奥さまは、パーティー用にシルクウールのジャガード(ペイズリー柄)で。
ご主人Tさんは、Tさんらしい絶妙の色合いのチェック。
今回も、着ていく程に味わい深くなる生地、
手縫服に相応しいセレクトです。


奥さまのドレス、綺麗な生地です。
シルクとウールがほぼ50/50で、独特のドレープが生まれます。




随分と進んできて、もう少しです!
着丈を短くする為に、腰のポケットを移動しました。
このポケットは表側に付いているのですが、見返側(裏側)にも
このポケットよりも小さいポケットが付いているので、先にそちらを移動してから、
表の方を移動させました。革のトリミングが硬いので、太い針に替えて動力ミシンを手回しで縫います。


次に着丈(後丈)を短くするのですが、
バックベルト位置を上に移動したいリクエストですが、
これがまた厄介で、身頃の上にベルトが貼り付けられているのではなく、
後身頃の生地を上下に分断するように挟み込まれているので、上に移動しようとすると、
バックベルトよりも上の後身頃でカットし、ベルトから下全体を移動して上に移動しなければなりません。
画像のように先に背中だけ短くしたので、両脇は長いままです
これから両脇を短くして着丈を合わせ、フロントカーブへとラインをつなげます。


Tさんが体重を落とされた事と、スリムフィットにされたいとの事で、
今回は、かなり肩巾や身巾を詰めなければなりません。


身頃側のアームホールと、袖側のアームホールが合わなくなるので、
袖側の線を引きなおして、見え方と着用感せめぎ合いの中でバランスを考えて袖を付けます。


肩巾や上胸巾を詰めたので、
ガンパッチも、バランスを考えてサイズ変更しました。(まだ、解いた後の糸の縫い目が残っています)
最初から作るより、手間は数倍かかる事になるのですが、Oさんが愛着をお持ちの
ジャケットですから、やるならトコトンやる!精神で頑張ります。


あと、もう少しで完成です!
Oさん、長らくお待たせして申し訳ありません!!



Tさんご夫妻がNBAを見に行かれ、お土産を頂きました!
日本では売ってないパッケージで、当然のこと、テイストも別物です!
重いのに、わざわざありがとうございます! こんなレアもの、めちゃくちゃ嬉しいです! 
赤い方(レッドエディション)がクランベリーテイストで、シルバーエディションはスッキリしたライムテイスト。
興奮して、ご夫婦揃っての仮縫の着せ付け風景を、撮り忘れました(大汗。
Tさん!完成したら撮影させて下さいね!
ごちそうさまでした!!





以前ご紹介しました
ブリスベンモスのコットンスーツです。
型紙は安定しているので、生地とのバランスを考えるだけです。
Nさん、いつもありがとうございます! 暑くなって着られなくなる前に仕上げますね!
今一番、コットン素材が気持ちの良い季節ですからね!




ジャケットに合わせて、シャツを2枚オーダー下さいました。
1枚は夜用?もう1枚はお花見用!?さて、どちらがどちらでしょうか?(笑

奥さまがお選びになられたシルク×リネン×ウールのジャケットは、とても個性的なのですが、
さすが奥さま、Tさんの事を知り尽くされていらっしゃるだけに(笑、
めっちゃくちゃお似合いの生地をお選び頂きました!


チャーミングな色使いでしょ!上の雰囲気とは違います。
同じジャケットなのに、シャツでこれだけ雰囲気が違ってくるんです。
Tさん、いつもありがとうございます! TPOで、そして気分で楽しんで下さいね!




巷で人気のピンク(クラウンもピンク色が出ましたね!)のジャケットは、
シルク80%、リネン20%のゴージャスな素材です。
めちゃくちゃ決まってます!
俳優さんみたい♪


襟を立てたら、どんな感じになるでしょう!?
と云うことで、サッと試してくださるKさんご夫妻のノリに感動♪
いつも楽しんで下さいまして(僕も楽しませてもらってます!)ありがとうございます!


奥さまは、今年の流行色『エメラルドグリーン』の千鳥格子のジャケットです。
襟の裏にはエクセーヌ(人工スエード皮革)を使ってみました。


Kさん、いつもご夫妻でありがとうございます!
相手を敬い合えるKさんご夫妻をイメージしながら、関係を築いていきます。



ご希望通りの柄を配置しようと、パズルに頭を抱えています。


どうでしょうか!上手く出ましたね!!
今からまだ最後の難関、襟の部分が残っていますが、
残った生地から、上手く切り取れるか、ちょっと心配になってきました(汗。
でもCさん!何とか頑張ります!!(といっても、技術の中山君が頑張るんですけどね!!(笑


この生地、メーカー公表値で8%縮むそうです。
裁断前に洗って乾燥機に入れたのですが、5%しか縮んでませんでした。
結局トータルで、洗濯3時間強、ガス乾燥30分でやっと8%まで縮みましたので、それから裁断。
大きく作っておいて、着て馴染ませながら適正サイズにしても良いですが、最初から縮めて欲しい!ご希望が多いです。



今日は早朝から
マイスターファクトリー2期生を連れ、
一宮の三星毛糸さんに見学に行かせて頂きました
尾州(尾張)一帯は、奈良時代に始まった絹織物の産地です。
木曽川が作る扇状地、水捌けの良い自然堤防や三角州を桑畑として利用し、
農家の副業として織物が発達しました。絹は高級品で一般の人は手が届きませんでしたが、
その後に綿織物が登場し、絹織物は一旦衰退しましたが、鎌倉時代初期に再び織られるようになったそうです。
毛織物自体は明治の終わり頃から始まったので、まだ100年ほどの歴史です。
三星毛糸さんでは、50~60年前から現在に至るまで、
ションヘル織機だけが稼動しており、
織り上がった生地は、自社の染色整理工場で仕上げをされてます。


ションヘル織機(シャトル織機)が動く機場は、
シャトルが飛び交う心地良い音(少し大きいですが)がします。
手機(てばた)に動力装置を付けただけというションヘル織機は、ウール本来が持つ性質を損なうことなく
手織りの風合いを保ちながら、手触りの柔らかい上質な生地を織り上げることが出来ます。
ここでも高齢化が進み、跡取りはいらっしゃらず、継続が危ぶまれています。


熱心に教えて下さる工場長。
無粋にも「何年されてますか?」と聞くと、
お茶目な表情で、「歳がばれるやないか!」と言われました。


ションヘル織機の存在感に圧倒される2期生。
僕も今まで何度も見せてもらってきましたが、何度見ても圧巻です!


色の付いた『ゴマ』のセッティングで柄が変わります。
今のシャトルレス織機は、コンピューター制御になっています。


織機の上に設置された機械は生地に耳を付けるためのもので、
デザイン(文字など)は、茶色の紋紙で、その織り込まれる内容が指示されます。
これも今の織機だと、コンピューター制御です。


画像の左の方に、シャトル受けが4段見えますが、わかりますか?
ここからシャトルが勢いよく飛び出してゆき、またここにシャトルが戻ってきます。
このシャトルが緯糸(ヨコ糸)を打ち込んでいきます。以前、葛利毛織さんの時に詳しく書いています


画像の奥の方(右側)にある色の付いた『ゴマ』もそうですが、
手前に見える鉄製のゴマのようなものも、デザインを指示するためのもので、
この数が多くなればなる程、長くなればなる程、複雑なテキスタイルデザインになってゆきます。


経糸(タテ糸)が切れたので、機械を止めて、糸をつないでおられるところです。
機織は経糸を如何に均一なテンションで綺麗にセッティングするかがとても重要で、神経を磨り減らす作業です。


続いて、織り上がった生地は、皆さんが見慣れた生地ではなく、
整理行程(フィニッシング)を経て、完成します。
織り上がったばかりの生地に、化粧は施されていません。
この化粧(整理行程)の上手い下手で、見栄えが変わるので、とても大切な行程です。
以前、テイラー&ロッヂが自社から整理行程を外注に切り替えたときも「あのテイラー&ロッヂが!?」
と言われたほど、生地の出来の良し悪しに大きく影響する大切な行程です。


工場内には、たくさんの機械がたくさんあって、
出したい風合いによって使う機械を組み合わせます。
流れ作業ではなく単独稼動させるので効率は悪いですが、
使う機械の組み合わせ方で細かなオーダーにも応えられます。

大野工場長の詳細なご説明に聞き入るマイスターファクトリーの2期生たち。
現場はスニーカーで!と、お気遣いのご連絡を頂き、カジュアルな服装で失礼しました。


見学が終わってから、
アーカイブ(過去の生地見本)を見せて頂き、60年ほど前の生地から保管されていました。
それらを見せてもらったり、画像の『枡見本』を見せてもらったり、
生地が織られる前の企画段階の話も教えて頂け、
とても有意義な経験になりました。


こちらはダブルフェイスの枡見本です。
経糸(タテ糸)を揃えた後、緯糸(ヨコ糸)の色を少しずつ替えていく事で、
このような生地(枡見本)を織る事ができます。そしてこの中から、どの色にするかを決めてゆきます。


びっくりしました!カセンティーノ発見!
見慣れた表情と何か違うなと思ったら、ケンピが入っています。
右が加工前の生地で、左が加工後の和製『カセンティーノ』で、プルミエールビジョン
出品された物のようです。ずいぶん前から織られていたそうで、ビックリ!!
この生地も、低速織機で織られているんですよ!!!


この前のA/Wでオーダー頂いたコートに使ったポッサムの生地
こんな小さな動物の毛を使っているので、めちゃくちゃ手間が掛かってます!


2期生のレポートの中に嬉しい内容がありました。
使う材料によって生地の価格が変わる事は想像していたけれど、
その奥にある、生地を織る人たちの毎日の苦労と努力の値段は余り知られていません。
同じ材料を使っても、手間隙を掛けて織られた生地と、効率を求めて作られた生地とでは、経年『変化』か、
それとも経年『劣化』かの違いがあります。どちらが良いかは人の好みなので何とも言えませんが、
モードより、長く着るクラシックな洋服なら、経年劣化では寂しいですよね。
やはり手間隙かけて織られた生地は、長く着て頂けます。
例えば家も、30年で伐採した木で建てた家は30年しかもたないけれど、、
樹齢100年の木で作った家は、100年以上はもつ!と言われる事と、全く同じですね。

どうやって生地が作られるかを知り、
生地に関わる方のお話を直接聞けた貴重な経験を、
今後のモノ作りや接客に役立て、業界の活性につなげて下さい。

三星毛糸の岩田社長を初め、
窓口となってご尽力くださった森谷さん、
またサポートして下さった神田さん、大野工場長、
皆さまの貴重なお時間を割いて頂き、今回の見学会が実現した事、
本当にありがとうございました。この経験を無駄にする事なく今後につなげていきます。
ゆっくり考えている時間は、もうそんなにないと思っています。
産業革命から今まで発展してきた事の歪!?
上の文章をクリックして頂くと、その文章の最後の方に、産業革命の事を少しだけ書いています。
世界史?中学校の歴史の復習!?にちょっと読んでみて下さい(笑。



Nさんからオーダー頂いたブリスベンモスの中肉(320g)の高密度ポプリン素材。
サラッとした肌触りに、ギラつきのない落ち着いた光沢が、英国らしいです。
切躾(キリビ)を打つにもひと苦労で、いつもの7号針だと通り難く、
9号針と和裁用の躾糸を使って仮縫作業を進めてます。
それでも指にマメが出来、、はしませんが(笑、
結構、この生地の仮縫は手強いです。


コットンの持つ『バネ(張力)』と相談しながら、クセ取りの加減を調整します。


芯も、出来上がった既製芯ではなく、
コットンの張りに合わせて、芯地の組み合わせを考え、
お客様のご希望されるの雰囲気、着用感を生み出せるように手作りします。


コットンだからこその、経年変化を楽しめるスーツとなります。
先にパンツが痛んだとしても、ジャケットとして10年15年と更にエイジングを愉しんで頂ける事でしょう。



Hさんお気に入りのシンプルで上質なワンピースをベースに
イタリアの至宝、カルロバルベラのシルク×ウール×リネン素材で仮縫させて頂きました。


ウエストの絞り位置を下げ、全体のシェイプラインを調整しました。
ご自身の体型や微妙なお好みの違いまで反映させて作るワンピースですから、
一旦、Myパターン(型紙)を作ってしまえば、次からは生地を変えるだけで完成します。
たくさんデザインを見てきて、ご自身の好みが明確になってきた方はシンプルで自分らしいスタイルに
男女を問わず、行き着くようですね。


ここでカルロバルベラについて少し触れておきます。
オーストラリアのオークションに赴いて、直接原毛を買い付け、
糸に加工してもらう段階から自社基準に基づいた糸作りをしてもらいます。
織機こそ低速織機を使っていませんがバルベラの糸は、その最高級の原毛を染色して
糸にしてから直ぐに使うのではなく、生地に織る前の『糸の段階』でリラックスさせてから使ったり、
生地に織り上がってから『整理行程』に時間をかけたりと、ゆったりと流れる時間の中で生地にしてゆきます。
以前、ロンドンマーチャントのFINTEXの生地を、生地のロールスロイスと言いましたが、
バルベラの生地を車に例えるなら、ランボルギーニ?マセラティ?と云ったところでしょうか。(意味不明!?