以前、ジャケットの仕立て直し(着心地チューンナップ)をさせて頂いたSさんですが、
そのジャケットの着用感が劇的に変わったので、それならいっその事、
最初からオーダーしてみたいわ!と言ってもらって、
出来上がってきたジャケットです。
僕とお揃いです♪(笑

ゴルフの練習に行かれる前に
ゴルフウェアを着て、寄って下さいました。
Sさん!試合のあと、このジャケット、きっと目立ちますよ!

先日、仮縫風景を撮り忘れたJさんの補正が終わって、
今から生地の裁断に入るところです。

万一を考え、質感の近いシーチングで仮縫させて頂きました。
資料をたくさんご準備頂いて、イメージを明確にお伝え下さいましたので、
仮縫はほぼ完成イメージに近いものとなり、早速本縫にかからせて頂くことになりました。
実際の生地で、もう一度仮縫を入れる事も考えたのですが、シーチングの質感が実際の生地に近かったことと、
ここまでイメージに近いと、実際に着て頂いてから、2着目に反映させた方が、、という判断からです。

このまま上手くいけば初回で、、もし微調整が入ったとしても、型紙は2着目で完成となります。
サンプルもない全く無の状態からここまで辿り着けたのは、Jさんの情熱です。
物作りは一方通行ではなく、お互いのぶつかり愛から生まれます。
20140603



Jさんからのお土産「しづく」の塩餅です。
しづくさんは、「お菓子で百薬の長を目指す」と謳われ、
味覚に敏感な方が口に入れて「違和感のない」和菓子を味わえます。
大阪では有名で、ここの和菓子なら食べられる!って方も多いのではないでしょうか。
実際、甘い物好きじゃない中山君も食べましたから(笑。Jさんの甘党土産は、中山君いつも戴きます(笑。


Jさん、いつもありがとうございます。
今日のプルオーバーの仮縫も、美味しいお菓子で和みながら、、
肝心の仮縫い風景を撮り忘れてしまいました(汗。




ハービスプラザOSAKAの2階エントランスにあるディスプレイ。
既製服を扱っている訳ではないのと、マメにディスプレイを替える習慣もなく、
いっそ、インパクトのあるシノワズリ(仏語で中国趣味)な壁紙を張ろうと思いつきました(笑。

イメージを掴むために取り敢えず、、
ハービスのサービスオフィスからオッケーを頂ければ、
ゴールドに、アイボリー1色で描かれたものを張りたいなと考えています。
CHANELのフレグランス『Coco Mademoiselle』のイメージ映像の中に出てくる配色です。
Mさん、もし決まったらお願いしますね!



チャーミングなMさんの目に止まったのは、
ガーゼのように、とても軽くて透け感のあるダブルフェイスの生地です。
「この生地でワンピース作って!とっても可愛いわ♪」
「型紙は、いつものでお願いします♪」
見られた瞬間、即決(笑。

少々滑りが悪くなっても裏地は付けず、
いっそのこと割り縫いに!
えぇ~い、そこまでいくならリバーシブル仕立てにしてやれぇ~
と、思ったのですが、生地が薄すぎて、ファスナー部分の処理などが無理です(汗。
もう少し厚手の生地なら、リバーシブルのワンピースもありですね(笑。
この生地、裏の生地が透けて表地に浮かび上がるんです♪
Mさんに着て頂いて写真撮らせてもらいますね!



こんにちは。大坂です。
みなさん、いつもハンカチ持ってますか?
先日食事をご一緒した方のハンカチの使い方に感動したのでご紹介します!
婦女子にモテたいなぁ、という方は「3枚」持ってみてください!

まず1枚は普段使い用
2枚目は汗拭き用に吸水性の良いタイプ
そして3枚目ですが、、、使っていないきれいな状態のもの
(新品、というわけではありません)


で、3枚目の活用方法ですが、女性と食事に行った時に
「洋服、汚さないように使ったらいいよ」と、自然に渡す。 です。

私は外国人の方に、「日本人ではありえない~」と、
呆れるほどの「特別扱い」を受けたことが何度もありますが、
日本人でこんな気遣いをサラッとできる人がいるのは驚愕でした(笑

やりすぎなんじゃないのぉ??
と、みなさん賛否両論あるでしょうけれど、
何事もその人の醸し出す雰囲気次第というのは否めません。。
その方はダンディでオシャレな方だったので、ますます「すてき~!!」となるわけです。

ついでに、私がお化粧室に行こうとカバンを手にしたら
「あっちだよ」と一言。
これってかなりスゴイでしょう~
女性に「トイレ」とか「化粧室」とか言わせないためなんですよね!

女性って高価なプレゼントや褒め言葉じゃなくても
ちょっとした「レディーファースト」気分を味わけるだけで
相手への評価が急上昇になったりするカワイイ生き物です。

モテたい方は「ハンカチ3枚持ち!」是非取り入れてみられてはいかがでしょうか。



細く長くコンスタントにオーダーを頂く
信三郎帆布の生地を使った『洗えるジャケット』です。
生地の状態で2時間近く洗っているので、これ以上ほとんど縮みません。
あとは、、エイジングの愉しみとして気兼ねなく洗って下さい。
どんな風に変化するかは、こちらをご覧下さい




季節に関係なくオーダー下さるKさん。
クラシックなNAVYの3ピースを、急がないので、、と。
着丈も、総丈の半分と、どこまでも基本に忠実に。しかし、フロントを
少し逃がして(フロントカーブではなく、ネックで)裾周りのボリュームを抑え気味にして、
前から見た時の長さを感じさせないよう、クラシックな中にも
スタイリッシュな雰囲気を表現してみました。
*意味、分かりませんね!


背中のラインが綺麗に沿っています。
ヒップトップを、グッと持ち上げたシルエットで、横から見ると、
脚が10センチ長くなったような視覚効果があります。



今日、新たにサッカー地の3ピースをオーダー下さいました。
そちらはビスポークチュール、ナポリから生地が到着して約1ヶ月で仕立て上がります。
素材や使い方によって、仕立て方を使い分け、オーダーを入れて下さいます。
Kさんいつもありがとうございます。サッカーの3ピース楽しみです!




以前から連載中?のジャケット再生計画も佳境に入ってきました!
いよいよ、本縫工程です。


もともとのゴージライン、分かりますか?
襟先は同じ位置ですが、ゴージの角度は随分と変わりました。
胸ポケット位置も3.0センチほど、上に移動し、ゴージラインもそれにつれて上へ移動!

Tさんの元々のご要望は、着丈や袖丈を短く、
肩巾を詰めて全体をスリムにして欲しい!という内容でしたが、
お持ちになられたジャケットは、肩の大きさを強調する為ゴージラインを下げて
厚いパッドを入れてある、いわゆるバブル期のビッグショルダージャケットに近いスタイルでしたから、

Tさんのご要望通り、
着丈や袖を短く、肩巾を狭くしてバストやウエストを細くしただけでは、
洋服のイメージを印象付ける「顔周りの印象」は変わらず、
それどころか、チグハグになってしまいます。

そんな説明をさせて頂き、
今回のような『仕立て直し』の提案をさせて頂きました。
着丈を短くすることができる状態でしたから、このようなご提案をさせて頂けたのですが、
既製服など着丈がジャストのお洋服で、全体的にスリムにするだけでしたら、
肩で着丈を詰められませんから、ゴージ位置を高くできませんし、
胸ポケットの位置も変えることは出来ませんでした。
今回は、全て良い方向に向いた事例です。


肩パッドも、Tさんの肩傾斜に合わせて左右毎に作り直してあります。
肩傾斜の設計を引き直す時に肩線を解くので、着丈を短くするのも同時に肩線で処理しました。
肩線で着丈を短くすると上襟も7センチ短くなり、ゴージがどれだけ上に移動したか分かって頂けると思います。
肩線を解いた、この流れで、
反身補正も同時に処理してしまいます。
前身頃の肩線で4センチ、後身肩線で7センチ短くし、
上襟や袖のなど各部の線を調整し、両脇の縫線で縫い合わせます。
結果、着丈は7センチ短くなっているのですが、反身補正のため前身は4センチだけです。
このように、全てを肩線(肩周り)で処理したので、
大きなアームホールも小さく浅くなって、丁度よい感じに今風です♪


フラワーホールを見て頂ければ、もとのゴージラインの角度や、
ゴージラインの低さを、容易にイメージして頂けると思います。全くの別物でしょ!
上胸巾もコンパクトになってスッキリ!
これ実は、、トムフォード風?に襟巾を1センチ広くしたので、
より一層コンパクトに見えるようになったんです!




先日のミラノ仕立てのオーダー会で、
初めてフルオーダーをオーダー頂いたNさんと、、

今回のジャケットは、手間をかけるミラノの手縫いですので、
その仕立と生地の相性を考え、これまでのNさんとの付き合いも踏まえて、
Nさんにとって、『手縫する価値のある』生地を、何点かピックアップさせて頂きました。

生地は大別して、イタリア系と英国系(日本製はこちらに属す)があります。
前者は柔らかくて身にまとわりつくような生地という印象で、
後者はシッカリした張りのある生地が多いです。

生地と同じく、仕立も、
イタリアと英国では全く違っていて、
前者は柔らかく軽やかな仕立て上がりとなり、
後者はドッシリと、重厚な仕立て上がりになります。
これは、着用感だけではなく、見た目の印象もそうなります。
国民性からしても、イタリア人と英国人とでは、全く印象が違いますもんね!


イタリア生地をイタリア仕立てした、
とても柔らかい洋服を好む方もいらっしゃいますし、
英国生地を英国仕立てした、貫禄ある洋服を好む方もいらっしゃいます。

僕の個人的な好みは、このどちらでもなく、
英国のシッカリした生地を、柔らかなイタリア仕立てしたものが好きです。

世界を飛び回る「体育会系FP」のNさんへのお勧めも、
ハードな使い方をされる事が多いですから、僕の好みを押し付けました(笑。

英国の生地はシッカリ織られているので丈夫だし、
皺も入り難く、入っても回復しやすいですから、Nさんにピッタリです。
しっかりした生地を手縫で柔らかく仕立てますので、着用感が硬過ぎる事もありません。

手縫だからとか、フルオーダーだからといって、
大切に大切に、あまり着ずにクローゼットに仕舞いこまれる方がいらっしゃいますが、
洋服は『着て頂いて何ぼ!』の世界で、着込まないと良さも分かりません。

イタリアのサルト(仕立職人)の腕の見せドコロは、
こんな硬い生地を、いかに柔らかく縫い上げるか!にあると僕は思っていますし、
スーツがたまのお洒落着!ではなく、普段の仕事着がスーツ!という方に、この組み合わせが多いのは
丈夫で長持ち、でも肩の凝らない着心地を求めて、ここに『行き着く』のではないでしょうか。


また経年変化を楽しめる生地も、このタイプです。
柔らかい生地は、着た瞬間に馴染みますが、その後の劣化は早いです。
しっかりした生地は、着た瞬間は硬くて着用感に劣るものの、
手縫だと、その後どんどん馴染んで愛着が増します。

経年劣化か、経年変化か。

どちらも一長一短ありますが、今回は
せっかく手をかけて、アイロンワーク(体に沿わせるようアイロンで生地を曲げる)
を駆使して縫い上げる洋服ですから、経年劣化する柔な生地を選ぶより、
長く愛着が湧く洋服であって欲しいと願っての選択です。

次回は、『瞬間最大風速』的な組み合わせ!
を基準にした、仕立てと生地と相性について話します。