ドラッパーズのホップサック調のコットンジャケット。
ナポリクチュール2度目のオーダーで、今回のジャケットで落ち着けば、
次回は仮縫しなくても大丈夫です。生地の違いによる着用感やドレープ感を気にされるなら
もちろん仮縫をさせて頂きますので、お好みでどうぞ。ちなみに僕自身の服だと仮縫しない派なんですけどね(笑。
今回は、1着目から再調整をさせて頂き、その確認の為の仮縫でしたがバッチリです!
3月末辺りの出来上がり予定で、アメリカ出張に間に合わせる事が出来ませんでした、ごめんなさい。



Oさんから、古き良き時代の?(失礼!)大切に着てこられたラルフローレンのジャケットをお預かりしました。
雰囲気も質感も、Oさんご自身のラルフローレンITEMの中では最高ランクだそうです。
濃厚な作り込みがされていて、今の物作りとは全然、違いますね。
どんどん手の込んだ物作りが出来なくなっています。
世の中から、なくなってきています。


僕もラルフローレン歴35年です!(笑。
この質感、大学時代に初めてアメリカに行った時に買った
ラルフローレンに似ていて、人の手を濃厚に感じる、とても手の込んだ作りです。


今回のお直しは、全てが連動しているので、
ほぼ全部バラバラにしなくてはなりませんが、全部を解くと、
作業効率的には良くなりますが、元の縫いの雰囲気とかが分り難くなるので、


ある程度を残して解きました。といっても、7割方は解いていますが、、
まずは糸ですが、色だけではなく、光沢感も揃えないと、縫った時に浮かび上がりかねません。


着丈もバックベルトを4センチ上に上げるのですが、このベルトがまた厄介で、貼り付けではなく切り替えてあるんです。
なので着丈を詰める、、と云うより、ベルト部分で解いて、ベルトから下と一緒に全体に上に移動します。
すると、両脇が長く残ってしまいますから、長さを合わせる為に4センチCUTします。
前端は2.5cmカットに留めておき、前傾斜をつけることにします。
とても難解な仕立て直しですが、燃えます(爆。
パズルを組み立て感覚が楽しいです。
楽しみにしてて下さいね!





10年ほど前までのジョルジオ・アルマーニのスーツをこよなく愛されているSさんから、
同じシルエットのパンツが欲しいと、3本お持ち頂きました。
どれも同じ時代の物ですが、Sさんはその微妙な線の違いが見えておられます。


これらのパンツ3本から、Sさんの気に入っておられる線を、良いトコ取りして仮縫いさせて頂きます。
生地もドレープ性に富んだ、落ち感のある生地をお選び頂きました。
仮縫いが楽しみです!ロンドン出張からお帰りに
なられる頃に出来上がってます!




今月2月の22日~25日まで、千葉の幕張で、第27回技能グランプリが開催されます。
技能日本一を競う大会に、中山君が大阪代表としてテーラー部門に出場!
仕事の就業外や休みの日を使って、寝ずに縫っています。
それも『グランプリ用の縫い方』で、です。


テーラーという仕事は、1級ライセンスを持っていなくても仕事は出来ます。
持ってなくても、良い洋服を縫う人はいますが、僕が彼を尊敬するのは、資格ではなく、
器用なところです。彼は作る洋服によって縫い方及び、線の意匠を変える応用力の高さを持ち合わせています。


国が認めるテーラードの基本的な技術を有しつつ、
工業製品である既製服のパターンも引け、更に生産管理まで出来る。
さらには、出来上がった洋服ばかりか、写真やイラストからもパターンが抜けるところ。
その型紙から生地を裁断し、自分で縫い上げるところまで何もかもオールマイティーにこなせるところです。
それでいて、シッカリした昔ながらのテーラードも縫え、イタリアの洋服を髣髴させる雰囲気のある洋服も縫えるところ。
それは何を意味するかと言うと、その洋服が持つ匂いを感じることが出来るという事に他なりません。
彼も僕と同じで中学校の頃から洋服をオーダーし、顧客時代を過ごしてきた生粋の
洋服好きなので、色々なジャンルの洋服を知っているからでしょう。

なので、、僕が考える1級技能とは、
スキーで云う基礎スキーみたいなものでしょうか(笑。
基礎スキーの技術の上に、あらゆる感性がブチ込まれるんだと思います。

彼は大学を中退して21歳でこの世界に入り、16歳から針を持った人に追いつこうと、
その5年のブランクを埋めようと、寝る時間を惜しんで、型紙を引きまくり縫いまくったそうです。
それから15年がたった今、選ばれた人しか出場できない、技術者のオリンピックに出ます。(4年前にも出てます)


技能士会から出場のお話(=許可)を頂き、一生懸命励んでおります。
本来、グランプリで勝つ洋服は、現代のマーケットに適合して然るべきなのですが、
実際には疑問が残ります。逆に適合させる努力を惜しまなければ自ずと後継者を育成できる環境も生まれてくると思います。
市場を意識する事から外れるとテーラードの技術は伝統工芸になってしまような気がします。
洋服は伝統工芸ではありません。使って何ぼ、着て何ぼのものですから、、

これからの若い人たちが、どう思おう、考えようと自由ですが、
もし彼らが僕達と同じような思いになった時に、
環境だけでも残しておきたい、、
そんな思いです。

ということで、中山は22~25日は休みを頂きます。
これを云うために、長々と失礼しました(汗。



自分の着る服は、
後回し、、になるものです。
洋服屋には、分かって貰えます(笑。
技術の中山も、自分の洋服は長らく縫ってません。
でも、、自分が着て感じないと良い洋服は生まれないと思うのです。
もう少ししたら、この状態で時が止まった僕の服も、、もうすぐ春になるぅう~(爆。




この仮縫、フィッティングの為の仮縫いではありません(笑。
このような良い生地がどんどん織られなくなっている、貴重な生地です。
釦位置やラペルの返り位置、シェイプなど、意匠面をご確認頂く為のものですので、
以前のNさんのコートの型紙をベースに調整して、いきなり実際の生地で仮縫いをさせて頂きました。


右側が当初の指定バランスですが、
結局、左側のバランスに変えることになりました。
こっちを優先するとあちらを我慢。あちらを優先するとこちらを我慢。
シルエットも微調整しながら、ご納得頂ける良いバランスが取れたんじゃないかと思います。
今回コート2着目のNさんですが、前回はカジュアル、今回はフォーマルなので、全体的にゆとり量を増やします。
ゆとり量が変われば、見せ方も変えましょうという事で、今回の仮縫に至りました。
Nさん、いつもありがとうございます。お疲れさまでした。



Nさんにとって初めての仮縫でした。
それもウルトラ弩級の生地でしたので、余計に疲れられた事と思います。


仮縫の時間って緊張しますが、
出来上がりに思いを馳せて、ワクワクする時間でもあります。
僕も初めて仮縫をして頂いた時は、まな板の上の鯉状態で黙って任せるものと思ってましたが、
この段階で、どんなカッティングにしたいのか、しっかり打ち合わせをしないと、
好みの洋服に出来上がるかどうか、とても大切な時間ですから、
何でも良いので、思う事はどんどん言って下さいね!
僕達からも色々と質問攻めにしますので、
遠慮なく言いまくって下さい。




種子島ご出身のNさんから
種子島産の安納芋と芋焼酎を頂きました。
最近、安納芋をたま~に見かけるようになりましたが、
すごく美味しいお芋さんで、楽しみです。いつもありがとうございます。
以前、鹿児島で食べた安納芋の芋納豆が忘れられません。思い出しただけでよだれが(笑。
安納芋と芋焼酎



名刺を作るために、紙を見せてもらいました。
紙にも縦と横があり、縦方向がシッカリ、横方向は柔らかくて腰が弱いです。
マッセアトゥーラの印刷物を初め、色々とお願いしている平田印刷さんに話を聞くと、生地と似てる事が多く、
聞いていて、ワクワクしたので、今日あったその話を書きます。 
名刺の紙選び

生地の場合は、基本は縦方向に張りがあるのですが、
使う素材や織り方によって、あまりどちらがどうとは決まっておらず、
例えばモヘア混の場合だと、横方向にモヘア糸を使うので、横方向に張りが出てきます。
シルク混だと、シルクを経糸に使うので、落ち感(服が広がらずにストンと落ちる感じ)が出てきます。

話は、生地から紙に戻って(笑、
マッセアトゥーラの名刺のデザインは横長型ですので、
シッカリした印象になるよう、張りのある縦方向を横向きに使ってもらいます。

他にも面白かったのは、
今までと同じように印刷をすると、紙質によって
はっきりシャープに見えたり、少し滲んだような優しい感じに見えたりするので、
その辺りも気にして印刷をしないと、印象がガラッと変わります。

またまた洋服でも同じで、生地によって
着用感が変わったり、見え方も変わってくるので、
特にリピーターの方には、その辺りをしっかりお伝えした上で、
寸法を決めていきます。

今回は印刷業界との共通点でしたが、
他にも建築設計関係や、時には物理学の先生との共通点。
この仕事をしていて楽しいことは沢山あるのですが、こんな洋服以外の話も、
その中の1つで、色々な話題から、客観的に自分の仕事に置き換えて考えるのがとても楽しいです。

平田さん、色々とご説明頂き、勉強になりました。
お客様へに説明する時の、とてもいい勉強になりました!!
*この名刺は、僕のイメージを平田さんにカタチにしてもらいました。
 名刺って自分の分身で究極のオーダーだと思います。スタート時(1999年)と同じ、、
 ただ今回、同じ紙が廃盤になったので、今までと似た物を創ろうと、こんな話題になりました!!
 最初はどうしようかと思いましたが、結果的には、紙の廃盤に乾杯ですね(笑。



今日、チェレリーニをオーダーして頂いたMさんの腕には、、
潜水能力も史上最高らしいですが、その存在感も最高峰に達しています!!
チタンケースにカーボンベゼルと軽量化が図られていますが、それでも何と185gもあります。
おまけにヘリウムエスケイプバルブを装備しているので、ヘリウム混合ガスを使った飽和潜水にも対応しています。
腕につけさせて頂いたのですが、小柄な僕がすると、時計が歩いているようでした(汗。
HUBLOT