覚えてもらえない、親切丁寧に教えてもらうなんて夢のまた夢。
縫い方も、線の引き方も、デザインの決め方も。
あえて理屈は後回しにして、昔の丁稚奉公の職人と同じように過ごすことで、
60歳70歳を越した老職人たちの全盛期を追体験してきました。

“Le parole non fanno la giacca, sono le mani che fanno la giacca”
  (言葉ではジャケットは出来ない、手がジャケットを作るんだ)
  服作りの話は全くしなかったマエストロが、ある時不意にわたしに言った言葉です。

指先で、針先で、布がどう動きたがっているのかを、言葉や理屈を超えて感じ取ることができる。
それでこそサルトだと、自信とプライドに満ちたこの言葉に教えられました。

型紙もアイロンも、2つの手も、全てを駆使して、
平面の布から身体を柔らかく包む曲面を創造するのです。

生み出す服はまさに作り手の分身であって、ふたつと同じものはあり得ません。
数値的な合理的な基準も超えて、また、「想い」「ぬくもり」という情緒的な表現だけにもとどまらない、
そういう服作りこそが、手で縫う意味だと考えています。
一人のサルトであるからこそできる造形です。

この度、もう10年の付き合いになる柳瀬さんとコラボレーションをして頂く事になりました。
柳瀬さんの感性と徹底したモノ作りに対する姿勢、
ここにミラノの伝統を掛け算することで、
これまでにない、新たな一着が産まれると思います。
皆さまの洋服作りに関わらせて頂ける事を楽しみにしております。


ご注文頂いた時に、色々と話していた中で、
今日お渡しの時に、ご購入された靴をお持ち下さいました。
色もとても綺麗ですし、何より、トゥのシェイプが絶妙でサイコーです!
穿いて頂いた時のボリューム感もバッチリでした。Kさん、いつもありがとうございます!
今日新たにご注文頂いたコットンソラーロも、楽しみですね。今回も、また靴、お願いしますね!(笑




お気に入りのワンピースをお持ち頂きました。
夏にサラッと着られて、とっても便利なこのワンピースをベースに、
もっと好みのシルエットやデザインに、リデザインして欲しいとのご希望です。バックジップ仕様でしたから、
サイドジップにして背中をシームレスに、よりエレガントにと提案をさせて頂いたところ、
主人の仕事を取ったら駄目!変えないで♪とのこと。ご馳走様でした(笑。


こちらからも、2つのデザイン提案させて頂きました。
気に入って頂ける生地が見付からず、今から探してみますね。
シーズン終わらないように、早く頑張ります!
Hさん今回も楽しいオーダーを頂き、
ありがとうございます。




4日間に渡って幕張メッセで開催された技能グランプリ
技術の中山君は、1位にはなれませんでしたが、日々仕事をしながら、
この1ヶ月余り、特に最後の10日程は寝ずに準備をしてきたことに敢闘賞を贈ります。


中山君は「僕を教えてくれた先輩(先生方)を抜こう抜こうと思っているんです。」と、、
僕が先輩なら、そんな後輩を頼もしく思うだろうし、自分も頑張ろうという気にさせられます。


実際に抜ける事はないにせよ、そんな気持ちをもって日々技術に打ち込む姿には、ホント感服させられます。


こんな大舞台で頑張れた事だけでも凄い事だと思います。
ナポリのラッジオ氏は、針を持つと震えていた手がビタッと止まりましたが(笑、
こんな舞台では、普段は大丈夫な中山君も、手が震え、、はしなかったのですが、それくらいの緊張感。


中山君、お疲れさまでした。
学校の生徒の皆も、いつかこの舞台に立てるよう
頑張ってもらいたいですね、、中山君を追い抜こうと言う気持ちで(笑。




以前お伝えしていた洋服が出来上がって、今日お渡しでした。
肩巾だけじゃなく、上胸巾も沿わせました。
肩の傾斜角も変わってきていてたので、現状に合わせました。
使っている糸、針目もオリジナルに合わせて、雰囲気を全く変えずに縫いました。
もちろん、いつものことですが、縫ったのは僕ではなくて技術の中山君です(笑。お疲れさまでした!


やはり15年すると、少しずつ体型も変わります。
首の付け根に筋肉がつくと、傾斜角は撫肩になりますし、逆に
筋肉が落ちると、結果として怒肩になりますから、角度の調整が必要になります。
もちろん誰でもじゃなく、体を鍛えられていた方がトレーニングを止められたり、逆に始められたり、、
すると段々、体に合わなくなってきます。愛着のある洋服だけに、特に今回のような人の手で縫われた高価な洋服など
きっちり合わせて、こうして新しい息吹を入れてあげれば、また今から何十年と着て頂けます。
プレスも雰囲気を壊さないように、全体にスチームを入れさせて頂きました。
Tさん、楽しい仕事をさせて頂きありがとうございました。
中山君は悶々としていましたけどね。




ドラッパーズのホップサック調のコットンジャケット。
ナポリクチュール2度目のオーダーで、今回のジャケットで落ち着けば、
次回は仮縫しなくても大丈夫です。生地の違いによる着用感やドレープ感を気にされるなら
もちろん仮縫をさせて頂きますので、お好みでどうぞ。ちなみに僕自身の服だと仮縫しない派なんですけどね(笑。
今回は、1着目から再調整をさせて頂き、その確認の為の仮縫でしたがバッチリです!
3月末辺りの出来上がり予定で、アメリカ出張に間に合わせる事が出来ませんでした、ごめんなさい。



Oさんから、古き良き時代の?(失礼!)大切に着てこられたラルフローレンのジャケットをお預かりしました。
雰囲気も質感も、Oさんご自身のラルフローレンITEMの中では最高ランクだそうです。
濃厚な作り込みがされていて、今の物作りとは全然、違いますね。
どんどん手の込んだ物作りが出来なくなっています。
世の中から、なくなってきています。


僕もラルフローレン歴35年です!(笑。
この質感、大学時代に初めてアメリカに行った時に買った
ラルフローレンに似ていて、人の手を濃厚に感じる、とても手の込んだ作りです。


今回のお直しは、全てが連動しているので、
ほぼ全部バラバラにしなくてはなりませんが、全部を解くと、
作業効率的には良くなりますが、元の縫いの雰囲気とかが分り難くなるので、


ある程度を残して解きました。といっても、7割方は解いていますが、、
まずは糸ですが、色だけではなく、光沢感も揃えないと、縫った時に浮かび上がりかねません。


着丈もバックベルトを4センチ上に上げるのですが、このベルトがまた厄介で、貼り付けではなく切り替えてあるんです。
なので着丈を詰める、、と云うより、ベルト部分で解いて、ベルトから下と一緒に全体に上に移動します。
すると、両脇が長く残ってしまいますから、長さを合わせる為に4センチCUTします。
前端は2.5cmカットに留めておき、前傾斜をつけることにします。
とても難解な仕立て直しですが、燃えます(爆。
パズルを組み立て感覚が楽しいです。
楽しみにしてて下さいね!





姉妹店『TENOMICA Loissini』は昨年9月の開店以来皆さまのご厚情をいただき、
masseatturaとの2店舗体制にて、営業を続けて参りましたが、
来る2月28日(木)をもって、閉店する事になります。
何分急なことになりまして申し訳ありません。
何卒ご容赦の程お願い申し上げます。

短い期間ではございましたが、
皆様のご愛顧に心から感謝申し上げますと共に、
皆さまの、今後のますますのご健勝を心からお祈り申し上げます。

何時の日か、再開出来ることを願いつつ、
まずは略儀ながら書面にて、弊店のご挨拶とさせて頂きます。



5~3年着られたシャツの襟とカフの取り替えをさせて頂きました。
大切に着て頂いてありがとうございます!
取り替えた襟とカフも、何かに再利用して下さいね。
僕なら、、今だと店のフローリングのオイル引きに使うかな?(笑

昔、おばあちゃんが、使っていたタオルが悪くなると、切って縫って雑巾にしてました。
物を大切に、思い出を大切に、、使い捨ての時代だからこそ、日本の勿体ない文化を思い出します。
費用的にも、取り替え代を足して2で割って、1枚換算すれば、プレタ(既製)のシャツと似たような金額になります!
僕が高校時代に買ってもらった靴も、親からこう言い聞かせられました。
そういう事を教えてくれた祖母や親に感謝です。


Iさん、これからまた同じだけ使って頂けると思います。
3回目は微妙ですが、家で洗って頂いているので、2回目は全く大丈夫です。
いつもマッセアトゥーラのシャツを大切に洗って頂き、着て頂き、本当にありがとうございます。



10年ほど前までのジョルジオ・アルマーニのスーツをこよなく愛されているSさんから、
同じシルエットのパンツが欲しいと、3本お持ち頂きました。
どれも同じ時代の物ですが、Sさんはその微妙な線の違いが見えておられます。


これらのパンツ3本から、Sさんの気に入っておられる線を、良いトコ取りして仮縫いさせて頂きます。
生地もドレープ性に富んだ、落ち感のある生地をお選び頂きました。
仮縫いが楽しみです!ロンドン出張からお帰りに
なられる頃に出来上がってます!