ミラノのサルトリア『Sartoria Cresent』を訪問しました。
15年の付き合いになる河合氏の工房には、
ちょうど製作途中である、マッセアトゥーラのお客様のお洋服もたくさんありました。
年に数回、日本をはじめ、北欧や中国でトランクショーを開きながら、
それ以外、河合氏は毎日ここで洋服を縫っています。
ドゥオモから歩いて15分ほどの場所。
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河合氏は、日に何度か休憩の折にバールに出向きます。
地元の人たちと会話を交わしながら、エスプレッソでリフレッシュ。
イタリアではエスプレッソが普通で「(カッフェ)ノルマーレ」と呼ばれていて、
日本で一般的なコーヒーは「アメリカーノ」と呼び、それはエスプレッソにお湯を注いだものです。
画像はイメージです
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本題に戻ります(汗。
僕の洋服を初めて縫ってもらったのが2010年の春です。
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2012年春に、マッセアトゥーラのお客様の洋服を縫ってもらうようになりました。
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本格的なスタートは、2013年の春です。
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Sartoria Cresentの河合氏が作る洋服は、
手に、糸と針をもって縫われる完全な手縫い服です。
体に合う合わないという以前に、既製服とは一線を画す洋服です。
着ていくうちに変化をする服。
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わざわざ手で縫わなくても洋服は完成しますが、手で縫う事に意味があります。
しかし本来、特別なことではなかったのです。
服作りが機械化される前の紳士服と同じ製法で作られます。
今の洋服の殆どが工場縫製『サイズが合った既製服』量産向きの製法です。
見慣れないとパッと見では区別がつかないと思います。でも見えてしまうと戻れません(涙。
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僕は、
河合氏はミラノの空気感を表現するために手縫いしているように思います。
彼が言う『着飾るための服ではなく、人に馴染んでいく服』
静かな存在感こそがミラノの服だと言います。
着続けると、ますますミラノの空気感をまとうようになる。
彼が作る洋服を着るということは、
先達によって数百年受け継がれてきたヨーロッパの、
その中でもミラノの歴史や伝統・文化をも纏うことになるんだと思います。
下の画像は、
河合氏が独立前に働いていた
ミラノで最も有名なサルトの1950年代の集合写真です。
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10時間程で縫い上がる工場縫製のオーダー服と比べて(工場縫製にも3倍程の縫製時間の違いがある)
どちらが良い悪いの話ではなく、そもそも違う思想の上に成り立つ物作りです。
着た瞬間に分からなくても、長年その洋服と一緒に過ごしていくと、
その違いだけでなく河合氏の洋服作りに対する思いまで
きっと、気付いてゆく事になるでしょう。
下の画像は、
1975年のフォルビチドーロ賞/Forbici d’oro(金の鋏賞)の競技中のひとコマです。
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Sartoria Cresent の工房で洋服づくりの現場に触れ、
幸せな気持ちで工房をあとにしました。
河合君、いつもありがとう!
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