今日届いた3枚のシャツ、そして今日ご注文頂いた4枚のシャツは

無地だったり、織り柄だったり、少しオフがかっていたりするものの、全て白です。

今年の夏場はクールビズの影響?で、白は意外に少なかったのですが、、

これからの季節も、もっと色物が増えて欲しいなと思います。







ちなみにホワイトカラーとブルーカラーという対語は有名ですが、

ホワイトシャツに糊を付けて着るのは、本来のホワイトカラーの意味合いからすると、無粋。

詳しく説明し始めると長くなるので、またの機会に、、

Oさんから頂いたオーダーは、スイス製アルモ社の120番手ボイル素材。

ボイルは夏素材ですが、そんな固定観念?には捉われずに、これからの季節でも

透けるセクシー感を楽しもう!ってノリです♪

襟やカフに使う芯地の色を考えないと、変に色が変わってしまっては困ります。

当然ボイル地なので、芯の堅さも考慮しなくてはなりません。

今回、ボタンは生地の色に合わせて黒蝶貝を使います。

出来上がったら、またご紹介させて頂きますね♪




レギュラーカラーで、シェイプを効かせた11cmロングポイント。

Oさん、こんな感じにしようと思いますが、如何ですか?

襟腰は前回より、前後3mm低くします。




Cotton100%のローン素材は、

シャリッと涼しげで、着用感も軽く、夏にはもってこいの素材です。

同じような生地で、以前から何度も紹介させて頂いているボイル素材がありますが、

この両者の違いは糸の撚りの強さの違いです。

ローンは張りと透明感に優れた上品な、平織りの極薄生地ですが、

ボイルはそれに更に強い撚りをかけて、それも縦横の糸を逆撚りしてシャリ感を強めるので、

凄く目の詰まった、ガーゼっぽい感じの生地になります。

ちなみにボイルはガーゼと同じ組織ですが、

糸の撚り方の違いで、これほどまで差が出るんですから、驚きですよね。



そんなローン地をクレリックにする場合、

襟だけブロードを使うと生地感が違って変なので、

襟やカフにも、同じ綿ローンの白生地を使う事にしました。





出来上がってきたシャツの襟腰が高すぎて、たまたま残布で追加の襟が作れたので、

前後均等に5mm低くして作り変えました。

Oさん、1着目からどんどん高くなって、付け替える前の、この襟で、

前4.5cm、後5.5cmと言う世界の壁!?とまで思える高さでしたからね。(笑)





4着目にして、タイドアップ用のシャツの型紙は

どうやら、Oさんお気に入りのシルエット&デザインに落ち着いたようです。

襟だけではなく、型紙のあらゆる部分を微調整していますけどね。

既製ではありえないシャツが完成して良かったですね♪

ご希望の質感で、ご希望の色のシャツ地を見付ける事が出来なかったので、

「自分で染めてみますか?」、と提案させて頂きました。

僕自身、ずっと今までそうやって欲しい色を手に入れてきましたから、

そんな経験をTさんに話したところ、今回Tさんも試してみられる事になりました。(笑)

先に白無地の生地をお渡しし、Tさんが染色されている間に型紙の準備をし、

染色後、すぐに縫製にかかって出来上がってきました。

こんな方法も、オーダーならではの楽しみ?醍醐味?ですよね♪

今回は生地の段階で染めましたが、製品になった状態だと諸問題ありますので、

決して、良い子の皆さまは真似をしないで下さいね。(笑)




Oさんにご試着頂いた瞬間、ゲイな雰囲気が漂ってきました。

タイトで女性っぽいラインなのに、デフォルメされた大振りなディーテールが、

まさにハード&セクシーな、

何ともゲイっっぽさを漂わせています!(笑)

こんなシャツ着て、パリのマレ地区なんて歩いたら、大変な事になるだろうし、

ゲイ・プライド・パレードに参加したりした日にゃぁ、、(汗)



胸板に張り付くタイトフィットなシルエットに、この大きな襟!

更にそれを強調するかの如く、襟ハネを縦取りしているので、襟が凄く目立ちます。

台襟も縦取りしているので、余計に襟が大きく見えて、目立ちますね♪

話題とは無関係ですが、当然柄合わせをしています。

ちなみに前襟腰4cm、後襟腰5.5cmで、襟ハネはセミワイドの10cmです。





背中に張り付くこのタイトさ、、

ヌード寸法に対するウエスト周りのゆとり量は〝シングル〟です!(爆)





ミニマムタイトな後姿に、ビッグな襟!

ヨークの裁ちも逆にして柄合わせした方が、よりゲイぽかったでしょうか?(笑)





メトロセクシャルなファッションとは違って、

ゲイファッションの方が男性っぽさを感じるのは僕だけでしょうか、、

パリの街を歩いていてもお洒落だな!って思ったら、ゲイの方なんですよね~

もしかして、僕にもその気があったりして!?(大笑)




本来なら、シャツのカラーがイカれた時に取り替えるイメージが強いクレリックですが、

今では、デザイン的なものとして捉えられています。

身頃の生地の質感に合わせて、クレリック部分の生地を探すのも、

これまた、ひと苦労です。(苦笑)

今回は、少し透け感のある薄手の〝ローン〟と云う、サラッと爽やかで上質な綿素材です。

クールBizの影響で、ちょっと個性的なシャツを希望される方が増えています。




柄が柄だけに、シルエットやディーテールは真面目にきちっと作ってます。

意外に、こんな柄物のシャツで、キッチリしたデザインの物って少なくないですか?

それが狙いですが、どれだけの方に分かって頂けるか、、(苦笑)

同じような柄が、あと1着分だけ在庫あります。








襟の雰囲気が気に入られたと云う、Oさん所有のバルバのシャツをサンプルにしながら、

襟をひと回り大きく、着丈を短く、カフをフレアに、

リデザインして仕立てました。

フィッティングに関しては、既に完成しているOさんの型紙をベースにしています。







リデザインしたポイントを簡単にお伝えします。



襟を立てて途中で折り返しても、

紙のように〝パリッ〟と折り曲がってくれるように工夫してあります。(後述)

今回Oさんが、最も意識されたバルバの襟仕様です。

ボタンの間隔も、第2ボタンの位置を通常より随分と下にして、

首元のボタンを外した時に胸元が開き過ぎないようにした、100%クールビズ仕様。(笑)



また、画像には写ってませんが、

袖ボタンを留めた時に、カフスがフレアになるように変更しました。。

それに、通常より着丈を短くしてゆとり量も削り、オーバーシャツ専用丈にしました。

打ち合いの柄合わせも、シッカリ合わせてあります。







この襟の拡大画像が、襟を通常の状態にしたところです。

この襟の高さ、襟のデカさがお分かり頂けますか?

ちなみにOさんが着られると、この襟腰の高さは気にならず、綺麗なんです。

首の短い僕が着ると、間違いなく亀みたいになります。(苦笑)







ここで、前述の〝紙のようにパリッ〟とした襟の理由。

襟・台襟・カフスに、『トップヒューズ芯』を熱圧着プレスしてあります。

画像は台襟に圧着したところでです。



これによって生地の質感に合わせた紙のような独特の風合いを出しています。

マッセアトゥーラでは通常、この紙のような風合いを嫌って、フラシ芯を使うのですが、

今回は、その雰囲気を逆利用して、よりシャープな雰囲気を狙いました。

ちなみに、トップヒューズ芯は熱耐性が低いので、

取り扱いには幾つかの注意点が必要ですから、しっかりお伝えしました。



自分の気に入った物を、更に自分の好みに昇華させ、自分だけの1着を手に入れる、、

こんなシャツ、愛着もひとしおですね。






サンプルでお預かりしたシャツはバストダーツがなく、

男性的なイメージが強かったのですが、

今回はそれを基本に、全体のサイズを調整し、バストダーツを加えることで、

サンプルシャツよりは、少し女性的なラインに変更しております。