Sさんのお婆様が着ていらっしゃったというエルメスのコートです。
40年近く前にお婆様が購入されたコートを、11号サイズ→9号サイズにお修理依頼を受けました。
一旦、仮縫いでシルエットをご確認頂いたうえで、本縫いにかからせて頂きます。
袖巾も細くして、アームホールの大きさも小さくしました。
何もかも、1sizeダウンさせています。


この生地はカシミアのダブルフェイス(Double Face)で、生地を2枚、縫い合わせて1枚にしてあります。
それを前身頃だけ、2枚重ねてありますから、この部分は生地が4枚と云うことになります。
最近では、仕立てに手間が掛かるせいか、ほとんど見かけなくなりましたね。

仕立ても、前身以外は完全な1枚仕立ての、いわゆるアンコン仕立てです。
デザインは、ローブのように、ベルトでウエストを絞って
着て頂く為、絞り方で表情も変わります。

今年の冬は、これを着てお婆様に会いに行くと仰っていました。
素敵なお仕事に関わらせて頂き、光栄です。
綺麗に仕上げさせて頂きます。



30年くらい前の御幸毛織のモヘア素材ヴィンテージ生地です。
ブラックベースにオフ白の2mm巾チョークストライプが、4mmピッチで入っています。
遠目にはグレーメランジェっぽく見えるのですが、近くで見るとスマートな迫力を感じさせてくれる不思議な生地です。


僕のお勧めは、
白の麻シャツを合わせ、素足にレペットです。(笑)




お盆休みを頂いて、母親を連れて韓国に行ってきました。
何度行っても、毎回感じるのですが、儒教の文化が根強く残っているせいか、
両親や年寄りがとても大事にされる国です。今回のように年寄り(母親)を連れていると尚更感じます。

目上の人に対しては、
ビールの注ぎ方ひとつとっても違いますし、
自分の両親と話す時に、友達のように話す人が多いですが、
韓国では必ず尊敬語を使います。(日本でも、そういう立派なご家庭もありますが、、)
そのため、日本では初対面で年齢を聞くのは失礼ですが、韓国では、まず最初に歳を聞かれます。

僕が個人的にビックリしたのは、以前フェリーで部屋を共にした若者が、
ビールを飲むときに、横を向いて飲むので、何かあるのかな?と思って聞くと、
お酒を飲む時は、飲み口に、口を付けているところが見えないように、横を向いたり、
手で隠したりして飲むのがマナーと聞きました。その彼から、色々と教えてもらったんです。

そうかと思えば、最初、僕に敬語を使っていた男性が、
僕の年齢を聞いて、自分より年下だと分かって、いきなりタメ口に変わった時は、
ちょっと戸惑いましたけどね。(笑)

今回の韓国でも、母親が地下鉄やバスに乗ると、ほぼ100%の確立で席を譲ってもらっていました。
唯一譲ってもらえなかったのは、優先座席の前に立った時で、そりゃそうですよね。(笑)
それからと云うもの、母はワザと優先座席から離れて立っていました。

これら、年上の人を敬う気持ちは、なにも儒教の教えだけでなく、
人として大切な部分じゃないかなって思います。

慶州郊外、2010年世界遺産に登録された良洞村。
慶州市内も10年ぶりだったのですが、色々と新たな発見がありました。



コットン素材のソラーロです。
紺色とパープルの糸で織り上げてあるので、
光が当たると、表の紺に、パープルが浮かび上がってきます。
今年も夏のリゾート用にと、Tさんからオーダーを頂いた粋なコットンスーツです。


着込んでいくにつれ、クタッといい感じになると思います。
最後には、洗濯機で回しても、それはそれで「アジ」になってくれそうな予感がします。




京都のFさんの黒いプリントシャツは、ボイル素材で透け感たっぷりです。
同じく京都のOさんの赤い水玉シャツはローン素材で、軽くて柔らかな着用感を楽しんでいただけます。


ボイル(voil)は、撚りの強い糸を使って織るので、生地にコシが生まれ、シャリ感があります。
そのため、清涼感のある軽い着心地が得られ、夏素材の代表です。
ただ見た目に透けるので、抵抗を感じられる方も
いらっしゃるのも事実ですね。

次にローン(lawn)ですが、細番手の糸を、出来るだけ均等な密度でタテ糸ヨコ糸を揃え、
それを緻密に平織りすることで、しなやかな着用感を生みます。

着用感は違いますが、
麻に次ぐ、盛夏素材として人気があります。




画像はどちらも柄物ですが、白無地などもありますよ。(笑)



マッセアトゥーラの開店当初からお付き合い頂いていますTさんから、
einshop岡本さんと一緒に、山荘にお誘い頂きました。
建築に興味のある僕としては2つ返事で
行かせていただく事に。

この山荘は入賞作品でもあり、
随所にTさんらしいこだわりが散りばめられ、
また細部のおさまりも非常に手が込んでいて、見応え満載でした。
建築好きの僕の見方は、デザインだけでなく、かなりマニアックな見方だと思います。(笑)


お昼はTさん手製の精進料理。
吟味された素材の旨みが引き出された味付けは、
どれも美味しく、あっさりしているのに、ドッシリした満足感に満たされました。


Tさん、本当にありがとうございました!




三重のYさんから、お電話で「暑い~たまらん、涼しいシャツ2~3枚作っといて!」とご連絡頂きました。
選ばせて頂いた中の1枚が、このアルモのVOIL(ボイル)素材です。
他の2枚は、カンクリーニの麻素材とブレンバーナーの麻素材を選ばせて頂きました。

着て頂いた初日にお電話頂き、「涼しい上に、めちゃくちゃ軽いなぁ~」とお喜びのお電話を頂戴しました。
Yさん、いつもご注文ありがとうございます。たまにはいらして下さいね。(笑)




ビジネスで、ジャケット初挑戦のNさん。
大き目の柄ですが、柄自体がクラシックなので上品です。
10年来お付き合いを頂いていますので、Nさんのワードローブは大体分かります。
新たな気分で、これに合うシャツも3着選ばせて頂きました。ネクタイを締めたり、ノータイだったり、、
色々なシチュエーションを想定し、着マワシが効くように考えています。




離れて生地を見たり角度を変えたりしながら、出来上がりをイメージして頂きます。
ボタンや裏地など、全体のバランスを考え、まとめる作業、
悩みますが、楽しいひと時です。
 



夏にふさわしい涼しげなサウンドで、皆さまを心地よい南の島(?)へお連れいたします。
コンサートの収益は日本赤十字社を通じて義援金として寄付されます。。
夏には、マッセアトゥーラでもリノ・ココナッツのサウンドを
耳にされた方も多いのではないでしょうか!

今年の夏は、リノココの生音で涼みにに行きましょう!