正統派のフォーマル生地も、この通り「リアルモッズ」!
中山君が乗っていた60年代のべスパ、僕が乗っていたラリーやET3、
それに今乗っているPX、そしてT君が乗っている「ランブレッタTV175」の話でモリモリ盛り上がり(笑、
Tくんが今狙っているべスパGSの話で、マスマス盛り上がり、、楽しいひと時でした!!

スーツから話題がそれましたが、
パンツポケットも、シルエット優先で袋地を取っ払らったり、
体に合わせるのはもちろん、全体にかなりシルエットを優先したサイジング。
Tくん、コレは礼服ですよ! これ着て踊りに行っちゃあ、、まぁ、それはそれで「アリ!」かな(笑。




1着縫い上げるまでに、針が20本折れる程の高密度コットン素材です。
昨年の春に完成したスーツを着倒してもらって、とても気に入って下さって色違いでオーダー。

気にせずガンガン着ることができ、それでいて着れば着るほど自分の顔になってゆく。
まるでビジネスと云う戦場を戦ってきた男の顔に入る皺のようなもの(笑。
コットンも、イタリアと英国では、その特徴は大きく異なります



季節に関係なくオーダー下さるKさん。
クラシックなNAVYの3ピースを、急がないので、、と。
着丈も、総丈の半分と、どこまでも基本に忠実に。しかし、フロントを
少し逃がして(フロントカーブではなく、ネックで)裾周りのボリュームを抑え気味にして、
前から見た時の長さを感じさせないよう、クラシックな中にも
スタイリッシュな雰囲気を表現してみました。
*意味、分かりませんね!


背中のラインが綺麗に沿っています。
ヒップトップを、グッと持ち上げたシルエットで、横から見ると、
脚が10センチ長くなったような視覚効果があります。



今日、新たにサッカー地の3ピースをオーダー下さいました。
そちらはビスポークチュール、ナポリから生地が到着して約1ヶ月で仕立て上がります。
素材や使い方によって、仕立て方を使い分け、オーダーを入れて下さいます。
Kさんいつもありがとうございます。サッカーの3ピース楽しみです!




枯れ感抜け感
頑張ってない感じ
リラックスした感じ
格好をつけてない感じ
年相応の自分らしい感じ

45歳になられたNさんは今まで
格好の良い洋服を着てこられましたが、
頑張ってる感のする洋服は疲れてきたとの事。
肩の力の抜けたリラックス感が感じられ、それでいて
品格のある優雅でおとなっぽい洋服をどう表現すれば良いのか。

色々と画像を頂くのですが、
中々掴み切れずに、何着か完成し、
今回のスーツで見えてきたことがあります。
Uさんが求められているスタイルはフィオレンティーナ。
こちらが思い描くイメージを言葉にして双方のイメージをチューニング。
そんな作業が続いていたのですが、たぶんこれからは、その必要もなくなるでしょう。

僕が着ていたフィレンツェのジャケットをご覧になられ、
Nさんも分からなかった自分が思い描いているイメージが確立したからです。
ルネッサンスが花開いた街で、芸術的感性を持って受け継がれてきたサルトリアフィオレンティーナ。


今回のお洋服は、工房にお任せ頂きましたので、
僕たちが、フィレンツェの人(イタリア人)にはなれませんが、
精一杯成り切って、サルトリアフィオレンティーナスタイルを再現させて頂きます。
中山も、漫画『チェーザレ』を読んでいます(笑! 時代は違いますが(爆! 完成が楽しみです!!




良い生地に、良い仕立。
良い仕立に、良い生地。

仕立との相性を考え、生地を選ぶ。
そして何より、着る人との相性が最優先される。

そう、仕立と生地の相性を選ぶときに大前提となるのは、着る人。


ミラノ仕立の特徴を踏まえ、Uさんのご希望を汲み取り、その背景まで考えながら、、
方向性の違う生地を2点ご紹介させて頂き、その時のUさんの志向が向いたベストバランスをチョイス。


仕立と生地には、相性があります。
どの相性を選ぶかは、着る人の個性やTPOが深く関係します。
この関係を掴むまで、少々お時間がかかります。まるで恋愛のようだとも思える関係性。

それが、
テーラーで洋服を仕立てると云う事は人間関係を築きあげる事と云われる所以。

この洋服、まさに「紺に始まり紺に終わる」と言える
究極の1着になることでしょう。
楽しみです。

生地と仕立の相性については、いずれ改めて。



次のシーズンまで待ち遠しいですが、Mさんの一目惚れです。
できるだけ薄く軽く仕立て、パンツもサイドアジャスターで軽やかに。

コーディネートも軽い感じで、
紺のシャツに、紺スエードのスリッポン!
白いオックスフォードのシャツにレペットの白いZIZI
ZIZIのヒールは黒で重いから、白いJAZZの方が良いけど、質感ではZIZIかなぁ~

スーツはもちろん、上下セパレートでも愉しみ方を無限に秘めたスーツ。
Mさん、いつもありがとうございます。楽しみにしてます!!




前回のオーダー会のときに完成していたTさんのスーツ、今日お渡しでした。
*画像を見てから気付いたのですが、Tさんのネクタイ、メローラのシルクニットですね。


この150′Sのその滑らかな質感は、
作り手の技量がストレートに求められる生地と言えます。
どんどん表情が変わるジャケットなので、これから先は、着手の愛情が問われます(笑。

そう考えると、どこまでポテンシャルを引き出せるか、
乗り手側の技量もストレートに問われるスポーツカーかもしれません。

踏めば走る、踏んだら止まる、回せば曲がる、誰が乗っても同じ、至れり尽くせりの大衆車。
スーツで云うと、糊や接着芯で固められた『型崩れのしない制服のような洋服』と比べては駄目なのかもしれません。






良い物を、永く着たい。
自分と一緒に皺を重ねるスーツ。
そうなれば、基本中の基本は「ネイヴィー」。

総『Made in JAPAN』
生地は低速織機でゆったりと織られ、
仕上げは取り扱いの難しい「天然石けん」を使用。
合成洗剤では得られない自然な手触り、柔らかくふっくらした風合い。
そんな生地を柔らかく手で縫わせて頂いた、Tさんの考える基本中の基本を押さえたスーツです。
15年後、20年後の表情が楽しみです。Tさん、これからも宜しくお願いいたします!




ローマの小さなマーチャントが、英国の超ド級のミル(機屋)に織ってもらった生地です。
しっかり打ち込まれた質感の生地に、見る角度によっては、茶とも青紫とも見える表情奥深い佇まい。
白シャツに茶の小紋タイなんかを合わせると落ち着いた雰囲気になりますが、
こんな合わせ方だと全く違った表情になるから不思議です。


今回のカッティングはスーツ着用を前提に、
今までUさんに作らせて頂いた中では、結構攻めてみました。
この生地、絶妙な色合いなので気になる方は多かったですが、想像がつかないと、
止められる方が多かったのですが、僕の予想通りUさんは想像を超えたコーディネイトを愉しんで下さいました。
今後のUさんの合わせ方に、更なる期待が膨らみます!


それと、もう1つこの生地には愉しみがあります。
今までラグジュアリーでソフトな生地を選ばれる事の多かったUさんですが、
冒頭にも書いたように、この生地は目付(ウエイト370g)があるので、経年変化が愉しみです。
芯地重ねることなく、極限まで薄く作って据えていますので、
軽くて柔らかな着用感にも関わらず、型崩れすることなく、どんどん表情が変わります。
まさに英国(陰)とイタリア(陽)を融合した、本気のエロ気です笑!



Tさんのスーツ、キースヘンダーソンの60年代のデッドストック生地です。
男くさい独特の色気のあるツイードっぽい生地ですが、色使いはここ数年の流行色グレージュです。


キースヘンダーソンは、
まだ日本が鎖国時代だった江戸時代後期1836年に創業された、いわゆるロンドンマーチャントの1つです。
同じ年に、ホーランドシェリーがロンドンで創業しており、
今では、キースヘンダーソンは、そのホーランドシェリーの傘下になっています。
ちなみに、ホーランドシェリー社は、
鎖国中の日本と唯一交易があった国、オランダ出身のホーランド家が
家業として始めた「マーチャント(生地商)」で、日本には1913年に輸入が開始されました。
日本では、商標の都合で、InnesChambersや JohnCooper と同じコレクション内容となります。
以前、スコットランドのピーブルスにあるホーランドシェリー社の本社を訪れた時のことや、
英国ハダスフィールドのミル(機屋)を見学させて頂いた時の事も書いておりますので、こちらもご覧ください。 
2007年:ホーランドシェリー本社訪問
2002年:ドブクロス織機の見学