ホワイトリネンのジャケットは夏の礼装の最高峰です。

これを着崩して、いかに気取らずに着るか、、

いい感じに〝クタッ〟となってきているので、軽~くプレスをかけてみました。

前回のダイアリーで紹介した麻シャツを合わせて写真を撮りました。





フォーマルなら、黒いパンツを合わせるのですが、

僕の場合〝楽礼装!〟コードレーンなどの色物パンツを合わせ、

足元には、ホワイトバックスを〝気品高くカジュアルに!〟コーディネイト。

こんなジャケットを着て行けるような洒落たコンサート、どこかでやってないかなぁ~♪






今日、お客様と時計の話をしていました。

そのお客様は、ゼニスのエルプリメロムーブメントを始め、

結構、メカ二カルな感じの時計が好きな方なのですが、最近2針が気になるとか。

実は僕もスーツ屋のクセして、スーツに似合う時計を持ってないっ!(笑)

既に廃盤ですが、イエーガールクルトマスターウルトラスリム辺りなら手が届きそう。

バックスケルトンで、手巻きなので、

自動巻きのローターで綺麗なムーヴメントが隠れる事もなく、

その美しさは際立っていると思いますが、できればステンではなく、WGモデル辺り、、笑。

ここで、「バックスケルトンでなくても美しい時計は内面から滲み出る、、」

みたいなマニア受けするコメントは無しにして下さいね。



シンプルが故に誤魔化しの効かない美しさ。

それはデザインを始め、素材感、仕上げ、組み上げたときの全てのバランス、

そして更には、シンプルが故に内面をも透かしてしまうくらい、

それくらい誤魔化しの効かないものだと思います。



削ぎ落としの美学って言葉がありますが、

スーツ姿でも、目立たないようにするのが本質の意味でのお洒落だという考えがあり、

そういう意味では、ディーテールで「すごい」と思わせるよりも、

仕立ての良さや、生地の良さがその人にマッチしてるかどうかが肝心です。

以前、ネービースーツについて書いた事がありますが、

そういう意味ではまさに、ネイビーがストレートに表れますね。



パッと見で目立たないネイビーですが、見る方は、その人に魅力を感じれば、

スーツの仕立ても見るだろうし、靴も時計も全てを見ると思います。

そのときに、キチンとしていれば、人に違和感を与えないし、

見る人が見ると、なるほどと頷かせるものがある筈。



何が言いたいか、よく分かりませんが、

自分も行き着くところ、そうなりたいなって事で、

これからも、そういう服を目指してゆきますよって宣言です。(笑)

そういう服って結局は、飽きずに永く着続ける事のできる洋服になりますから。



いつもマッセアトゥーラで登場する服は、それとは真逆な服が多いですが(笑)、

どの洋服も、基本的な美しさの上に成り立っていますので、

見た目だけの誤魔化しではないことだけ、、

、、宜しくお願いします。(笑)






バシッと打ち込まれた張りのある生地がお好みの I さんのシャツが出来上がりました。

10枚近いacornの中で、このMALHAMシリーズだけで3枚目です。



それに合わせられる今日のスーツは、リアブラウン&ダンスフォードのオイスターで、

しっかり打ち込まれた、ヘヴィーウェイトな400gです。



昨年の秋にご注文を頂いてから、今日のご来店まで約半年の間、

コンスタントに、週に1回ペースで着てこられたそうですが、

正直なところ、まだほとんど馴染んでません。(笑)

生地が硬過ぎて、まだボコボコしてます。



英国の生地は馴染むまでに時間はかかりますが、着込むほどに味わい深く風格を増します。

着た瞬間から馴染むイタリアの生地とは好対照、国民性を表します。(笑)

もちろん、どちらも仕立て方にも依りますが、、





画像にはありませんが、今日もう1枚お渡ししたシャツがあります。

サックスの演奏の時にと選ばれたカンクリーニのシャツで、

インコテックスのパンツに合わせられます。

ラベンダーのロンストです!



バシッとスーツ姿の時と、普段着との使い分けをされるあたり、

質感までトータルでコーディネートされる I さんは、本質志向の本格派です。

I さん、いつも撮影ご協力、ありがとうございます!






20万円握り締めてご来店下さり、「お任せします!」

嬉しいです、ありがとうございます!!

でも(初歩的な事ですが)、

お話を聞かせて頂くと、持っておられるシャツや靴、ベルト、、

全体のバランスが悪いかも、、

スーツを着るときには、全体のバランスが大切。

そんな時は12万のスーツにして、残った8万円をその他に投資される事を勧めます。

もちろん、20万円以上のご予算があって、他にも予算が取れるなら、

ご予算の20万円全てをスーツに注ぎ込んで下さい。(笑)



どうお金を使われようと、余計なお節介ですが、

スーツってシンプルが故に基本的な事を押さえた方が、そんな思いから。

以前このブログの〝オシャレ通信〟カテゴリーのどこかで、『紺に始まり、紺に終わる。』

という内容を、書いた気がしますが、

これは、そういった基本的な事をパーフェクトに押さえ、

その上でバランスの取れた自分流を持った上級者だからこそ、、

きっと、ネイビーがお洒落に映えるんですね。



一点豪華主義ってのもアリですが、

あっ、、これ以上書くと本題から外れるのでので、、

また別の機会にでも。(笑)






つくば市のWさんのジャケットです。

この生地は、マッセアトゥーラでは人気があって、

日本人が敬遠しがちな緑ですが、意外にスンナリと着て頂けます。

ベースになる緑も、モダンな感じの微妙な織柄が入っていて、

レンガ色のウインドゥペーンが活きてます。





こんなモダンな表情のツイードなら、都会的です。










コーディネートは、「こ~でねぇ~とっ!」って見本。(爆)

ジャケットには、黒いパンツを合わせようとされる方が多い?ですが、

この配色はNさんも、「思い浮かばんかったなぁ~」と気に入って下さったご様子。

フラノのメランジェグリーンのパンツ、粋ですね。












今日ご納品のTさんが、涼感スーツを持ってきて下さいました。

表地だけでなく、裏地も高機能裏地が使われていたり、

また、徹底したローコストの努力が随所に!





今日はその紹介ではなく、

『ドレススーツとユニフォームスーツ』について。



Tさんは仕事柄、常時スーツ着用ですが、現場に入られる時もあります。

そして現場用には、ユニフォームとして割り切ったスーツを着ようという考えです。

同じ〝スーツというカタチ〟はしていても、

TPOによって、ドレススーツとユニフォームスーツの使い分けです。



多くの方は、現場に入る事を理由に、恐らく「スーツは制服だから」と仰ると思います。

それだと、せっかくのスーツ本来の装いレベルが下がるので、

マッセアトゥーラでは〝場面によって着分ける〟事を提案しているのですが、

皆さんはどう思われますか?



スーツで考えると解りにくいかもしれませんが、

例えばカジュアルな服装で考えてみれば、どうでしょうか?

大工をしている僕の友人は凄くお洒落で、

金額的に言えば普段は5万円のジーンズに2万円のTシャツを着ています。

でも現場でのユニフォームは、その10分の1以下の綿パンにポロシャツ姿です。

そんな彼ですが、仕事に向き合う姿勢だと言って、

ユニフォームも毎日洗濯をして、清潔感を意識しています。

同じカジュアルでも、TPOの使い分けです。






ミラノ在住のsartinoさんが一時帰国して、

先ず目に付いた(気になった)のが、シャツだそうです。



イタリア人と日本人では骨格(特にバストの厚み)が違うので、

日本人のバストが見劣りするのは避けられませんが、

ほとんどの方がオーバーサイズなシャツを着られるので、

輪をかけるように〝貧弱〟に見えます。



まずネックサイズに合わせ、様々な体型をカバーし、

既製品という〝厳しい制約〟を受ければ、仕方のない事かもしれません。

それに慣れ親しんだ方は、オーバーサイズである事にすら気付いてないのも事実。



さらにそのダボダボシャツは、湿度の高い気候のせいでヨレヨレです。

サイズが大きいから、余計に皺が目立ってしまいます。



せめて襟(首元)だけでも〝シャン〟としていれば、

見るに耐えうると思うのですが、、



やはり、、マッセアトゥーラのオーダーでしか無理なのでしょうか?(笑)

これって、思いっきり宣伝してますよね!(爆)



画像はsartinoさんから頂いた、ミラノの高級食材店『PECKペック』の、

オーリオ・ぺペロンチーノ(唐辛子入りオリーブオイル)です。

週末は、久々に料理でもしようかな♪





Fさん&Iさん、今日の採寸の際には、

sartinoさんの立会いをご快諾頂き、ありがとうございました。






僕の好きな民宿『深三』で出される器は、100年以上使い込まれ輪島塗です。

初めての方は、「何や、こんな古ぼけた器を使って!」と思われる方も居られるそうですが、

そこの大将は、「これ、ウチで100年使い続けている輪島やで!」

と伝えるようにしているので、

そうすると、みなさんの見方が180度変わるそうです。

それは、新しい〝モノの見方(基準)〟が生まれるからですね。



今朝僕が、Cafeでまったりエスプレッソ飲みながら(って一瞬で飲み干しますが!笑)、

道行く人を眺めていると、良さ気な(高級そうな!)スーツを着ておられる方でも、

上下バランスが悪いスーツ姿が多いんですよね。

せっかく綺麗なシルエットのスーツを着ておられる方でも、

靴だけ異様に大きく見えたり、シャツがブカブカだったりするんです。



お洒落な方は価格の高い安いに関わらず、何を着てもお洒落って言われるのは、

その辺りのバランス感覚に長けてらっしゃるからです。



マッセアトゥーラは、単にスーツを仕立てて販売するだけでなく、

スーツに関する、そういった選択眼を養って頂きたい、そんな思いです。

スーツ姿って、、それだけで格好よくはなれないです。

シャツやネクタイ、靴やベルト、、トータルのバランスです。

例えば、シャツのカラー(襟)とネクタイの結び目とのバランス。

以前のブログをご参考に!



もちろん、、内面を磨くのは言うまでもありません!

、、僕が一番できてない!(苦笑)






Sさんの色使いは、いつもパーファクトです。

隙がないというのではなく、ハズシ方までパーフェクト。

いつも勉強させて頂いています。

一朝一夕で身に付くものではない筈ですから、思い切ってSさんに聞いてみました。

色々と話を進めると、理由が見えてきました。

子供の頃から、日常的に着物を楽しまれるご家庭に育たれたそうです。



日本には、独特の〝侘び寂びの色彩文化〟があります。

天然染料(草木染)の色彩は限られるため、

同じ植物染料の濃淡で中間色を作り、

そこに侘び寂びの〝枯淡の美学〟が育まれてきたと考えられています。



どの日本人のDNAにも本来、

微妙な色を見分ける能力が流れていると思います。







今日のSさんの色彩は、まさ侘び寂びの感覚。

タイは、日本で最も古くから伝わる黄色と言われている「刈安色」で、

リバーシブルで組み合わせられる色は「萌黄色」です。

草木の秋色と春色という絶妙な組み合わせ!流石はエルメス!って、そんな事より、



このジャケットの色はまさしく「勿忘草色」です。

日本を代表する初夏の色です。

そして組み合わされるチーフの色は「練色」、これまた日本黄色の一種。



全体の色調としては落ち着いているのに、躍動感が感じられるのは、

黄と青という補色のせいだったのです。

言葉で説明する事が難しいくらい、絶妙な〝組み合わせ〟と〝ハズシ〟が存在します。



色のプロが説明すれば、もっと分かり易いんですけどね、、

僕も、もっと勉強しないといけませんね。(苦笑)