先日ご紹介させて頂いた、着物を裏地に使おうプロジェクトの続きです。
着物って1枚の布地に見えて、意外に細かく分かれている物なんですよね。
なので、これが思ったように裁断できないんです。(苦笑)

他にも色々な問題があって、
職人さんとの打ち合わせを進めながら、
並行してYさんとも、毎日メールのやり取りが続いています。
で、Yさんには仕立てあがった時に想定されるリスクをお伝えし、ご納得頂いた上で、
いよいよ実際に着物を解いて、型紙を差し込んでみる段階まで進みました。
ところが、ここでまた新たな問題が!
解いてみると、想像以上に生地が傷んでいます。
焼け、虫食い、糸目の拡張、生地の角っこの擦り減り具合など、
先ほどにも書きましたが、予想以上に、型紙を巧く差し込めませんから、
ちょっとした寸法不足が命取りになるので、糸を解くのも慎重にならざるを得ません。
↓ ほら、こんがり?焼けてるでしょ。 これじゃ使えません。
そんなこんなで、試行錯誤を繰り返しながら、想像力を豊かに働かせ?
幾らかのリスクを残しながらも、何とか入りそうです。

当初無理かな?と予想していたサイバラ(細腹)も、
実際にバラしてみると、着物って縫ってる所を解くと中でつながってたりして
これは案外イケるかも?てな事も。
Yさんの想いが凄く伝わってくるので、何とか素敵な結果を出したいです。
Yさん、期待しすぎずに?楽しみにしてて下さいね♪


まず始めに、「Kさん!ネタのご協力に感謝しまーす♪」

この生地、ロロ・ピアーナのセルジオ社長も大好きな玉虫色に輝く生地で、

何年も前に発表された生地ですが、今年になって待望のリバイバル?を果たしました!

今回はその生地を裏使いし、さらに艶っぽくしてみました。(笑)

画像では分かりませんが、シルエットもかなり色気が、、

裏使いに関しては、2006年3月30日のダイアリーをご参考下さい。



そんな生地に合わせた英国製の裏地も、織り込まれたペイズリーが

今にも動き出しそうなほど生き生きと、これでもかと言うほどビッカンビカン輝いてます♪

Kさん、裏地チラ見せ、ご協力ありがとうございます!(笑)







この生地、スティル画像ではなく、

ムービーならリアルにお伝えできるのですが、、残念です。







アップで取らせて頂きましたが、この画像で

この微妙なミクスチュア感が伝わればいいのですが、、



これは余談ですが、

こんなスーツばかりじゃなく、真面目なスーツの方が圧倒的に多いので、

誤解なきよう、宜しくお願い致します。(笑)

ちなみにKさんはいつもこんな感じのスーツです。(笑)

ついつい、ネタにはユニークなものばかり取り上げてしまいます♪

Kさん!ご協力ありがとうございました!


今日、ディレクターズスーツをオーダーして下さったYさんから、

12年前の成人式で着た着物を、今回の裏地に使って欲しとのご要望がありました。



ご親戚が東京で呉服屋さんを営んでおられるとかで、流石と思わせる色です。

何て表現すればいいのか、めったに見る事のない、かなり粋な色です。

僕の技術では、画像でそこまで再現できないのが残念です。



さらに裏地も、ブラックスーツと共地で作る

ベストの背裏に利用します。







ダイアリーを始める前の裏地ネタになりますが、

奥様のエルメスのスカーフや、ご自身で草木染されたシルクシャンタンを

張った事もあります。

他には、、自分で水墨画を描いて持って来られた方もありました。

そんな個性的な裏地、今回は久々なので楽しみです♪

クラシコイタリアなスタイルがお好みのWさんに

新しくスタートした〝ナポリクチュール〟Lineのファーストオーダーを頂き、

今日、仮縫いの補正をさせて頂きました。







Wさんがお持ちのカスタンジアのスーツをベースにバランスを取り、

仮縫いでイメージを微調整させて頂くことにしました。

実は、カスタンジアのスーツとマッセアトゥーラで作らせて頂いているWさんのスーツ、

両者のバランスは極めて近かったのです。



僕が、「ほとんど同じバランスですねぇ~」と云うと、

Wさんに、「俺って凄いやん♪って思ってるでしょ!」と云われ、

僕の性格を知り尽くされたWさんに、即座に見抜かれてしまいました。(笑)







生地は〝ドーメルTONIK〟で、イタリアンが大好きな色、アズーロのピンチェックです。

バッシバシに仕立て栄えする生地で、仕立て上がりが楽しみです♪


以前のダイアリーでお伝えしたシャツの〝2着目〟です。

ローンという透けた綿素材に、エンブロイダリー(刺繍)が入ったシャツ地。

前回からの変更点は、首のアタリを和らげるために台襟の内側に綿ブロードに替えた事。



カフスの内側にブロードを使ったのも、同様の理由からです。

また、襟の厚みを抑えるために、襟羽根の裏側にもブロード地を使いました。

いずれも好き嫌いの分かれる仕様だと思います。





プレタの場合、何着かサンプルを作ってから商品化して生産ラインに乗せますが、

オーダーはその都度ですから、皆さまに色々なご提案をするためには、

自らのこういった経験が、サンプル代わりになります。



高校時代から今の仕事につくまで、どれだけ高い授業料を払ってきたことか、、(苦笑)

別の機会で、当時オーダーしたものをご紹介させて頂きます。

これでまた、ネタが出来ました。(笑)






本日お渡し、Kさんのブラックスーツ。
通常、弔辞(喪)のフォーマルとして使う場合、
ダブルよりもシングル、そしてブラックベスト着用が正式な略礼服です。
それよりも格式高い準礼服なら、ディレクターズスーツですが、
一般的でなく、逆に目立ってしまう恐れがあるので、あまりお勧めはしていません。
また、ブラックスーツにステッチを入れている方や、
ベントを割っている方をお見かけ致しますが、正式に云うならアウトです。
フォーマルな服は、装飾性を避けなければならないからです。

フォーマルに関してはかなり詳細に規定があります。
全てを守る事は難しいにせよ、
最低ここまでは、というレベルは押さえておかないと恥ずかしい思いをする場面もあるかもしれません。
欧米諸国に比べで日本は、ルールをご存知のない方が多いように思います。
ですから、フォーマルウェアの採寸時間は、
こういったマナーまでお伝えする事も多く、時間がかかります。
ちなみに今回の襟は、襟巾もホドホドに、ゴージラインの角度と高さも控えめです。



柄が柄だけに、シルエットやディーテールは真面目にきちっと作ってます。

意外に、こんな柄物のシャツで、キッチリしたデザインの物って少なくないですか?

それが狙いですが、どれだけの方に分かって頂けるか、、(苦笑)

同じような柄が、あと1着分だけ在庫あります。








襟の雰囲気が気に入られたと云う、Oさん所有のバルバのシャツをサンプルにしながら、

襟をひと回り大きく、着丈を短く、カフをフレアに、

リデザインして仕立てました。

フィッティングに関しては、既に完成しているOさんの型紙をベースにしています。







リデザインしたポイントを簡単にお伝えします。



襟を立てて途中で折り返しても、

紙のように〝パリッ〟と折り曲がってくれるように工夫してあります。(後述)

今回Oさんが、最も意識されたバルバの襟仕様です。

ボタンの間隔も、第2ボタンの位置を通常より随分と下にして、

首元のボタンを外した時に胸元が開き過ぎないようにした、100%クールビズ仕様。(笑)



また、画像には写ってませんが、

袖ボタンを留めた時に、カフスがフレアになるように変更しました。。

それに、通常より着丈を短くしてゆとり量も削り、オーバーシャツ専用丈にしました。

打ち合いの柄合わせも、シッカリ合わせてあります。







この襟の拡大画像が、襟を通常の状態にしたところです。

この襟の高さ、襟のデカさがお分かり頂けますか?

ちなみにOさんが着られると、この襟腰の高さは気にならず、綺麗なんです。

首の短い僕が着ると、間違いなく亀みたいになります。(苦笑)







ここで、前述の〝紙のようにパリッ〟とした襟の理由。

襟・台襟・カフスに、『トップヒューズ芯』を熱圧着プレスしてあります。

画像は台襟に圧着したところでです。



これによって生地の質感に合わせた紙のような独特の風合いを出しています。

マッセアトゥーラでは通常、この紙のような風合いを嫌って、フラシ芯を使うのですが、

今回は、その雰囲気を逆利用して、よりシャープな雰囲気を狙いました。

ちなみに、トップヒューズ芯は熱耐性が低いので、

取り扱いには幾つかの注意点が必要ですから、しっかりお伝えしました。



自分の気に入った物を、更に自分の好みに昇華させ、自分だけの1着を手に入れる、、

こんなシャツ、愛着もひとしおですね。


今日はお渡しラッシュが続いています。(といっても4件で、これが1日の限界、笑)

4年のお付き合いになるFさんのフィッティング中に

英国より届いた裏地があります。

ロンドンのサヴィル・ローのテーラーの多くで使われている裏地です。



「何これ!?何で今まで言ってくれへんかったん?隠してたんちゃうの!」

  「いや、そういう訳じゃないんですけど、、

  Fさんはジャケットの裏地って総裏が好きですよね?

  だから熱がこもらないように素材はキュプラ100%にしてましたが、

  この裏地はレーヨン素材なんです。」

「いや、素材も大切やけど、そんな事より見た目が一番やで!俺こんな裏地好きやわ~」







この裏地を手に入れるルートが出来て、もう1年もなるのに、

素材が気に入らないからと云う僕の勝手な理由で、ほとんど提案してなかった裏地です。

これからは積極的に提案させて頂きますね♪



駄目ですね、自分の基準で勝手な判断をしては、、反省します。

さぁ気を取り戻して、今からもう1件、最後のお渡しです。












サンプルでお預かりしたシャツはバストダーツがなく、

男性的なイメージが強かったのですが、

今回はそれを基本に、全体のサイズを調整し、バストダーツを加えることで、

サンプルシャツよりは、少し女性的なラインに変更しております。