先日、ご紹介させて頂きました生地が、英国のピーブルスの町から到着いたしました。
Super140'S+SilverMink&Cashmere

生地が到着するまでに型紙は引き終わっておき、
いよいよ生地を裁断していきます。
裁断

芯も、型紙と共に、先に作っておいたので
仮縫い作業がどんどん進みます。


技術の中山君の手が、水を得た魚のようになっています(笑。
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Hさん、長らくお待たせしました!
Hさんを引き立たせるコートに仕立てあがりました。喜んで頂け、
僕たちも本当に嬉しいです。喜んで頂けた時の笑顔を糧に、「また頑張ろう!」って思うんですよ。
素敵です!

後姿もエレガントです。あまり絞り過ぎずに正解ですね!
春のワンピース、70年代風で(笑。本当にありがとうございました。
技術の中山共々、心から感謝いたします。
後姿もエレガント!

中山君「嫁がせる気分やぁ~」って言いながら、最後に記念写真を(笑。
素敵なオート、ありがとうございました!



Mさんにいつも着て頂いている
スーツのデザイン・シルエットと同じデザインで
今回はコートをオーダー下さいました。(ご着用時の写真、、ごめんなさい)
フレア袖、絞りまくったウエストライン、更にフレアーをかけた裾周り、、物凄いシルエットです!
Mさん、いつも『パンチの効いた!』紳士服、ありがとうございます。
作り手側としても、楽しませて頂いております。
また次回、写真お願い致しますね!
パンチの効いたコート

同じシルエットの生地違いで2着ご注文頂きました!
先に1着目を作らせて頂いてから微調整し、
ご確認頂いた上で、2着目へ、、
ちなみにMさん率いるブランドも、、パンチがあります(笑!


種子島ご出身のNさんから
種子島産の安納芋と芋焼酎を頂きました。
最近、安納芋をたま~に見かけるようになりましたが、
すごく美味しいお芋さんで、楽しみです。いつもありがとうございます。
以前、鹿児島で食べた安納芋の芋納豆が忘れられません。思い出しただけでよだれが(笑。
安納芋と芋焼酎



名刺を作るために、紙を見せてもらいました。
紙にも縦と横があり、縦方向がシッカリ、横方向は柔らかくて腰が弱いです。
マッセアトゥーラの印刷物を初め、色々とお願いしている平田印刷さんに話を聞くと、生地と似てる事が多く、
聞いていて、ワクワクしたので、今日あったその話を書きます。 
名刺の紙選び

生地の場合は、基本は縦方向に張りがあるのですが、
使う素材や織り方によって、あまりどちらがどうとは決まっておらず、
例えばモヘア混の場合だと、横方向にモヘア糸を使うので、横方向に張りが出てきます。
シルク混だと、シルクを経糸に使うので、落ち感(服が広がらずにストンと落ちる感じ)が出てきます。

話は、生地から紙に戻って(笑、
マッセアトゥーラの名刺のデザインは横長型ですので、
シッカリした印象になるよう、張りのある縦方向を横向きに使ってもらいます。

他にも面白かったのは、
今までと同じように印刷をすると、紙質によって
はっきりシャープに見えたり、少し滲んだような優しい感じに見えたりするので、
その辺りも気にして印刷をしないと、印象がガラッと変わります。

またまた洋服でも同じで、生地によって
着用感が変わったり、見え方も変わってくるので、
特にリピーターの方には、その辺りをしっかりお伝えした上で、
寸法を決めていきます。

今回は印刷業界との共通点でしたが、
他にも建築設計関係や、時には物理学の先生との共通点。
この仕事をしていて楽しいことは沢山あるのですが、こんな洋服以外の話も、
その中の1つで、色々な話題から、客観的に自分の仕事に置き換えて考えるのがとても楽しいです。

平田さん、色々とご説明頂き、勉強になりました。
お客様へに説明する時の、とてもいい勉強になりました!!
*この名刺は、僕のイメージを平田さんにカタチにしてもらいました。
 名刺って自分の分身で究極のオーダーだと思います。スタート時(1999年)と同じ、、
 ただ今回、同じ紙が廃盤になったので、今までと似た物を創ろうと、こんな話題になりました!!
 最初はどうしようかと思いましたが、結果的には、紙の廃盤に乾杯ですね(笑。



今日、チェレリーニをオーダーして頂いたMさんの腕には、、
潜水能力も史上最高らしいですが、その存在感も最高峰に達しています!!
チタンケースにカーボンベゼルと軽量化が図られていますが、それでも何と185gもあります。
おまけにヘリウムエスケイプバルブを装備しているので、ヘリウム混合ガスを使った飽和潜水にも対応しています。
腕につけさせて頂いたのですが、小柄な僕がすると、時計が歩いているようでした(汗。
HUBLOT



10年来のお付き合いをして頂いているTさんから、鞄に小袋を付けて欲しいとのご依頼です。
黒い鞄に、Tさん会社で織っておられる生地を使って小物収納を付けました。
片方は1コンパートメント、もう片方は2コンパートメント。
これで、鞄の中で、
小物がゴチャゴチャ散らかりませんね。
それにしてもこの色、Tさんらしい艶やかな組み合わせ♪ 
鞄にポケットを追加する



この冬、多くの方からご好評を頂きました『イニシャルを入れて、マイストール』ですが、
春物として、リネン(30%)×カシミア(70%)素材の取り扱いを始めます。
無彩色のみ5色の展開ですが、春らしいお洋服と合わせて頂く場合、
色が喧嘩せずにまとまりますので、色を気にせず何色の
お洋服にでも、合わせて頂けるので便利です。
こちらも、英国でイニシャルを入れてお手元にお届け出来るまで2週間頂きます。
ご自分用ばかりか、プレゼントにもご利用頂けます
Joshua Ellis



今日、Nさんがお選び下さった生地です。
先日先にオーダー頂いたお洋服をお渡しの時に、
たまたま机の上に出ていた生地を気に入って下さいまして、
その時に僕が「この生地なら工房で仕立てさせて頂いたら、もっと
味わい深いお洋服になりますので、お勧めですよ!」と、お伝えしたんです。
Innes Chambers 『VICTORY』

その言葉に、Nさん凄くご興味を持たれ、
すかさず「生地によって仕立てを替えた方が良いって、
仕立て方で、そんな違いが出てくるの?」と、ご質問を頂きました。

その生地はラムズゴールデンベールを使用し、
更にその中でも、ほぼ同じ繊維長の原毛を使っており、
ドブクロス織機で織り、油脂分をたっぷり含んだ天然石鹸で洗い、
その後の乾燥も、乾燥機ではなく、10日間もかけて、ゆっくりと自然乾燥させるといった
昔ながらの製法を採っている生地でした。昔はこれが普通でしたが、今では気の遠くなるような作業です。
(この生地につきましては、後日改めて紹介させて頂きます。)

こんな生地に比べて、最近の織機で織られた生地は、
緯糸にかかるテンションが強く、生地が持つ柔らかい風合いや弾力性が失われてしまいます。
それに対して、ドブクロス織機でゆっくりと低速で織られた生地は、
糸にテンションがかからず、ふんわりとしたウール本来の柔らかな風合いと弾力性に富んだものに仕上がります。

そんな生地は、時間がかかってでも、手でゆっくりと縫えば、
生地が持つ風合いや弾力性を損なわずに、着用感の良い立体的な洋服に仕上がります。
弾力性のある生地に高速ミシンで縫った場合と、
ゆっくりとした速度(部分に世よっては糸と針で)で縫った場合では、
実際に縫った所を見比べてみると、その差は一目瞭然です。

そんなこんなで、設計士という立場で物作りをされているNさんは、
とても興味を持って頂いたようで、仕立てを優先して、改めて、この生地をお選び頂きました。

だいぶ、出来てきました。
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上襟の襟先のシルエットを決めるための
とても大切なアイロンワーク。
とても微妙な作業。
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神は細部に宿る~ 
バルセロナチェアで有名な建築家、
ミース・ファン・デル・ローエが好んで使っていた言葉ですが、
ディテール(細部)にも拘らないと、全体を高次元でまとめ上げる事は難しいと云う意味で使われます。

素材や形で時代を追ったり、デザイナーの世界観で勝負するトレンドファッションとは違って、
テーラードの場合、パッと見は同じように見えても、シンプルであるが故に
デザインより、サイズ感や細部の収まりが大きな差になります。
サイジングも細部の1つと捉えています。

細部にまで美学を浸透させることで、テーラードは装飾を超えた美しさを持ちます。
テーラードの場合、シンプルに形を決めようとすればするほど
デザインを削る方向に向かいます。だからこそ、
細部の差が全体の差となって現れる。

でも、、目的を外れた細かさだけの追求にならないよう、
全体を見据えたディテールの追求を日々意識して物作りをしてゆかねばなりません。
と、、久々に真面目な事を書いてみました(笑。

船場のOさん、
もうしばらくお時間下さいね。