中山君、今日は休みで昼ビールの日なんですけど(笑、
週末にお渡しが重なっているので、出てきてベストを縫ってくれています。
なので、いつもスーツを着ている?中山君ですが、今日はジョンスメのサマーニットです(笑。


半身だけ出来ました!


作り芯にも、随所に工夫が!!


目処がたてば、早めに切り上げて銭湯に行って、
明るいうちから、まったりと屋台にでも飲みにいってきて下さい(笑。



以前、フランスでご購入されたという
BOSS(セレクションライン)のカシミアジャケット。
雰囲気を消さないよう体に合わせ、更に着心地チューンナップをします。


さすがラインを大切にするプレタ、
見た目の雰囲気を重視して、肩線に皺が入らないように、
イセ込んだ後に、肩線前身側ばかりか、後身(イセ込み側)も接着芯で固めてあります。


雰囲気を変えない範囲で、出来る限り着心地を良くするように外せるものは外させて頂きます。
テーラード、それも特にイタリアでは、
そういう皺も手で作った匂い(証し)として『美しい』と捉えられますが、
デザイン(カッティング)が重視されるプレタポルテの服では、
そういった手の匂いを極力排除し、スマートさを求めた物作りがされている気がします。


 

随分と進んできて、もう少しです!
着丈を短くする為に、腰のポケットを移動しました。
このポケットは表側に付いているのですが、見返側(裏側)にも
このポケットよりも小さいポケットが付いているので、先にそちらを移動してから、
表の方を移動させました。革のトリミングが硬いので、太い針に替えて動力ミシンを手回しで縫います。


次に着丈(後丈)を短くするのですが、
バックベルト位置を上に移動したいリクエストですが、
これがまた厄介で、身頃の上にベルトが貼り付けられているのではなく、
後身頃の生地を上下に分断するように挟み込まれているので、上に移動しようとすると、
バックベルトよりも上の後身頃でカットし、ベルトから下全体を移動して上に移動しなければなりません。
画像のように先に背中だけ短くしたので、両脇は長いままです
これから両脇を短くして着丈を合わせ、フロントカーブへとラインをつなげます。


Tさんが体重を落とされた事と、スリムフィットにされたいとの事で、
今回は、かなり肩巾や身巾を詰めなければなりません。


身頃側のアームホールと、袖側のアームホールが合わなくなるので、
袖側の線を引きなおして、見え方と着用感せめぎ合いの中でバランスを考えて袖を付けます。


肩巾や上胸巾を詰めたので、
ガンパッチも、バランスを考えてサイズ変更しました。(まだ、解いた後の糸の縫い目が残っています)
最初から作るより、手間は数倍かかる事になるのですが、Oさんが愛着をお持ちの
ジャケットですから、やるならトコトンやる!精神で頑張ります。


あと、もう少しで完成です!
Oさん、長らくお待たせして申し訳ありません!!



以前ご紹介しました
ブリスベンモスのコットンスーツです。
型紙は安定しているので、生地とのバランスを考えるだけです。
Nさん、いつもありがとうございます! 暑くなって着られなくなる前に仕上げますね!
今一番、コットン素材が気持ちの良い季節ですからね!




ご希望通りの柄を配置しようと、パズルに頭を抱えています。


どうでしょうか!上手く出ましたね!!
今からまだ最後の難関、襟の部分が残っていますが、
残った生地から、上手く切り取れるか、ちょっと心配になってきました(汗。
でもCさん!何とか頑張ります!!(といっても、技術の中山君が頑張るんですけどね!!(笑


この生地、メーカー公表値で8%縮むそうです。
裁断前に洗って乾燥機に入れたのですが、5%しか縮んでませんでした。
結局トータルで、洗濯3時間強、ガス乾燥30分でやっと8%まで縮みましたので、それから裁断。
大きく作っておいて、着て馴染ませながら適正サイズにしても良いですが、最初から縮めて欲しい!ご希望が多いです。



Nさんからオーダー頂いたブリスベンモスの中肉(320g)の高密度ポプリン素材。
サラッとした肌触りに、ギラつきのない落ち着いた光沢が、英国らしいです。
切躾(キリビ)を打つにもひと苦労で、いつもの7号針だと通り難く、
9号針と和裁用の躾糸を使って仮縫作業を進めてます。
それでも指にマメが出来、、はしませんが(笑、
結構、この生地の仮縫は手強いです。


コットンの持つ『バネ(張力)』と相談しながら、クセ取りの加減を調整します。


芯も、出来上がった既製芯ではなく、
コットンの張りに合わせて、芯地の組み合わせを考え、
お客様のご希望されるの雰囲気、着用感を生み出せるように手作りします。


コットンだからこその、経年変化を楽しめるスーツとなります。
先にパンツが痛んだとしても、ジャケットとして10年15年と更にエイジングを愉しんで頂ける事でしょう。



4日間に渡って幕張メッセで開催された技能グランプリ
技術の中山君は、1位にはなれませんでしたが、日々仕事をしながら、
この1ヶ月余り、特に最後の10日程は寝ずに準備をしてきたことに敢闘賞を贈ります。


中山君は「僕を教えてくれた先輩(先生方)を抜こう抜こうと思っているんです。」と、、
僕が先輩なら、そんな後輩を頼もしく思うだろうし、自分も頑張ろうという気にさせられます。


実際に抜ける事はないにせよ、そんな気持ちをもって日々技術に打ち込む姿には、ホント感服させられます。


こんな大舞台で頑張れた事だけでも凄い事だと思います。
ナポリのラッジオ氏は、針を持つと震えていた手がビタッと止まりましたが(笑、
こんな舞台では、普段は大丈夫な中山君も、手が震え、、はしなかったのですが、それくらいの緊張感。


中山君、お疲れさまでした。
学校の生徒の皆も、いつかこの舞台に立てるよう
頑張ってもらいたいですね、、中山君を追い抜こうと言う気持ちで(笑。




1998年にオーダーされたジャンニカンパーニャのスーツの調整を承りました。
肩巾を詰め、傾斜角を微調整し、胸巾も調整します。


洋服の持つ雰囲気を変えないように心がけて縫います!(縫うのは中山君です笑)
肩パッドも一旦バラして、Tさんに合わせて作り替えます。


もう少しで、今のTさんに合った洋服が完成します。
抜群の着用感に生まれ変わりますから、Tさん、楽しみにしてて下さいね!!




先日、ご紹介させて頂きました生地が、英国のピーブルスの町から到着いたしました。
Super140'S+SilverMink&Cashmere

生地が到着するまでに型紙は引き終わっておき、
いよいよ生地を裁断していきます。
裁断

芯も、型紙と共に、先に作っておいたので
仮縫い作業がどんどん進みます。


技術の中山君の手が、水を得た魚のようになっています(笑。
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だいぶ、出来てきました。
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上襟の襟先のシルエットを決めるための
とても大切なアイロンワーク。
とても微妙な作業。
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神は細部に宿る~ 
バルセロナチェアで有名な建築家、
ミース・ファン・デル・ローエが好んで使っていた言葉ですが、
ディテール(細部)にも拘らないと、全体を高次元でまとめ上げる事は難しいと云う意味で使われます。

素材や形で時代を追ったり、デザイナーの世界観で勝負するトレンドファッションとは違って、
テーラードの場合、パッと見は同じように見えても、シンプルであるが故に
デザインより、サイズ感や細部の収まりが大きな差になります。
サイジングも細部の1つと捉えています。

細部にまで美学を浸透させることで、テーラードは装飾を超えた美しさを持ちます。
テーラードの場合、シンプルに形を決めようとすればするほど
デザインを削る方向に向かいます。だからこそ、
細部の差が全体の差となって現れる。

でも、、目的を外れた細かさだけの追求にならないよう、
全体を見据えたディテールの追求を日々意識して物作りをしてゆかねばなりません。
と、、久々に真面目な事を書いてみました(笑。

船場のOさん、
もうしばらくお時間下さいね。