いつもナポリの本店でオーダーしてくるのですが、
最近長らく行けてないので、ミラノの河合君に頼んで手配してもらいました。


次の春にも10本程度ですが、追加で入荷予定です。
気になる方は、お早めにお願いします。




Tさんのスーツ、キースヘンダーソンの60年代のデッドストック生地です。
男くさい独特の色気のあるツイードっぽい生地ですが、色使いはここ数年の流行色グレージュです。


キースヘンダーソンは、
まだ日本が鎖国時代だった江戸時代後期1836年に創業された、いわゆるロンドンマーチャントの1つです。
同じ年に、ホーランドシェリーがロンドンで創業しており、
今では、キースヘンダーソンは、そのホーランドシェリーの傘下になっています。
ちなみに、ホーランドシェリー社は、
鎖国中の日本と唯一交易があった国、オランダ出身のホーランド家が
家業として始めた「マーチャント(生地商)」で、日本には1913年に輸入が開始されました。
日本では、商標の都合で、InnesChambersや JohnCooper と同じコレクション内容となります。
以前、スコットランドのピーブルスにあるホーランドシェリー社の本社を訪れた時のことや、
英国ハダスフィールドのミル(機屋)を見学させて頂いた時の事も書いておりますので、こちらもご覧ください。 
2007年:ホーランドシェリー本社訪問
2002年:ドブクロス織機の見学



本年度、最後のお渡しのお客さまNさんは、
オーダー歴50年以上という方で、お好みをハッキリお持ちです。
そんなNさんのお好みと、マッセアトゥーラのお勧め部分を融合させたスーツとしました。

軽い着用感と、見た目の優しい雰囲気のスーツですが、
それでいて従来のオーダーを着てこられた方にも違和感なく受け入れてもらえる。。

技術の中山君が百貨店にいたころ、
Nさんが着ていらっしゃるようなスーツを何百と経験してきたので、
絶対に押さえておかなければならない構造的な部分と(例えばポケットに物をたくさん入れるだとか、、)
マッセアトゥーラが求める部分(手でしか成し得ない物作り)を融合してくれたので、
今日のご試着段階で、Nさんから頂いた評価は上々です。


あとは奥さまをはじめ、
周りの皆さまからの『見た目的な評価』を待つばかり。
50年以上に渡って培われたNさんのお好みと、マッセアトゥーラの考える物作りが、
果たして融合されているか、、
来年に向けて、また1つ楽しみが増えました。
Nさん、若輩者の僕たちにお任せ下さいまして感謝致します。
Nさんから、「任せて正解だったよ!」と言ってもらえることを願っています。




以前ご紹介した生地で、ジャケット&ベストの組み合わせです。
今までお洋服を着倒してこられたYさんですが、ホームページで見て直感が働いたそうです!

他にもご紹介させて頂きましたが、やっぱり予想通り、今年の人気ナンバーワンのジャケット素材でした。
今までになかった感じなので、生地をずっと見てこられた方には新鮮に映るのでしょう。
毛芯を使って柔らかく、でもシッカリと仕立てましたから、
愛着を持ってガンガン着て頂ければ、どんどん表情が優しくなっていきます。
Yさんお気に入りのお洋服となって、着るほどに馴染んでゆく感覚を愉しんで頂けることを願っています。



仮縫い後、打ち合い寸法やボタン位置などの微調整に再度お付き合い頂き、
Uさんのホワイトカシミアのチェスターコートが完成しました。
とてもゴージャスで濃厚な雰囲気が漂っています。
生地の質感を生かした仕立てです。
天然のアザミを使ってリップル加工が施されています。


前に迫り出すバストドレープからウエストにかけて、
やり過ぎ感が出ないように、立体的なバランスで上品に絞らせて頂きました。


頻繁に着ていただくコートでもないですし、
末永く着て頂くコートですから、Uさんと打ち合わせの上、
クラシックな雰囲気を漂わせる仕上がりをイメージして、完成させました。
メンテナンスについてもお伝えしていきますが、Uさんは元々業界の方で、僕より大先輩!
僕の方が教えて頂く事が多いですね。それにしても最近、元アパレル業界で、今は事業家の方が多いです。
嬉しい限りです!! Uさん、この度も本当にありがとうございました。
このような機会を託して頂き、本当に感謝しております。




ロッリさんが大絶賛して下さったスーツ、先日に引き続いて2着目です!
この生地は今年のロッリサジェスチョンで、ロッリさん余計に嬉しかったんじゃないかと思います。
英国の機屋(ミル)で織られた英国柄の生地ですが、色使いは完全にイタリア仕込み、ロッリさんデザインですから(笑!
Nさん、いつもと同じく、、この生地も、着るほどに馴染む、仕立てが活きてくる生地ですから、楽しみです♪




以前ご紹介させて頂きました、
アニオナのアルパカ素材のコートです。
先日お渡しした時に写真を撮らせて頂くのを忘れ、
お近くにお越しとかでKさん、わざわざ寄って下さいました!!
Kさん、何て良い人なんでしょう!(って、前々から分かってますが笑)
僕も作ろうかと思いながら、いつも後回しになりますが、とっても暖かいそうです。




このフラノ、低速織機で織られており
今まで見てきた(触ってきた!)フラノの中で最高の質感です。
ホーランドシェリーのヴィクトリーフランネルも、低速織機で織られていて最高ですが、
そちらは価格も最高ですので、グレーフラノなどレギュラーなフランネルでしたら、コストパフォーマンスは最高です!
Wさん、ガンガン着て頂き低速織機で織られた生地感を味わって下さいね。




ラムズゴールデンベールとカシミアの混紡という
ラグジュアリーな生地で仕立てたクラシックなチェスターコートです。
触った感じ、コートにすると薄く感じますが、目が詰まっていて650g/mもあります。
そのせいか、厚手のカシミアのような感じではなく、ドレープ感のあるシャープな雰囲気で凄く暖かいです。


以前、ユーロテックスの生地で『ダイヤモンドケーブル』という生地がありましたが、同じ原理です。
糸番手は太いのですが、繊維番手が極細ですから、
糸の断面を見ると、繊維密度が高くて空気をたっぷりと含んでいます。
この意味、瀬戸大橋のケーブルの断面を見た事がある方なら分かって頂けると思います(笑。


糸番手がケーブルの直径だとすると、繊維番手は赤青黄で、各色127本のピアノ線から成っています。
直径約1mのケーブル1本は、何と!!
直径約5mmのピアノ線が34417本も束ねられて作られているそうなんです。
1本の棒状より、こちらの方がしなりやすく、強度もありそうですよね!
なんだか、応用力学?の勉強みたいになってきましたね(爆


見た目にはシンプルですけれど、
こんなコートこそ、ラグジュアリーの王道ですね。
Nさん、大切に末永くご愛用頂けますよう、マッセアトゥーラでも、
しっかりメンテナンスをさせて頂きますので、これからも宜しくお願いいたします。




お気に入りのトム ブラウン(THOM BROWNE)のパンツを履いてご来店下さったNさん。
ホワイトフランネルの生地がなく、弊店にご相談にお越し下さいました。
いつもNYの本店でオーダーされていらっしゃいますが、
こんな生地がなく、今回は弊店で。


トムブラウンのスーツはシンプルそうに見えますが、
かなりデザインされていますから、既製ではなかなかジャストにはならず、
狙っている雰囲気が出ないと思います。その雰囲気はトムブラウンご本人を見て頂ければと思います。


その辺りも考慮して、Nさんのご希望も伺い、
あわせ過ぎず誤魔化すところは誤魔化して仮縫でサイジングを詰めました。


バックストラップは、ご希望で、
まんま戴きました。トムブラウンさん、ごめんなさい。
でも、、アイコンのトリコロールタブは付けてません。当たり前ですけど!(笑